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「寝起きの辛さ」を改善するヒント「成功する人ほどよく寝ている 最強の睡眠に変える食習慣 」 前野博之

メンタルを強くするために、さまざまな試行錯誤をしてきたが、何より大切なのは「食事(栄養)」と「睡眠」だという結論にたどり着いた。(本当は「運動」も大事なのだが、まだ、これは手つかずだ。)そんな私にとって、この本は、まさに興味・関心にドンピシャリであった。

前野博之 氏の肩書は「栄養睡眠カウンセラー」である。前野氏は、もともと食事・栄養の面からアスリートやビジネスパーソンにアドバイスを行ってきたが、どうしても成果が出ないクライアントがいることに気づいた。そして、共通項として「睡眠」時間が短く、質が低いことに気づいたのだ。やがて睡眠指導も行うようになり、食事改善+睡眠改善でクライアントを成功へと導くようになった。

この本の中では睡眠の悩みとして取り上げられる4つのポイントを徹底解説している。アンケートではビジネスパーソンが抱える睡眠の問題、1位「午後に睡魔に襲われる」2位「寝起きが辛い」3位「夜中に目が覚める」4位「寝つきが悪い」だという。

在宅ワーカーである私の場合は、普通のビジネスパーソンの数倍寝ているのだが「寝起きの辛さ」だけはどうしても改善しない。とても興味を持ってこの本を読み、実践している最中だ。特に興味深かったところを読書メモ代わりに書き残しておこうと思う。

睡眠サイクルの重要性

理想の睡眠には3つのポイントがある。(1)寝つきまでの時間(2)深い眠りと浅い眠り(3)睡眠の深さの変化 である。私の場合、寝つきは非常によい。毎回、睡眠計測しているが10分前後のうちに爆睡に入る。これは非常に良い傾向だ。

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ご存じのように、深い眠りはノンレム睡眠、浅い眠りはレム睡眠と呼ばれる。最近の研究では、それぞれに欠かせない役割があることが明らかになっている。

ノンレム睡眠の効能

以前から学んでいるように就寝から最初の90分で表れるノンレム睡眠は非常に重要な役割がある(参考:深い睡眠の量を増やす「熟睡できる人」の習慣なぜ「食事」を変えるとよく眠れる 保坂隆)。この本の中では、脳の海馬(記憶の一時保存)から記憶を大脳新皮質へ移動させるという役割、および、成長ホルモンを分泌して体内組織を修復・回復させるという役割と書かれていた。

特に成長ホルモンが分泌されるのは最初の90分のノンレム睡眠だ。成長ホルモンは「脂肪の分解、骨密度の増加、筋肉の発達、肌のターンオーバー」などに関わる。つまり人体が日々修復され多くの病気が未然に防げるかどうかは、この深い眠りをとれているかどうかが重要なのだという。

また、眠りの後半に表れるノンレム睡眠(8時間睡眠の場合、最後の2時間)には「技能の習得」に関係のある意味があることが分かっている。楽器やスポーツを行う人は、あまりにも早い朝練を繰り返すと、このノンレム睡眠が欠けてしまい、結果としては技能の習得が遅れるのだそうだ。

レム睡眠の効能

一方、レム睡眠の時には人は夢をよく見る。脳は、夢を見ている時間に、過去の記憶と今日の記憶を混ぜ合わせて新しい発想を作るのではないかと言われている。レム睡眠がしっかりとれている人は発想力がよくなる。また、最近の研究では、レム睡眠に脳の情動回路が調整され、人の感情を読み取る能力などが強化されることが分かったという。

バランスのよい睡眠サイクル

このように、ノンレム睡眠とレム睡眠が交互にバランスよくあらわれることが欠かせない。ざっくり言うと、最初の90分でぐっと深い眠りに入り、ノンレム・レムを繰り返しつつ、だんだん眠りが浅くなっていって、最後は自然に目ざめるというのが理想的だ。

そこで、睡眠の波形を見るために、最近は無料アプリを併用して睡眠計測を始めた。大まかな傾向としては、寝つきはよいが、安定して深い睡眠を保つことができず中途覚醒することが多く、逆に寝起きは辛い。

「寝起きの辛さ」を改善する

私の長年の悩みは、スッキリと起きられないことだ。前野氏が指摘する寝起きの辛さの要因は二つある。(1)睡眠負債と(2)副腎疲労だ。このうち、睡眠負債は私には当てはまらないだろう。在宅ワークになってからは、特に、安定して7時間~8時間を寝続けているからだ。23時前後には就寝、7時~8時に起床という生活が続いている。

