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ADHDあるある

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#書評

「発達障害」という曖昧な用語と、統一性のない診断と猫も杓子も。

「発達障害」という曖昧な用語と、統一性のない診断と猫も杓子も。

猫も杓子も発達障害である。生きづらさ、個性的、変り者、なんでもかんでも発達障害という言葉で片づけようとすべきではない。発達障害というラベルが貼られることで、かえって実態は曖昧模糊としたものになり、対処法もないかのように思えてしまうことがある。

発達障害という言葉の使い方・診断に関しての疑問を表明する識者は少なくないようだ。私も情報発信者の一人として注意しなければならないと感じた。

ひとまとめに

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そんな自分がちょっと好きだったりする(書評)ADHDでよかった 立入勝義

そんな自分がちょっと好きだったりする(書評)ADHDでよかった 立入勝義

ADHDでなければ、どれだけ生活が楽だっただろうと思うことはあるけれど、ADHDでない自分のことを想像することができないのも事実だ。ADHDは自分そのものなのだ。だから、今ある自分がいるのも、たどっていけばADHDのおかげだとも思える。このなんだか、わけのわからない感覚を自伝の形で書き表した本を見つけた。

アメリカ在住20年の起業家・コンサルタントの立入氏だ。彼がADHDの診断を受けたのは34歳

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理解できないと決めつけないで。【書評】「大人の発達障害」をうまく生きる、うまく活かす 田中 康雄 笹森 理絵

理解できないと決めつけないで。【書評】「大人の発達障害」をうまく生きる、うまく活かす 田中 康雄 笹森 理絵

「発達障害」という言葉は、近年、乱発されすぎていて、良識のある医師たちの中にはその傾向を危惧している人も多い。発達障害の専門医である田中康夫氏もその一人だ。田中氏は、発達障害は突き詰めると「すべての方が多かれ少なかれ抱えている特性の一部」だと考えているという。

発達障害というラベルで思考が麻痺してしまうと、それ以上、その人のことを知ろうとしなくなる。発達障害の中には、ADHD・ASD・LDが含ま

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ADHD/ASDは「治る」のか?【書評】発達障害の僕が輝ける場所を みつけられた理由 栗原 類

ADHD/ASDは「治る」のか?【書評】発達障害の僕が輝ける場所を みつけられた理由 栗原 類

ふだん、テレビを見ない私は栗原類君のことをあまり知らない。彼が出ているバラエティも、ドラマも見たことがない。でも、ネット上で「発達障害のモデル」(ネガティブキャラのイケメンモデル)という評判は聞いたことがあった。今回、初めて彼の本を読んで、そのコツコツした努力(主に母)に感銘を受けた。

そして、発達障害の、障害は変わらないものではなく、少しずつでも改善でき、成長できるものだという確信が強まった。

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