PMOとは何か?- 役割の考察 -
PMOとはProject Management Officeの略。PMOの需要は凄くあるんじゃないか?って肌感覚があるので、過去のnoteを再整理・編集して本日のnoteにします。
全ての能力を兼ね備えるスーパーPMは希少
「ビジョナリー、先見性」「マネジメント」「ファシリテーション力」「リスクへの感度」「専門家と対等に対話ができる」「プロジェクトの作法を理解して実戦経験も多数」「コスト管理得意」「経営者とのネットワーク」など。そんな都合のよいPMは普通いない。
プロジェクトの品質や進捗にバラツキがでる問題
これらのPMがプロジェクトを推進すると、当然の結果として品質や進捗にばらつきができる。
PM-Aは期限は守るし、品質もそこそこだけど、メンバーは疲弊する
PM-Bは品質は高いけど期限を守らない
PM-Cはプロジェクトが進まない。
とか、まぁよくある話しだ。
これは組織にとっては大きな課題となる。
解決したいゴールは「プロジェクトをちゃんとしたい」
解決の手段としてPMOを設置する。
その時のPMOの役割を定義するとすれば
PMOの役割はPM(Project Manager)を補完する
つまりPMのスキル・マインドのバラツキをPMOが補完するということ。
補完のバリエーション
・一部の業務を負担する
・業務を効率的に進めるために、業務フローやツールを標準化する、標準化することで、PM教育の難易度も下がり、支援するスタッフも拡充しやすくなる
・PMを一定以上のスキルするために教育する
PMOは何の業務を負担すべきか?理想的な役割は何か?
別の言い方をすればPM(プロジェクトマネージャー)ができない・やらないけど重要な業務範囲はどこか?って部分を負担するってこと。
これを組織の中のPMとPMO役割をプロジェクトを期間までに成功させる。という視点で考えてみる。
PMは、自分のプロジェクトを期間までに成功させる。
PMOは、組織の全てのプロジェクトを期間までに成功させる。
では簡単なシミュレーションをしてみる。
同時に4つのプロジェクトが動いている場合で、なおかつPMOのリソースの潤沢な場合、PM-A〜PM-Dの全てのプロジェクトを成功させるために、以下のような工数配分でPMOスタッフを分担させ支援する。いずれも成功までに最低限必要なスタッフ構成とする。PMOスタッフは3人いれば、計算上全てのプロジェクトは上手くいく。
ではPMOスタッフが2人の場合はどうなるのか?
以下の3通りしかPMOスタッフを配置できない。
一番スキルの低いPM-Cのプロジェクトを、支援するか、しないか。ここがポイントになる。
そしてこの時点でPMOの理想的な役割であるPMOは、組織の全てのプロジェクトを期間までに成功させる。
は成立しない。なぜなら人が少ないから。
PMOの職責の考察
組織としては全てのプロジェクトが期間通りに終了し成功させるのが理想。
しかしPMのスキル・マインドのバラツキとPMOスタッフの充実度+PMOスタッフのスキルとマインドを鑑みて、「全部を期間通りに終了し成功させる」は無理な場合が(圧倒的に)多い。
だから「全部を期間通りに終了し成功させる」はこのままでは100%無理、ということを判断するための材料を常に用意しておく。そしてステークスホルダーに伝えて決断してもらう。いつでも聞かれたら即返答だ!
つまり組織で動いている複数のプロジェクトを最大限成功させるために、PMのスキル・マインドの把握と各プロジェクトの進捗を確認し、ステークスホルダーが直ぐに決断できる状態を維持しておく業務。
これを「PMOの主要な職責の1つ」としたい。
例えば何時でもステークスホルダーに提出できる状態にしておきたい。
1. PMOスタッフの拡充を提案(スキルもセットで)
2. プロジェクトの期間をずらす事を提案(PM-Cのプロジェクトの期間を延ばし、まずPM-A、PM-B、PM-Dのプロジェクトを優先して終わらせる。など)
3. PM-Cはスキル不足、よってPMを変える提案をする
4. 早々にPM-Cのプロジェクトを失敗とし終了させる
全てのプロジェクトが連鎖的に崩壊しないように、俯瞰してみる。
ここはPMでは負担できない部分なので、PMOとしては確実に抑えた方がいい業務だ。新しいプロジェクトが差し込まれても、組織にとって最適なプロジェクト体制を組むための提言をステークホルダーに伝える。
またこの役割はPMO組織を束ねるマネージャーの役割ではなく、PMOのスタッフ全員で意識しておきたい。担当プロジェクト(PMの支援)だけを見るのではなく、組織で何が動いているのか?を俯瞰できるようにしておきたい。
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