見出し画像

発達障害の成功法則。理想の人生・理想の仕事を求めて「5年後の目標」を立てるべきか。

目標設定・目標達成本は、私の大好きなジャンルだ。しかし、今までの人生で適切な目標を設定して、それを成し遂げたことなどない。特に長期目標の設定はうまくいかないのだ。

自身も発達障害の精神科医星野氏によれば、発達障害(ADHD)は、長期目標を立てにくいという特性があるのだという。時間の見積もりが下手だったり、優先順位を定められないという特徴が関係しているのかもしれない。

私も、一週間ごとなら、区切って目標を立てられるけれど、1年、3年、5年となると、もう雲をつかむような話に感じられてしまう。

しかし、もし、それが自分なら、それでもいいではないかと思えるようになった。ADHDは、短期目標を決めて「今を生きる」生き方が合っているようだ。今日は、そんな話をしてみよう。

5年後の「目標」を立てるべきか?

デイル・トーテンの「仕事は楽しいかね」の中に、目標設定に関する現実的な言葉が出てくる。多くの自己啓発本とは違う内容なので、目が留まった。

「何年も先に明確な目標を立て、その道どおりに一歩ずつ実現していく」のは不可能だということです。5年後、10年後はもとより、1年後も、さらには明日でさえ、何が起こるかはわかりません。仮に目標を立てたとしても、「絶えず変えていく」ことが必要なのです。」

「僕がいままでに掲げた目標が一つだけある。聞きたいかね? 〝明日は今日と違う自分になる〟だよ」

毎日、昨日とは違う自分になる。不思議なおじいさんの、一言が深い。「明日は今日と違う自分になる」。こんな小さな目標が、人を前に前に動かしていく。大きすぎる未来を前にドカッとおかれると、人は身動きできなくなるもの。小さなことから、自分を変えていくというこのノウハウは普遍的に正しいものではないだろうか。

小さなことを、ひとつずつ積み上げていくだけで、人は大きな変化を遂げることができる。

この本の中には、メキシコオリンピックの男子走り高跳びで金メダルを獲得したディック・フォスベリー選手のエピソードが登場する。彼は、今ではスタンダードな跳び方である「背面跳び」を最初に行った人なんだ。

当時の主流だった「ベリーロール」がどうしてもうまく行かず、なんとかバーを避けて飛ぼうと、自分なりの工夫を繰り返すうちに、いつの間にか「背面跳び」という独特な跳び方を開発していたのだ。彼は革新的な跳び方を開発しようなんて、考えてもいなかった。

目の前のバーを落とさないことだけを目標に、毎日、毎日1㎝上を跳び続けた結果だったのだ。

計画を立てすぎてはいけない

私は、これまで何度も長期目標を立てて、それを実行するごとに挫折を経験してきた。毎年の初めには、1年の目標を書き出したものだし、5年後の目標を書き出し、そこから逆算し、月ごとになにを行うかを計画したこともある。

しかし、細かく計画を立てれば立てるほど動けなくなるのだ。でも、実は、この現象、心理学的にも正しいそうだ。今までやってきたことは、まったく逆効果だったのだ。

人生には予想もつかないことばかりが起きていく。自分では、がっかりするような結末に終わったことが、後の大きなチャンスにつながることがあった。短期的に見れば、バッドエンドだけど、長期的に見ればハッピーエンドにつながるストーリーもある。

自分の立てた目標に、もし縛られていたとしたら、成し遂げえなかったような場所に今いるのだ。人生は「トランジション」であることを、40数年生きて理解するようになった。ちょっとは大人になったのか。

理想の人生・理想の仕事などない

今の自分に思い描ける理想の人生・理想の仕事が、将来の自分にとっても理想だとは限らない。目標通りにいかなくて良かったのだと気づく時が来る。そうであれば、今の仕事の中でも小さな改善を繰り返していき、毎日の生活の質を上げることが幸せなのだ。自分探しなどする必要はない。

人生には、いくつものドアがあって、いつ、どのドアが開くのかはわからない。でも、そのドアの前にいるからこそ、チャンスをものにできる。もがきながらでも、前に進んでいる人。目標通りではなくても、動いている人だけが、ドアにたどり着くのだ。

たぶん。


綿樽剛の著書一覧


#目標設定 #目標達成 #長期目標 #短期目標 #発達障害 #大人の発達障害 #ADHD #大人のADHD #ADHDの仕事術 #仕事術


大人のADHDグレーゾーンの片隅でひっそりと生活しています。メンタルを強くするために、睡眠至上主義・糖質制限プロテイン生活で生きています。プチkindle作家です(出品一覧:https://amzn.to/3oOl8tq