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くしやき
2021年7月8日 21:09
私には、私の人生を大きく変えた本がある。本、というより一つの作品、と言った方が正しいか。変えたといっても、それは価値観の範疇だが。それは太宰治の『火の鳥』という作品だ。広く知られている人間失格や走れメロスは知っていても、火の鳥と聞いて太宰の作品だと気付く人間は少ないかもしれない。火の鳥と聞けば、手塚治虫が思い付く人の方が多いのではないだろうか。火の鳥、文字通り不死鳥の話である。しかし