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あなたの「心理ゲーム」はどれ?イライラの根本理由を探ろう

コミュニケーション心理学「交流分析」が大好きなコスギです。
今回は、めちゃくちゃ嫌〜な気分になるのにやめられないコミュニケーション、「心理ゲーム」について。

自分が悪いとわかってるんだけど……
別に怒りたいわけじゃないんだけど……
なんとかしたいと思ってるんだけど……

でも、なんか最後に「あー……またやっちゃった……」ってなるアレです。

凹んだり、ムシャクシャしたり、イライラしたりがずっと続いていることもあるかもしれません。そんなときはまさに「心理ゲーム」の真っ最中なので、参考にしてみてください。


そもそも「心理ゲーム」って何?

ちょっと理論的な話になるので、飛ばしてもらっても構いません。

人は生まれてすぐの成長過程で、自分の存在を実証できる便利なポジションを「人生脚本」として決めてしまいます。それは必ずしもポジティブな交流とは限りません。怒れば、笑えば、泣けば、黙れば……望むものを手に入れるために様々な方法を検証し、やがて相手をコントロールできる生存戦略を6歳くらいには決めてしまいます。小学生になる前ですね。

怒りなら「自分は OK、あなたは Not OK」、哀しみなら「自分は Not OK、あなたは OK」、絶望なら「自分もあなたも Not OK」といったポジションを取ることが多くなります。

大人になれば冷静な行動で対処できるようになりますが、自分の存在に危機感を感じた時、つまり強い承認欲求に駆られた際に、幼少期の生存戦略と同じ行動を取ります。そして、(子ども時代に決めたことにも関わらず)自分の生き方はこれでいいんだ、と正当化しちゃうんですね。

これが、「心理ゲーム」と呼ばれるコミュニケーション。

「心理ゲーム」とは、「明瞭で予測可能な結果に向かって進行しつつある一連の相補的・裏面的交流で、自我状態の転換とともに結末を迎え、一般的には後味が悪く、繰り返し行われているもの」です。もう少し簡単に言うと、「表面的にはもっともらしい交流のように見えるものの、裏の思惑を正当化しようとして後味が悪くなるコミュニケーション」のこと。

ネガティブなコミュニケーションって、お互いの存在認知を刺激しやすいので、承認欲求も満たしやすいんです。ただ、最後には「こんなはずじゃなかったのに」と嫌〜な気分になる。
手っ取り早く、お菓子でお腹を満たせるのと同じようなものです。

「心理ゲーム」には、ゲームの「仕掛け人」「乗る人」がいます。

知らない人とは心理ゲームになりにくいんです。大抵の場合、「えっ……何?関わらないでおこう……」って逃げる(=ゲームに乗らない)じゃないですか。だから、近しい人ほど起きやすいんです。

まずは「これ、よく仕掛けるわ……」とか「あー、よく乗っちゃうわ……」といった心理ゲームがどれか、当てはまるものを選んでみてください。

1. 「自分はOKでない」を利用した心理ゲーム

自分が弱い立場にいたほうが便利な場合です。「自分のダメっぷりを直す必要がない」ことを無意識にわかっているので、自分に対する怒りや哀しみを利用して相手を誘い、ネガティブな刺激によって承認をもらいます。

1-1. キック・ミー

「私を蹴って」という名前のとおり、わざわざ怒られるようなトラブルを起こします。よくあるのが、朝寝坊や遅刻、忘れ物やケアレスミス。「わかってるんだけど直らない……」と悩んでいることが多いです。

A(仕掛け人)「あと…5分……」zzz
B(乗る人) 「いつまで寝てるの!ほら、起きて!!」
 :
A(もう…ちょっと……)zzz
B「ほらもう8時だよ!遅刻するよ!!」
 :
A(今日こそ起き……)ムニャムニャ
B(ブチッ)「毎朝毎朝……っ!いい加減にしろ!!!!」
A(あーあ、もうこれ直らないんだろうな……)
B(怒りたくて怒ってるわけじゃないのに……あーもう!!)

1-2. はい、でも

相手に問題解決を求めつつ、その回答すべてに反論します。アドバイスをもらっても一向に解決しない場合は、自分自身がこのゲームに陥っている可能性が高いです。面倒見の良い人が乗りやすく、よくあるゲームです。

場合によっては仕掛け人が「お前に相談したのが間違いだった!」と「相手は OK でない」と正当化する結末もあります。

A(仕掛け人)「〜〜ということなんですけど、どう思います?」
B(乗る人) 「それなら、〜〜じゃない?」
A「はい、でも〜〜なんです」
 :
B「じゃあ、〜〜してみたら?」
A「はい、そうすると〜〜って思うんですが」
B「うーん、そういうことなら〜〜とか?」
A「でも、〜〜なんですよね」
 :
B「え、じゃあさ、私のアドバイスいらないよね?」
A「……すみません」
B(せっかく助言してやってんのに……!!)
A(やっぱり私はダメな人間なんだ……)ハァ……

1-3. 苦労性

相手に喜んでもらいたいとがんばるあまり、自分のことを振り返ることなく、結果的に相手に迷惑をかけてしまうゲームです。ちゃんと対応できるケースもありますが、最終的に相手の期待を裏切るようなことを続けているようなら、それは心理ゲームです。

A(仕掛け人)「これやっといたよ!」
B(乗る人) 「あ、ありがとう」
A「他にできることない?」
B「えーっと、じゃあ、アレがあるけど……」
A「わかった!ついでにコレもやっておくね!」
B「え、あ、うん。助かるけど大丈夫?」
A「大丈夫!」
 :
B「……大丈夫?」
A「うん、がんばるからもう少し待ってて!」
 :
B「ーーーーー どう?」
A「ごめんなさい、できませんでした……」
B「え、やるって言ってなかった?もういいよ……」(またかよ……)
A「ごめんなさい……」(あー、またやっちゃった……)

