中国から音楽を盗作された上に著作権侵害の申し立てをされた話

オリジナル曲が中国圏の人に盗作され、その盗作曲がYou TubeのContent IDに登録されたため、本当の著作者である私が著作権侵害の申し立てを受けた話です。行った対策や今の時代における著作権保護の問題点などに触れています。

追記
何が良かったのかはわかりませんがContent IDに関しては解除されたので自分の曲を全曲Content IDに登録できました。

ちなみに、You Tubeに散々たらい回し対応をされた末に無視されたり、著作権侵害の申し立てメールを送ったらAIにコロナ禍で人員削減しているから著作権侵害の対応以外は受け付けられないみたいな誤読返信が来て無視されたり、中国の配信代理業者にメールしても何の返信もなかったりと散々だったので本当に何がきっかけで解除されたのかわかりません。

Content IDは誰が本当の著作者であるかなんてことは考慮せず早いものがちの対応をされてしまうようなので、作曲をしている人は今すぐに自身の曲をすべてContent IDに登録しておくことをおすすめします。

1.はじめに

1-1. 簡潔に私の受けた被害を説明

上のツイートの通りではありますが、「menolamp(私)の音源を取ってきた」と発言している中国で活動する盗作者の曲がYou Tubeのcontent ID*に登録され、本当の著作者である私の曲が著作権侵害の申し立てを受けたという話です。

* content IDとは違法アップロードを自動感知して著作者の権利を守る(はずの)You Tubeのシステムです。

もう少し詳しい著作権侵害の被害の要点は以下の箇条書きの通りです。

・盗作されたのは私のオリジナル曲をセルフアレンジしたオルゴール曲
・著作権侵害を行ってきたのは中国の配信業者を使っている人
・盗作は尺も同じで旋律も同じ。上から変なエフェクトがかけられている
・私の名前や曲名の情報は説明文にすら書かれておらず、別のアーティストの別の曲として配信されている
・配信場所はneteaseとYou Tube Musicに加え、content idに登録されている模様
・neteaseの盗作配信ページには"bootlegs"と書かれている
・"bootlegs"は海賊版という意味らしいので、盗作者は自分が権利を侵害していることを自覚していると思われる(にも関わらず盗作曲を有料配信してcontent idに登録した)

1-2. このnoteの目的

あまりにも酷い著作権侵害の事件が起きているということを知ってもらいたかったため、このnoteを書きました。未だ困っていることもあるので、もしアドバイスできる方などがいれば協力して頂きたいという気持ちもあります。

また、概要ではありますが、この騒動に巻き込まれたときに取った対策もまとめています。同じような被害にあった方の役に立ててもらえれば私も少しは救われます。

1-3. 私が行っている音楽活動について

癒し系の落ち着くピアノ曲(オリジナル)を中心に作っている作曲家です。
自分のピアノ曲をオルゴールverなどにセルフアレンジしたりもしています。

You Tube
https://www.youtube.com/channel/UCxN3nkLjCX_sx1UBdEoTROw?sub_confirmation=1

公式サイト(ストリーミングサービスのリンクまとめ)
https://menolamp.com/

作った楽曲はYou Tubeや各種ストリーミングサービスで公開しています。
各所で私が公開している曲は、すべて私が作ったオリジナル曲(とセルフアレンジ曲)です。著作権は私にあり、今まで誰にも編曲の許可も与えたことはないため、アレンジ曲を合法的に世に出せるのは私だけです。

2.行った対策

2-1. 虚偽の申告をしてきた相手の情報を集める

全部詳しく書くとすごいテキスト量になってしまうので箇条書きで簡潔に書きます。

画像3

・You Tube Studioに届いた「著作権侵害の申し立て」から、「使用されたコンテンツ」に書かれている盗作者の名前とタイトル、「著作権者」に書かれている配信業者の名前を控える

情報収集のしやすさや何かの証明に使えるかもしれないため、テキストとスクリーンショットの両方で控えておきました。

・「使用されたコンテンツ」の曲名+アーティスト名でGoogle検索し、検索に出たYou Tube Musicによる自動生成動画を視聴し、虚偽の申告だけなのか、盗作までしているのかを判断する

