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我慢しないで食べれば食べるほどよいBOOCSダイエットって本当なの?「脳の疲れをとれば、病気は治る! 脳疲労時代の健康革命」藤野 武彦

読み始めるまで気づかなかったが、いわゆるBOOCSダイエットの本だった。BOOCSダイエットは、賛否あるけど、他のダイエット本にはない興味深い視点がある。ちなみにBOOCSは以下の頭文字をとったもので、藤野氏の提唱している脳疲労をいやす理論のこと。

Brain(脳)・Oriented(目指した)・Oneself(自己)・Control(調整)・
System(方法)

「脳疲労を治す=好きなだけ好きなものを食べる!」というシンプルな方法で本当に痩せるのか、栄養の勉強をある程度した私からすると、なかなか得心できないのが本音。でも、私がMECで痩せられた経験からすると、食べるものさえ選べば間違いとは言えないかもしれない。

BOOCS理論の3本柱

第一原理:自分が自分を禁止、抑制することをできる限りしない。
第二原理:自分にとって心地よいことを一つでもいいから始める。
第三原則:健康によくて、しかも自分がとても好きなこと(食べ物)を一つでもいいから始める(食べ始める)。

「制限」が脳にストレスを与え疲労させるので、まずは一切「制限」しないというルールがある。あれをしてはいけない、これをしてはいけないと制限を課するより、好きなことを好きなだけやらせる。その中で健康的な習慣を一個加えるのだ。

極端な例だと思うんだけど「五時から男」を地でいき、毎日、気の合った仲間と会っては酒は一升、タバコは四〇本、運動はいっさいしない」公務員のNさんの例が登場する。BOOCS理論で言えば、第一・第二原理はあてはめているので、Nさんは、基本的にこれで良いのだという(え~~~~!)。

Nさんの場合は、第三原理だけ加えることにし、後述する一日一快食を実践したところ、Nさんは痩せはじめ、各種の健康状態(コレステロール・中性脂肪・脂肪肝)も改善されたという。

これが本当なら、私のこれまで学んできた健康理論が総崩れするが・・。ともあれ、この理論を実践する「核」になっている一日一快食について考えてみよう。

「一日一快食」

「一日に一度は快食を、つまり質量とも心から満足できる食事を楽しみましょう。」

「「快食」を夕食で取る場合、多くの方が気にするのがその時間です。「仕事が不規則で、どうしても夕食の時間が遅くなる。でも家でゆっくり食べたい」というのなら、ぜひそうしてください。遅い時間に食べるマイナスよりも、快食ができるプラスのほうがはるかに大きいのです。」

一日一度は思いっきり好きなものを好きなだけ食べる。「脳疲労」に焦点を合わせているので、栄養のことはとりあえずおいておく。好きなものを食べると、脳疲労が癒されると。なんと食べる時間さえ気にしなくてよいのだ。

紹介されている事例では、どうしても夜が遅くなり10時、11時の食事になってしまう人が出てくる。いわゆる健康的な食生活より、脳疲労をいやすことが大事だと説得し、夜にドカ食いしてもらう。そうすると、ぐんぐん痩せ始めたという例がとりあげられていて、健康的に生きようと努力している私は唖然とした。

ただ、頭ごなしにこの理論を否定できないのは、私も同じような方法で痩せたからだ。私の場合は、糖質制限→MECダイエットに取り組んだけれど、MECは、「制限」より「できるだけ肉を食べる」ということに重きが置かれる方法だ。制限より、加えることに重きが置かれている。夜でも、寝る前でも、「肉を食べよう」という、従来とは真逆のアドバイスを受け入れて実行した結果、1年かけて10キロ近く体重を落とすことに成功した。これは事実だ。肉は消化に悪いとか言うけど、1年近くで健康診断の数値もすべて正常に。

ん~でも、しかし、これはMECだからこその成果だろう。同じ食事法を、糖質食べ放題・インスタント食品で実践するとどうなるだろうか?糖質を食べまくることが、脳疲労を癒すとはどうしても考え難い。MEC+BOOCSダイエットという条件さえつければ、分からなくはない。

自己鍛錬か完全休養か

「エネルギーがなければ悩むこともできないのです。したがって多くの現代人のように、エネルギーがない人には北風型は向きません。その点、太陽型であるBOOCSからスタートするほうが、いまの時代に合っているのです。」

現代人は、脳疲労→うつ病気味である著者は説く。だからこそ、北風式にエネルギーを使う鍛錬法ではなく、まずは、太陽型に「好きなことを好きなだけさせる」BOOCS法が適しているのだという。自己鍛錬とメンタルタフネスへの道をひた走る(走りたい)私としては、普通に受け入れがたい結論だった。

読みながら「え~ほんとかい!」と、いちいちツッコミを入れてしまう本だった。ある程度、栄養の知識をつけた人が様々な視点を獲得するのに、読むには悪くない本だと思うけれど・・・すでに乱れた食生活の人が、まるで自分の食生活の免罪符のように使うには「劇薬」だなぁというのが率直な感想だ。脳疲労も、質的栄養失調から来ている気もするので、今の私の結論は三石理論や藤川メソッドのように、身体の原材料はしっかり摂取しないと危ないんじゃないかなってことだ。

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大人のADHDグレーゾーンの片隅でひっそりと生活しています。メンタルを強くするために、睡眠至上主義・糖質制限プロテイン生活で生きています。プチkindle作家です(出品一覧:https://amzn.to/3oOl8tq