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#REBT実践記:クレーマーに対する?怒り

職場には特徴的なクレーマーが頻繁に現れ、その人のせいで仕事が大いに滞る。会社全体として、どのようにクレーマーに対処していくか、指示のメールが届いた。またか、面倒くさいなと思っているうちに、だんだんと怒りが募ってきた。

最初は、クレーマーに対する「怒り」だと思っていたものが、論理療法(REBT)を使いながら分析し反論していくと、どうも怒りの矛先は違うところに向っているようだった。(実際にビリーフを確かめて、反論を試みても、どうもうまく行かないところからそれに気づいた)今回の場合は、組織・職場に対する「ねばならぬ」主義が発動した結果だったようだ。

こういう自分では、すぐに気づかないところが分かるのが論理療法の面白いところだと思う。

A 出来事:クレーマーに関する報告

職場でのクレーマー対策のメールをもらう

C 感情:イライラ

胸がムカムカしてくる。やがて強い苛立ちに代わる。

B 思い込み:クレーマーへの怒り?

最初は、明らかにクレーマーに対する「怒り」だと思い、「他人へのべき思考」を探した。書き出してみたビリーフ文。

「クレーマーには復讐しなければならない。または、疲弊させるための作戦を講じなければならない。なぜなら、やられっぱなしというのは公平ではない。何度も同じようにやられることを繰りかえすとすれば、まるで愚か者ではないか」

しかし、どうも違うなと気が付いた。

このビリーフ文が、自分の中でしっくりこないのだ。そこで、もしかすると、クレーマー対策のメールそのものに対する苛立ちなのかもしれないと考えた。そこで、会社・組織に対する「べき思考」がないかを探ったところ、次のようなビリーフ文ができた。

「クレーマーに対してもっと実際的な策で応じなければならない。具体策を講じずにまた怒鳴られると嫌な思いをするのはこちらではないか。何度も同じことを繰り返すとは無駄である」

もっとちゃんと対処してくれよ!という心の声が怒りにつながっていたようだった。そこで、会社に対する歪んだビリーフの修正に挑んだ。

D 反論:事実を考える

クレーマーに対して闘わなければならないのはなぜか?やられっぱなしは不公平なのか?毎回、同じように攻撃されることは愚かなのか?職場、組織としては実際的な策をすでに講じているのではないか?スタッフの増員を行い、クレーマー対策が少数の人に偏らない配慮もしてくれている。対応した人が嫌な思いをするのは事実だが、それは最悪のことだろうか。

できるだけそれを避けようとするが、避けられないときもあり、そういう時には困難をただ甘受するのが良い。苦情、苛立ちと面と向かい合わなければならないことがあるのが人生だ。自分の策が常に正しいわけではない。上司のほうが全体像を見回すことができているだろう、職場の指導にしたがって粛々と行動することが今は良いかもしれない。

E 元気づけ:

どうして?とか、もっとこうしたほうが?という感情はとにかく抜きにして、指示にしっかり従えるように、メールを見直そう。

#REBT解説 :感想

今回の場合、「怒り」はクレーマーに向っていなかったというのが興味深い。最初は、イライラしはじめた時、他者への「べき思考」だろうと短絡的に判断したのだけれど、怒りは「身内」に向っていたわけだ。状況や社会に対する「べき思考」があったのだ。

ビリーフの定義を間違えると、反論は何の効果も無いことを身をもって知る。まず、自分自身のホンネをしっかり探り出すことが必要であることを理解できた。クレーマーに直面した時のイライラではなく、クレーマー対策に関するメールを見た時のイライラであることがポイントだ。C(感情)を生じさせることになったA(出来事)には、必ず意味があるので、それを見逃さないようにしよう。


#REBT #論理療法 #セルフヘルプ心理学 #怒り #アンガーマネジメント


大人のADHDグレーゾーンの片隅でひっそりと生活しています。メンタルを強くするために、睡眠至上主義・糖質制限プロテイン生活で生きています。プチkindle作家です(出品一覧:https://amzn.to/3oOl8tq