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【紫電】

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詩・長編小説と同時進行で書き綴る、何と呼べばいいか分からないものたち。此処に残ったものは、何時か必ず武器に為る。
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2023年2月の記事一覧

紫電 22

紫電 22

激声と 哀愁色の 羊達

 迷える大羊を卒業しようと思う。

 最後の日にここに来れて良かった。

 如月の終着、弥生の始発。

 現地知らずして妄想だけではものは書けず。現状を眼球に焼き付けて綴ろうぞ。

 素敵なお店に素敵な店主。再開したらまた来ます。

 俺の持つ武器は流れる九十九のひとつに過ぎないのか又は九十九に溺れぬ一なのか。試す時である。

 首括る前に、腹括れ。

 いつでもおさらば

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紫電 21

紫電 21

浜風が嘶きながら走り去る。

 百階相当を歩いた。

 優しい御老人だった。

 肉体的に疲労が溜まったが、精神的に満たされた一日だった。

 私の現状は何処へ行く?

 あと一年、血反吐を垂れ流してでも動くか、或いは節制を極めて止まるか。

 機会はあと一度であろう。もう一度踏み潰されたならば潔く引こう。

 羊達の絶望に深く共感。何度聴いても何度聴いても全身に鳥肌が立つ。

 ともかく生きろ。

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紫電 20

紫電 20

暗中を 二十歩歩けば 霧の中

 目覚めの珈琲を飲んで、暖かい炬燵で眠った。起きた時、眼球の中で蛍が踊っていた。

 京都へ行きたい。自分だけのペースで、誰にも何にも縛られず、数日間滞在したい。そして何か得られるものを探したい。

 霧はいつの間にやら晴れていた。

 霧中の私。夢中になれれば。

 社会復帰をせねばならぬ。さもなければ、リビング・デッドの仲間入りだ。

 入浴。桃の香りは崇拝する

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紫電 19

紫電 19

月と木星と金星が並ぶ夜

 賑やかでありがたいひとときだった。毎度の事ながら感謝感謝。

 楽しいひとときの後には必ず悲しいひとときが訪れると決まっている。

 眠って逃がす事に成功。まだ微かに虚しさは残っているが。

 まぁそうよね、そうですよね。

 こいつはね、業界用語よ。

 私の中に烙印がひとつふえました。おめでとう。

 病魔、夢魔、悪魔、様々な魔物が脳裏を過ぎっては嘲笑って消えていき

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紫電 18

紫電 18

聖邪の行進は僕の上を歩く

 深夜2時に炬燵で目が覚めた。睡眠導入剤は流石は薬ということで、3時半から更に3時間眠れた。起きたら、朋輩が来ていた。

 龍の間。名の由来は至極くだらなく、そして私の家らしい部屋である。

 それにしても陽が雲に隠れてしまってはこんなにも寒いのか。何もせずとも手が悴んでやってられない。

 よくもまぁ龍の間ですやりすやり眠れるものだ。感心する。あの極寒の間で……。

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紫電 17

紫電 17

ドブ川で仮眠する流木へ愛を

 感受性。四コマ漫画ですら涙する。

 これは普通なのか、はたまた特殊なのか。

 そもそも普通って何?一般的って何よ?