そこで、気になったのが「副腎疲労」だ。副腎疲労というキーワード自体は聞くことがあったが、あまり睡眠の質と関連して考えていなかった。ストレスを経験すると、副腎はコルチゾールというホルモンを出して何とか対応しようとする。コルチゾールが出ると人は機敏に動き、覚醒し、集中力を高められる。しかし、コルチゾールは天然のエナジードリンクみたいなものだ。

慢性的なストレスにはめっぽう弱い。ストレスが長く続くと、コルチゾールを分泌しようと頑張る副腎はすっかり疲れてしまって、だんだん働かなくなる。やがて、朝起きる時にもコルチゾールが出なくなり、起き上がって活動するエネルギーを高めることができなくなるのだ。

副腎疲労症候群チェックリスト

下記は「医者も知らないアドレナル・ファティーグ」に基づいて前野氏が抜粋・加筆修正したチェックリストである。チェックリストに答えることで、どれほど副腎疲労が見られるかが分かる。

・朝、起きるのが辛い 
・眠っても疲れがとれない
・カフェイン飲料を飲まないと体が目覚めない
・午後3~5時くらいに重度の疲労感を感じる
・夕食後や、午後 11 時を過ぎたあたりで元気が出てくる
・寝ても3時間くらいで目が覚め、その後眠れない
・全身が重い、だるい
・横になったり、座った状態から急に立ち上がると、立ちくらみやめまいがする
・やる気が出ない
・何もかも嫌になるときがある
・記憶力や集中力の低下がある
・気分が落ち込みやすい
・砂糖や甘いものが欲しくなる
・塩分の多い食品が食べたくなる
・風邪をひきやすい、風邪の治りが遅い
・急かされたり、プレッシャーをかけられると、思考が混乱する
・血圧が低い
・冷え性である
・体重が増加し、お腹回りに脂肪がついてきた
・婦人科系の疾患、PMS(月経前症候群) が悪化している ※女性の方のみ
・性欲が減退している ※男性の方

成功する人ほどよく寝ている 最強の睡眠に変える食習慣 (講談社+α新書) 
前野博之 (著) 

ははは・・・

ほとんどが当てはまっているという悲しさだ。私は副腎疲労が大きいかもしれない。私は毎朝、血圧や体温を測っているけれど、起きられなくてつらい時は体温が34度台だ。また非常に血圧が低いことが多い。体が起きる準備を整えていないというのは明白だ。体温を上げようと、筋肉をつける努力をしたり、ヒハツを摂ったりしてきたけど、むしろ副腎を回復させるほうが先なのだろうか。

副腎疲労を取り除くためには、ストレスをためない環境調整(考え方も含む)が必要だ。また、栄養素としてビタミンC・ビタミンB・フィトケミカル・マグネシウム、タンパク質などをしっかり摂ることが大事だという。この本の中では、副腎疲労の回復法はそれほど深く取り上げられていない。

そこで、さっそく、副腎疲労に関する本を数冊読んで研究してみることにした。お得意の図書館を使おう!研究結果はおってご報告。これで長年の寝起きの辛さが解消したらすごいよね。

睡眠で幸福度が上がる

睡眠ほど人生の幸福度と関係がある習慣は少ないだろう。どれだけお金を持っていても、どれだけ理想的な容姿を持っていても、なかなか寝付けなかったり、寝ても寝ても熟睡感がなかったりすれば幸福感は持てない。この本によれば、熟睡した後の気持ちの良い起床はプライスレスであることが分かるよね。

「英国ウォーリック大学の心理学者、ニコール・タン博士の研究では、よく眠れた睡眠は 20 万ポンド(約2400万円) の宝くじに当選したのと同程度の幸福度に匹敵すると報告されている。また、同大学が発表した別の論文「幸福と生産性」によると、幸せな気分でものごとに取り組むと、生産性が約 12%向上することが判明した」

成功する人ほどよく寝ている 最強の睡眠に変える食習慣 (講談社+α新書) 
前野博之 (著) 

私は寝起きが悪いので、これまで本当にスッキリと起きられたという睡眠は、数えるほどしかない。今でも思い出すのは、家族で温泉に行ってそこで眠って起きた時のあの爽快感、また妻の実家(地方)に泊まりに行ったとき、仕事場から遠く離れているからなのか信じられないくらいよく眠れたのを覚えている。そういう睡眠を思い出すってことは、普段の睡眠は基本的に不愉快だということ。

メンタルを強くするためにも、健康になるためにもスッキリ睡眠は追及しつづけていきたいと思う。以下のマガジンに睡眠ネタはまとめている。

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大人のADHDグレーゾーンの片隅でひっそりと生活しています。メンタルを強くするために、睡眠至上主義・糖質制限プロテイン生活で生きています。プチkindle作家です(出品一覧:https://amzn.to/3oOl8tq