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tamano0
金木犀
金木犀の香りがふわりと舞う季節になりましたね。
でも、本当は金木犀なんてものはここにはなくて、
人が作ったニセモノの香りを
わたしは纏っているのです。
毎日起きて、ご飯を作って食べて、
掃除をして、洗濯をして、
買い物に行ったり散歩に行ったり役所に行ったり。
それくらいのことしかしていない日々ですが、
わたしには大変なことで、
息切れをしてしまいました。
入浴剤を買いにドラッグストアへ。
気がついたらもう片方の手には、
オーバードーズするための薬がありました。
帰り道、わけもなく急に涙が止まらなくなって、
涙を隠すためにフードを深く被って
お家に帰りました。
『なんでそんな髪の色なの?』
『明るくなればいいなと思って みんな』
その台詞に憧れて、
髪の毛をオレンジ色に染めたあの日。
私のオレンジの髪は秋風に吹かれて、
誰かの煙草の煙と一緒になびいています。
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