 昔から感情移入し易い性格だった。ぬいぐるみひとつでさえ、一度愛着が生まれれば家族同然だと今でも思っている。

 昼も夜もずっともに助けてもらえた。本当に感謝してもしきれない。不安定な僕を支えてくれてありがとう。読んでくれてるか、届いているか分か

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紫電 16

紫電 16

冷たいドラマチック

 息が上がるのが早い。体力落ちてきてる。

 推しのあたたかいまなざし。すてき。

 喉が渇く。

 自称悲観主義尚且つ現実主義。俺に愛を語るなら相応の経験をしてからで頼むぜ。悪いな朋輩。

 昨日は五千字程執筆する気力があったから米を炊いたのだが、いざ朝になってみるとどうにも食欲が湧かない。いつもの事だが。

 詩人の綴る小説は、小説書きの綴る小説とは毛色が異なって面白い。

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紫電 15

紫電 15

とっ散らかった部屋を整理した

 Q.飴玉ひとつ舐め終わる程度の時間で終わる事を何故しなかったのか。

 A.無気力故。

 ノックの音で目が覚めた。しかし扉を開いても誰も居なかった。

 退屈と言うには贅沢過ぎるが、無気力故に何もする気が起きず、時間だけを持て余している。

 あざらしの物語が始まった。楽しみではあるけれど、いつもどこかで切ないポイント来るから心の準備しておかなきゃ。

 今(2

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紫電 14

紫電 14

 筆を進めた。凄まじい疲労が襲いかかってきた。眠ってしまった。

 気圧が上がってから一度下がり、また上がるらしい。天候に振り回されるのも中々に鬱陶しい。

 Sorrow.Underwater Love.

 医者と話した。考えをありのまま伝えた。何にも縛られたく無い。だがしかし食い扶持を繋ぐには何かに縛られねばならぬ。

 室温十五度とは思えないくらい、部屋の中は寒々しさに満ちている。

 つ

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紫電 13

紫電 13

珍しく三度寝。私伝も十三回目。

 心調頗る良し。ルーティーンを取り返そう。

 久々の体幹。一分が長い。

 二回目の体幹。全身のキレは良く、またキツい。

 ピクト。グラム。ピクトグラム。

 小説家を目指すにあたって誰もが一度は耳にしただろうサイト。土俵違いもいいところだが、何もしないよりは良いだろう。

 世界は絶望に満ちているかと思えば、日が沈み夜が訪れ月が朝陽に隠れる頃には世界に希望を

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紫電 12

紫電 12

install 69%.

 14:13起立。農耕車の轍を烏が歩く。

 朝、卒論を読み返してみた。思えばこの時から既に狂人化は始まっていたのかもしれない。

 Electronic Dance Musicに心を委ねる。外に出ようか、執筆を行うか悩む。南風が吹いている。

 委ねる。ユダ寝る。キリストを裏切ったとされる使徒の名。今朝の会話を思い出しながら、靴紐をきつく蝶結びにする。

 思っていた

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紫電 11

紫電 11

六時九分起床。室温六度。心調やや良好。

 午前七時過ぎ、執筆開始。

 睡魔。凍えながら炬燵に籠る。

 朋輩からの着信で起床。一時間半程話す。

 母より着信。現実をまざまざと改めて自覚。

 朝の心調の良さはすっかり旅立ってしまった。

 つばくらめが一羽、畦道を駆ける。ちちち、よちちと駆け走る。

 水面に大きな烏が映った。つばくらめは疾っくの疾うに居なくなってしまった。

 憂鬱は愈々加

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紫電 10

紫電 10

ある本を購入し読了した。

 生きたければ生きれば良いし、死にたければ死ねばいい。単純明快な話だ。

 息苦しい。生き苦しい。言語感覚の神を見た。

 今朝久々に散歩をした。枯れ果てた田園地帯は更なる哀愁を心に刻んだ。

 不器用な人間故、いきづらい。

 武器様。

 風呂に浸かる。温かい。柚子の香り。

 温もりの塊である檻の中から出てきてしまった。後悔は無いが、心調の悪さがそれを物語る。

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紫電 09

紫電 09

 脱獄。

 優しく温かく暖かく美味しくしてくれる牢獄から無事飛び出せた。

 もういいんです。

生まれてしまったことがもう間違いだ

 狂人の乗る列車は今迄より少しばかり速くて揺れる気がしてならない。

 私はトチ狂ってしまった。

絶望 絶望 絶望 絶望

ボクニハナンニモミエマセン。

ボクニハクライセカイダケ。 

人間失格

 信じることをあきらめた。

 しがみつくことをあきらめた

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