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羽をもがれた蝶々。廃刊した「DAYS JAPAN」に学ぶ。

 「闘わないジャーナリストは、羽をもがれた蝶々だ。闘わないジャーナリストはジャーナリストではない。今蝶々になれないウジ虫がこの国をうごめきまわっている」

 今年3月に廃刊したフォトジャーナリズム月刊誌「DAYS JAPAN」の元発行人·広河隆一氏の言葉だ。昨年報じられた同氏の性暴力疑惑などが要因で、DAYS JAPANが最終号を迎えたことは残念でならない。

 暴力に遭ったとして被害を訴えておられる女性たちは、全力で守られなければならない。国も、社会も、真摯な大人たちが全力で彼女たちを守るべきだ。そして2度と同じような過ちが繰り返されてはならない。

 私がDAYS JAPANの事務所で広河氏とお話をしたのは、記者職に就く前のこと。まだ学生だった私には、同氏はジャーナリズムの巨頭。氏の言葉から、記者になるための覚悟や心得を受け止め、深く心に刻んだ気持ちでいた。

 DAYS JAPANは、創刊から15年で幕を閉じた。写真を通じて世界の有り様を伝え、言葉を通じて人権の尊重を発信し続けた。私たちの知る権利を守り、読者の心に「正義とは何か」を問い続けた。

 一つの過ちが元で、人の信頼は一瞬で失墜する。ただ、私たちがDAYS JAPANに学ぶものは大きかったはず。

 ジャーナリストだけの話ではない。
 経営者、サラリーマン、芸術家、育児に励む主婦、夢を抱く就活生。誰もが、それぞれの闘いをしている。
 闘わない大人は、羽をもがれた蝶々。
 羽ばたくための闘いをやめてはいけない。

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