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「蛍 Ⅱ」

輝きを失った小虫
さながら蛾が如し

虫ケラは誘蛾灯を追い
行き着いた先はネオン

以前宣誓したにも関わらず
光を失った蛍は自言を破り
逃げ着くように酒に縋った

酒は光を灯してくれなかった
三桁に迫る度数の酒でさえも
消え掛けた灯火を燃やすには
余りにも弱過ぎて残火を消す

では蛍を再び煌めかせるものは何か
人の温もり、温かさがまさにそれだ
人から貰った言葉や、その人の表情
それらが再び蛍の尾を燃やしたんだ

最近に限った事では無いが
時折脳に力を込めてみると
万華鏡の中に迷い込んだ蛍
さながらその様な光が散る

過去から現代まで名を残す
文豪が歯車と比喩した物か
はたまた異なる何かなのか
知る由も無いが光が舞うの

一体これは何だろうね
そんな事を考えながら
闇夜にひとつ
蛍を灯す

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