私は大丈夫

傷だらけのあなたが
傷ひとつ無いような顔で
生きていた頃
心の奥では
どんな悲鳴があったのでしょうか
私は大丈夫だと
ギリギリのところを
何度も越えながら
それでも言えたのは
何故なのでしょうか
愛の無い世界では
初めから愛など存在しないから
愛という単語さえありません
無いモノは失うこともなく
失う不安も無いのです
私は大丈夫
私はまだ大丈夫
何万回も自分に
そう言い聞かせてたあなたを
今思い出しました
私は大丈夫
そう言わなければ
駄目になってしまうと
知っていたみたいに
あなたは更に自分が
駄目になってゆくことで
本当に駄目になった現実を
軽く感じながら
自分を保っていたのでしょう
あなたはどんな犠牲をおって
生きてきてしまったのでしょう
あなたはなんて取り返しのつかない過去を
つくってきてしまったのでしょう
あなたはどれだけ深い傷を
残してきてしまったのでしょう
だけどあなたのせいじゃないのです
あなたはまだ小さく
無力だったのだから
あなたは愛の無い世界にも
気づかないくらい
小さかったのだから

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