【詩】そのままのあなたがいいよ

わたしにはとうてい
届かないひとがいて

でもいつか同じ世界に
たどり着きたくて

必死に必死に
もがいてきました

わたしの哀しみを
一緒に哀しみ

わたしの苦しみを
一緒に苦しみ

そうしてたくさんの年月がたちました

わたしはまだ生まれる前の
たまごの中で
爆弾を抱えてました

冷たいたまごはかえらず
生まれるためには
爆破するしかなかったのです

わたしはいつ爆破するのか
タイミングを見ながら
様子をうかがっていました

そんなわたしの爆弾は
不発に終わりました

それは長い長い年月をかけて
やっとたどり着いた世界があったからです

わたしはたまごの中で
何度も何度も
小さな爆破を繰り返してました

そうして自分を傷つけながら
生きることと闘ってました

いま自分を傷つけながらしか
生きられないひとがいたら

わたしはそのままでいいよと
お伝えしたい

いまはそのままの
あなたでいいよ

そのままのあなたがいいよ