炎みたいに息をしていた

もうずっとずっと昔
思い出すことも
許されないように
かたくかたく閉ざされたまま
とにかく寒い夜だった
四つの季節も
感じられないほど
冷たく冷たくなっていた
手を伸ばすと
かすかに揺れる炎みたい
掴めば消えてなくなる炎みたい
そんなふうに
息をして過ごしていた

それはとてもツライこと?
それはとても悲しいこと?
誰も教えてくれなかったよ
今のあなたのまま
生きていていいんだよって
誰も教えてくれなかったよ

涙にどんな意味もなかった
泣くことは無駄でしかなかった
泣き叫んでも現状は
どうにもならないってことを
身にしみて学んできたよ
本当は一番苦しい時に
泣けないことほど
苦しいことってないんだって
知るまでに
時間がかかりすぎたから
今も昔のようにしかできないけど
涙は意思とは関係なく
悲しいからって
流れるものじゃない
涙が流れるから
悲しいって自分で
理解できるんだよ
分かるんだよ

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