電車みたいに

いくつもの電車が
目の前を通り過ぎてゆく
ホームのベンチから
私は何度も明日を投げ捨てた
暗くなりかけた空を
見つめても
そこには何も無かった
あんなに長い時間
ベンチから動けなかった私を
引き戻す力も
連れ出す力も
気力すら無くなっていた私は
たぶん一度は消えて
誰にも見えなくなってた
運命は電車みたいに
乗ってみなければ
誰に出会うか分からない
何が起こるか分からない
人生は電車みたいに
乗ってみてから
間違えたら乗り換えて
迷ったら乗り換えて
新しい駅に出るのかもしれない
新しい駅のホームで
正しい地図を見たら
人はまた歩き出せるのかもしれない

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?