流れてきたのは私の作った曲の旋律もテンポもそのままに、上から変なエフェクトが重ねられている曲でした。

ここでわかったのは、存在しない曲で虚偽の申告をしているのではなく、盗作をして不正に著作者である私の権利を奪い取ろうとしているということです。

・盗作者の情報を集める

配信業者が中国大手のNetEaseだったため、NetEase MusicのWebサイト( https://music.163.com/ )から盗作タイトルで検索し、プロフィールに書いてあるSNSのリンクなどを控えました。

過去のリリースもチェックし、他に盗作されていないかも軽く確認しました。盗作が収録されたアルバムのタイトルには海賊版を意味する"bootlegs"が含まれていることがわかりました。

・配信業者がどこに曲を配信しているのかを調べ、You Tube以外にも無断配信されていないか情報を集める

配信業者のYou Tube Channelの概要欄からApple Music, Spotify, YouTube, KKboxなどに配信を行っている配信業者だとわかりました。

盗作が無断配信されていないか調べましたが、大手のストリーミングサービスでは(ストリーミングサービス側が弾いてくれたのかは不明ですが)Apple Music, Spotify, KKBOXには探した限りは見つかりませんでした。

逆に、海賊版を名乗っているアルバム名でありながら、まともに審査もせず配信してしまったのは中国大手ストリーミングサービスのNetEaseとYou Tube Musicです。

2-2. 著作権侵害の申し立てに異議申し立てを行う

You Tube Studioの該当の画面から、虚偽の著作権侵害の申し立てに対し異議申し立てを行いました。

虚偽の著作権侵害の申し立てでも、You Tube上ではひとまず申し立てを受けた人間が悪いものだと扱われます。そのため、現状該当する動画には、虚偽の著作権侵害の申し立てを行った中国の配信業者にお金が流れる広告が表示されてしまう状況です。もちろん本当の著作権である私には1円も入りません。

この状況を改善するために必要なのが異議申し立てです。私が本当の著作者であることを証明するために、
・そもそもの私の原曲
・盗作の被害にあった私のセルフアレンジ曲
この2種類の曲のリリース日と配信URLを載せ、曲の尺も旋律も同じ盗作であるということを伝えました。

ただ、一点You Tubeのシステム上の欠陥があって、この異議申し立てはYou Tubeが確認するのではなく、虚偽の著作権侵害の申し立てを行った人間が確認します。もし盗作を配信している中国の配信業者が悪意を持って権利を奪い取ろうとしている場合、この異議申し立てを却下してくる可能性もあります。

You Tubeは世界中の動画が公開される大きなプラットフォームなので、本当の著作者を守ってくれる安心して使える動画サービスにするためにも、You Tube側が異議申し立てを客観的に処理する必要があるように感じます。広告を表示するにはコンテンツが必要なので、コンテンツ制作者のことは大切に扱ってほしいです。

2-3. 無断配信に対し、著作権侵害の申し立てを行う

You Tube Musicに無断配信されている曲に対し、著作権侵害の申し立てを行いました。

その際様々な情報の記載を求められますが、著作権侵害の申し立てを行う際に記載する著作権者名に関しては、申し立てページにも赤文字で書かれている通り全世界に公表されるため、本名ではなく活動名を書きましょう。

また、全世界には公表されない申立人の氏名などの情報に関しては、きちんと正しい情報を記載する必要があります。ここで嘘の記述をすると罰せられるようです。

2-4. You Tubeへの問い合わせを行う

You Tubeはcontent idの不正使用に対して厳しい処置を行うことを公言しているため、@TeamYouTube に対しTwitter上のリプライで冒頭の問い合わせを行いました。盗作がcontent idに登録されている状況なので、You Tube側からcontent idの削除を行ってもらう必要があります。

Twitterのリプライで問い合わせを行ったのは、私には非がまったくなく100%被害者なため、公の場で問い合わせを行うことが重要だと思ってのことです。不正利用が行われているのにその調査をしないのであれば、You Tubeも著作権侵害に加担していることになります。

この問い合わせを行った結果、返ってきたのが以下のリプライです。

とてもつらい。ちゃんとリプライを読んでいるのかも怪しいテンプレ回答が返ってきました。吐きそうだよ。

情報を追加して調査を求めるリプライを送りました。これで対応されないようであれば、You Tubeは無法地帯ということだと思われます。


3. 今回の問題点/私がすごくつらいこと

3-1. 盗作者のモラルの無さ

盗作者のモラルの無さがひどいです。タイトルに"bootlegs"と入っているように、本人も無断で悪いことをしている自覚がありながらも、それを有料配信してcontent idに登録するという神経が理解できません。

