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p002.小さいことが気になったら

読書が苦手でした。すぐ飽きるし、活字を見ていると眠くなる。心の元気がないときに本を勧められたこともありましたが、文章を読むなんて文字通り嫌気がさしていました。

そんな僕でも、今では本を手に取らない日はありません。読書には、癒しの効果があることを確信したからです。

メンタル本大賞のサポーターをしている医療従事者が、毎週金曜日あさ7時に「こころが軽くなる本」を紹介しています。

今回は、小さいこと気になるときに読みたい一冊です。

1."気になる"に悩む人へ

突然ですが、HSPをご存知でしょうか?

Highly Sensitive Personの略で、アメリカの心理学者エレイン・N・アーロン博士が提唱した概念です。神経が細やかで感受性が強い性質を生まれ持った人のことで、いわゆる"繊細さん"のことです。

僕も大きな物音に敏感だったり、簡単に結論がでるようなことも深く考え込んでしまうなど、なんとなく生きにくさを感じることがあります。そんな中、SNSを眺めていたときにHSPの概念と出会いました。

調べるうちに今までの生きにくさの理由がわかった気がして、ホッとしたのを覚えています。

さて、そんなHSP気質の方におすすめしたいのが、今回紹介する益田ミリさんのエッセイ「小さいコトが気になります」です。

僕が益田ミリさんを知ったのは、あるYouTuberさんが紹介していたのがきっかけでした。表紙のゆるいタッチの絵と興味をそそるタイトルに惹かれて、すぐにポチってました(前回紹介した本も同じ理由でしたね笑)。

益田ミリさんはイラストレーターでもあり、本書にはマンガが一部掲載されているので、心が疲れてしまった方や読書が苦手の方でも読みやすい本と思います。

特に繊細さんにおすすめしたい理由は、"小さいコトが気になる"がちょっと楽しくなる本だからです。

繊細さんは、どうしても小さいことが気になって疲れてしまうことが多いと思うんです。でも、楽しむことができたら…ちょっとワクワクしてきませんか?

2."気になる"自分を肯定できる

ある研究によると、人は一日に3万5千回もの選択をしているそうです。朝になったら「起きるのか起きないのか」から始まり、夜になったら「寝るか寝ないのか」ときには、人生を変えてしまう大きな選択を迫られるときも…

いずれにしても、選択をするときに自分が損しないように"確認"をすると思います。朝なら、時計をみて時間を確認するように。

この世にはさほど必要のない「確認」もあり、わたしは、その、さほど必要のない確認のために、そこそこの時間を費やしていることに気づいたのでした。

【出典】益田ミリ著「小さいコトが気になります」筑摩書房(2019)p3

本書には上記のような確認について、40のエピソードがマンガも交えて綴られています。

買い物カゴ、人ん家の窓、モンブランの中身、桜、エンドロール…

一見どうでもいいけど、なんか気になる…ってお話ばかりなのです。

著者の経験談にクスッとする場面も多いのですが、「あ、この視点おもしろいな」「こうやって考えればいいのか」とどこか腑に落ちるものがあります。

また、「小さいコトを気にするのも悪くないな」と些細なことが気になってしまう自分を肯定できる気がしてくるのです。

3."気になる"から得る学び

そんな本書ですが、僕が特に好きなエピソードは「エンドロールの確認」です。

あなたは劇場で映画を観たとき、エンドロールを最後まで観る派ですか?途中で退席する派ですか?

僕は、最後まで観る派です。理由は単純。エンドロールまでが作品の一部だから…とかっこよく言いたいところですが、おまけ映像があるかもしれないからと思うのが本音です。

著者もどうやら同じタイプらしく、おまけがないことを確認するまでは立ち上がれないらしいです。ただし、それをですね、著者は"警鐘"かもしれないと解釈されるんですよね。

急いては事を仕損ずる。短気は損気。果報は寝て待て。石の上にも三年。待てば海路の日和あり。
「待つ」に重きをおいた多くの教訓。
そうなのだ。
わたしたちは、急ぎすぎている。

【出典】益田ミリ著「小さいコトが気になります」筑摩書房(2019)p109

「時は金なり」という言葉があるくらい、何かに追われていることも多い現代社会ですが、待つことで得られるものもあるんですよね。

このような気づきが得られる本書は、小さなコトを気にしてしまって疲れたときに小休止をうってくれるような本だと思います。

ぜひ、あなたも小さいコトが気になって悩んだら、本書を手にとって見てください。

こころが軽くなりますように。

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