くしやき

文学部卒/好きなものについて書くだけ

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人生を変えた一冊

私には、私の人生を大きく変えた本がある。 本、というより一つの作品、と言った方が正しいか。 変えたといっても、それは価値観の範疇だが。 それは太宰治の『火の鳥』という作品だ。 広く知られている人間失格や走れメロスは知っていても、火の鳥と聞いて太宰の作品だと気付く人間は少ないかもしれない。火の鳥と聞けば、手塚治虫が思い付く人の方が多いのではないだろうか。 火の鳥、文字通り不死鳥の話である。しかしそれは鳥ではなく、一人の女性だ。不死鳥のように懸命に生きた儚くもいじらしい女性の

    • エヴァを愛した12年とこれから

      私は新世紀エヴァンゲリオンが大好きだ。 以前、シンエヴァ1回目を見終わった時に記事を載せ、そちらにも記載したことと思う。そして今回はエヴァの内容ではなく、エヴァのことが好きな気持ちを述べる、という記事にしたい。 もう一度言う、何度でも。私は新世紀エヴァンゲリオンが心から大好きだ。日本のアニメ史に名を刻む、偉大なるその作品を愛せたことを誇りに思っている。 私がエヴァと出会ったのは12歳の頃だ。 人造人間エヴァンゲリオンに搭乗することを許された、唯一のチルドレンたちより少

      • 加点のない正解の人生

        やるべきことを従順にこなす。疎かにしない。 やりたいことは、時にそっと蓋をする。 そんな風に、24年間生きてきた。 「正解」を、自分で決めることが苦手だ。 やるべきことをこなすのは簡単だ。 行為の内容が難しいとか、大変だとか、そういう問題以前に「やるべきこと」はやる「べき」なのだから。 例えば学生時代の宿題。時に面倒だし、つまらないし、やりたくないと思ったことだって何度もある。しかし宿題は確実に、提出することが善でしかない。やらずに放置していたら、たちまち問題児の出来上が

        • 失敗の切符を持って、可能性の改札を抜けると。

          「失敗は成功のもと」なんてよく言ったものだが、「あの失敗があったから」という文字列を目にして思い浮かんだのは、失敗ではなく、とある成功体験だった。 失敗の中に成功を見る。 まるで生の中に死を見るデカダンスの対比のようだ。 限りのない影の中に、一筋の光の存在を見るような、不可思議な感覚。意識の下ではない、直感にして真実と言わざるを得ないそんな感覚の中で、過去のそれを現在の私は一体どう結論付けているのだろう。この文章を認めながら、ゆっくり、ゆっくりと思考の旅へと出かけていく。し

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        人生を変えた一冊

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        記事

          文章を綴ること

          文章。それは私が私である証拠。 私は文章を綴ることが好きだ。活字に触れながら、自分を表現することが好きだ。そして素敵な文章を見い出せる人間のことを心から尊敬している。 私は考えていることを文章にすることで、初めて自分の思想に辿り着く。自分の思惑を昇華出来る。何度も何度も自分の考えを自ら反芻して、「考えについて思考」して、それを一つ一つの言葉で表す。そんなことの繰り返しで自分がいつ何を、どのように考えているのか初めて理解をする。自分で自分が分からない、迷路からの脱却を試みる

          文章を綴ること

          愛を表現するということについて

          最近、妹尾武治氏の「未来は決まっており、自分の意志など存在しない」という心理学の新書を読み始めた。暇潰しに入った書店に並ぶその斬新な文字列に、はたと目を奪われたのだ。 常日頃、愛だの恋だの、生だの死だのに対して崇拝にも似た感情を抱いている(それらに夢を見ていると言ってもいい)私にとって、人間の「意志」や「思想」は尊ぶべきものだ。それこそ幻想の原点である。愛するとは、生きるとは、そして死ぬとは。そんなことを考える上で志というのは切っても切り離せない。 だからこそ、「意志など

          愛を表現するということについて

          【ネタバレ感想】シン・エヴァンゲリオン劇場版:||を観た

          ※この記事にはシン・エヴァンゲリオン劇場版のネタバレが多く含まれます、お読みの際は十分お気を付け下さい。責任は負いかねます※ ※一個人の感想であり、考察でも何でもありませんので、一つの考え方として捉えていただければと思います。批判コメント等お控えください※ 初めに色んな深いお気持ちやら、エヴァンゲリオンに対する感情がふつふつと絶え間なく湧き上がっている私は、シンエヴァンゲリオン劇場版を完走した1時間後の私だ。私が齢12歳の時から追いかけ続けて、待ち続けて、愛し続けたエヴ

          【ネタバレ感想】シン・エヴァンゲリオン劇場版:||を観た

          ある日突然「好きだけどごめん」と友達を辞められた話

          前置き話は5年前に遡る。 私がそう、大学に入りたてのウキウキ女子大生だった頃の話だ。 はっきり言っておくが大学生なんてのは、歳だけ少し大人びただけのただの子供だ。お子様である。いやそうじゃないぞ、という優秀な大学生の皆々様も勿論居るのは分かっている。しかしこの記事においての私を含む大学生というのは「JD」という肩書きに酔いしれながらインスタに可愛らしくて味は微妙なスイーツなどを載せてはキャイキャイ楽しんでいるお子様のことを指している。(この時点で既に失礼なことは謝罪させていた

          ある日突然「好きだけどごめん」と友達を辞められた話

          現実と非日常の狭間、それがワールドトリガーだって話さ

          作品趣味が同じでかなりの信頼を置いている友人にワールドトリガーを見てくれと頼まれたのが、私のワールドトリガーとの出会いだった。厳密に言うと、最初はワートリは配信サイトが少ないから漫画を読んでくれ、今なら無料で1期の部分まで読めるから!と勧められたんだけど、20話くらいまで読んでから謎に一息ついてしまい失速。2期1話が放送された後にふとNetflixを覗いたら「え!あるやんけワートリ!アニメで履修すればええんや!」と決意を新たに再履修をぶち決めたというのが簡単な経緯である。そし

          現実と非日常の狭間、それがワールドトリガーだって話さ

          上映終了が迫る羅小黒戦記を鑑賞したが最高だったという話(ネタバレ有り)

          ※しっかりネタバレしているので未鑑賞の方はご注意ください※ ずっと気にはなっていた羅小黒戦記、Twitterでフォローしてる絵師たちが次々に鑑賞してはお気持ちレポを投稿していた今日この頃と言うかそれはもう早1ヶ月程前の話だが、気にはなりつつもなかなか重い腰が上がらずに実際に鑑賞するのもこんなに遅くなってしまった。そして今それを深く後悔している。いやなんでもっと早く観なかった?1ヶ月前の自分をボコボコに殴ってでも「羅小黒戦記を観に行かないお前はろくでなしだ!!!」と罵声を

          上映終了が迫る羅小黒戦記を鑑賞したが最高だったという話(ネタバレ有り)