また、同じアルバムに収録されている私以外の人が盗作された曲に関しては、一応クレジットは入っています。

画像1

しかし、私が盗作された曲に関しては、(無断配信の時点で違法ですが)クレジットすら入っていないため、私には知名度的な得すらありません。この部分に対し、著作者である私に対するリスペクトはまったくなく、悪意だけが存在するように感じています。

画像2

また、大変つらいことに、私の活動は赤字のようなものなのですが、この盗作1曲だけで2767件ものコメントがついています。盗作にあったのは合計3曲なことを踏まえると、(音楽は儲からないものではありますが)盗作者はある程度の収入を得たとも考えられます。

私は割と貧乏な生活をしているので、この事実が物凄くつらいです。

3-2. 一部プラットフォームの欠陥

中国大手のNetEaseとYou Tube Musicに関しては、審査に欠陥があると思わざるを得ません。

中国大手のストリーミングサービスには、海賊版と注釈が書かれたコンテンツが配信されているのです。海賊版と書かれたコンテンツが堂々と配信されている姿を見るとNetEaseは無法地帯のようにも思えてきます。

また、SpotifyやApple Musicには調べた限り盗作曲の配信は行われていません。盗作者が申請を行わなかったのか、SpotifyやApple Musicが弾いてくれたのかは不明です。

盗作を弾いてくれたサービスが存在するかもしれないにも関わらず、You Tube Musicには配信されてしまいました。多くの国に提供しているYou Tubeという巨大なサービスが、まともに審査もせず盗作曲を受け付けてしまったことに酷く失望しています。

3-3. 著作権を守る柔軟なシステムが存在しないこと

You Tubeに関しては盗作曲を配信してしまっただけでなく、まともな審査もせずに盗作曲をContent idに登録してしまったことで、本当の著作者である私が著作権侵害の申し立てを受けることになりました。広告が表示できればコンテンツが違法コンテンツでも問題ないという認識なのでしょうか・・・

このように著作権を守るはずのシステムにも穴があります。それだけでなくYou TubeのContent IDはよほど大手でもない限り、個人からの申請を受け付けていません。

代理業者を通すことで無名の人間でもContent idを取得することは可能ですが、大きな手数料が取られたり、代理業者によってはホワイトリストの機能が存在しないため自分が登録したContent IDによって自分が著作権侵害の申し立てを受けることも起こり得ます。

無名の人間でも登録しやすく、柔軟に活用できる著作権保護のシステムは私の知る限りは存在しません。

3-4. 体調を崩していること

私はオリジナル曲をこつこつ作っていただけなはずなんですが、今回の騒動でストレスが溜まったせいか胃も痛いし頭も痛いし胸も苦しいしめまいはするし食事はやっとだしで割と最悪なコンディションです。

ピアノを弾くのは私の楽しみでもあるのですが、ここ数日は毎日少しだけでもやっていた曲作りもできていない状態にあります。

4.助けて欲しいこと

現状は各所の対応待ちのようなところもありますが、同じような被害にあった方や法律に詳しい方などがいれば、これからどのように対策していけば良いのかアドバイスを頂けると助かります。

無法地帯と思われる中国のサービスに対して盗作の取り下げを実行してもらったり、著作権料を支払ってもらう手順などもわかる方がいれば教えて下さい。

また、今回の事件に少しでも胸を痛めてくれる人がいたら、この情報の拡散に協力して頂けると助かります。

普段は癒し系の落ち着くピアノ曲をメインに作っています。各種ストリーミングサービスやYou Tubeなどで聴いてみて、少しでも気に入って頂けた際にはチャンネル登録などをして頂けると私の活動の応援になります。

You Tube
https://www.youtube.com/channel/UCxN3nkLjCX_sx1UBdEoTROw?sub_confirmation=1

公式サイト(ストリーミングサービスのリンクまとめ)
https://menolamp.com/

以上です。とてもつらいけど今日も生きています。

長い記事になりましたが、最後まで読んで頂きありがとうございました。


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