時が止まってしまった部屋

あの時のまま
止まってしまった部屋に
ひとり立っていると
これからどうやって
生きていけばいいのか
わからなくなる
だからまず黒い服を
全部捨てた
ロングコートに
あの日の風がしみついていて
跡を残す記憶とは
こういうことだと思った
眠れない夜に浮かぶ
道の上には
逃げてく足音だけ
闇に響く
そして瞳は全てのなりゆきを
見てるしかなかった
全てが壊れてゆく音を
聞きながら
動かない景色を
ずっと眺めていると
今までのことは夢の中で
私は前と変わらないで
いる気がした
だけどこの悪夢から
永遠に目覚めることはない
それもきっと
わかっていた

この記事が参加している募集

眠れない夜に

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?