1-4. 愚か者

自己否定をして、相手からの肯定を受け入れないゲームです。根負けした相手が「あなたは Not OK」とすることで、「自分は OK でない」ことを正当化しようとします。

A(仕掛け人)「どうせ私はダメなんだ……」
B(乗る人) 「そんなことないよ」
A「だって、仕事では毎回迷惑かけているし」
B「それは仕事の仕方の話でしょ?」
A「彼氏も全然できないし」
B「私だっていないよ?大丈夫だよ」
A「あなたは仕事もできるから……私には何の取り柄もないし……」
B「ていうかさ、そういうこと言ってるからダメなんじゃないの?」
A「うん……やっぱりダメなんだよ、私」
B(うっわー、もー、メンドクサーーー!!!)ハァ……
A(あー、やっぱり気まずいな、いつもこうなんだよな……)ショボーン

1-5. まぬけ

ひんしゅくを買うことで、周囲の嘲笑や軽蔑を誘うゲームです。自分がピエロになることで注目されますが、しばらくして相手にされないと相手を攻めたり、絶望したりといった結末を迎えます。

「キック・ミー」や「はい、でも」に似ていますが、最初は「自分は OK でない」から始まり、相手が(嘲笑でも)笑ってくれることで承認欲求を満たしますが、相手が呆れると一変して「自分は OK、相手は OK でない」と責める立場を取ります。

A(仕掛け人)「あっ、ごめんなさーい!」テヘペロ
B(乗る人) 「ハハハ、まあドンマイ!」
 :
A「あはは、またやっちゃった♡」
B「しょうがないなあ、次は気をつけてね!」
 :
A「うえーん、ごめんなさーい☆」
B「……あのさあ、さすがにフォローできないよ?」
A「私だって、自分なりにちゃんとがんばってるんです!!」
B「は??ここで逆ギレ??」
A(どうして誰も私のことを助けてくれないの……!?)

2. 「相手はOKでない」を利用した心理ゲーム

自分が強い立場にいたほうが便利な場合です。自分の攻撃性や嫉妬心を利用して相手を煽り(ゲームに誘い)、ネガティブな刺激によって承認をもらいます。

2-1. 大騒ぎ

あえて相手を怒らせて、「なんで私ばっかり責めるの!?」と大騒ぎするゲームです。周囲に迷惑を掛けて怒りの反応を待ち、注意してきた相手に「いつも私だけが怒られる!」と言って自分を正当化します。

A(仕掛け人)「コレ不味いからいらない」
B(乗る人) 「そんなこと言わないで食べなさい」
A「えー、だって不味いんだもん」
B「カラダを作る栄養になるんだから」
A「いいよそんなの、いーらないっ!」ポイッ
B「あっ!食べ物を粗末にするんじゃないの!!(怒)」
A「お母さんは、なんでボクばっかり怒るんだよ!!」ウエーン!!
B「違っ……」(なんでこう、悩まされるのかしら……)ハァ……

2-2. さぁとっちめてやるぞ

相手の失敗につけ込み、とことんやりこめるゲームです。自分が優位になれる相手の「弱み」を見つけるとつかまえて離そうとしません。結果的に相手が反省する気持ちを失ったうえ、嫌われてしまいます。

A(仕掛け人)「あなた、ここの掃除忘れてない?」
B(乗る人) 「あっ!すみません!すぐやります!」
A「やりますじゃないわよ、掃除の時間は終わっているでしょう?」
B「はい……すみません」
A「だいたい、なんでこんな大事なところを忘れるのか……」
B「すみません……」
A「そうやって謝っていれば済むと思ったら大間違いです!」
B「はい……」
A「いいですか?掃除を忘れるのは心がこもってないから」ガミガミ
B(また長いなこれ……帰りたい……)ハァ……

2-3. あなたのせいで、こうなった

双方に落ち度があるにも関わらず、相手に責任転嫁するゲームで、「あなたのせいだ」と他罰的な態度を取ります。相手よりも優位に立つためにやりこめようとしますが、相手からの信頼を失う結末を迎えます。

上記の例よりも感情的になっている場合、下記の「アラ探し」をしてまで相手のことをやっつけようとします。当然相手からは嫌われる結末を迎えますが、その一連のやりとりによって承認欲求を満たしています。

A(仕掛け人)「今回の失敗は、最初の戦略から間違ってましたよね」
B(乗る人) 「といいますと?」
A「戦略の段階で失敗を見越せなかったのが原因かと」
B「それは私どもに責任があるということですか?」
A「そうです。戦略を任せている以上、対策はそちらで検討してください」
B「……わかりました」(は??それでOK出したのそっちだろ!?)
 :
 :
B「……以上です」
A「これで次は失敗しませんか?」
B「失敗を確実に防ぐことはできかねます」
A「それなら他をあたってみます」(大した仕事してくれないな)
B「恐れ入ります」(こっちから願い下げだ!)

2-4. 詮索好き(アラ探し)

相手の過去の失敗をわざわざ調べ、執念深く責め立てるゲームです。同じことをされて我慢して耐えた過去に復讐する気持ちがあるため、相手から反抗されると「私だって……!」と被害者のような立場を取ることが多いです。

A(仕掛け人)「あなた、昨日出社ギリギリだったそうね」
B(乗る人) 「えっ?あ、はい」
A「そのうちいつか遅刻するわよ。反省してるの?」
B「はい……すみません」
A「だいたい遅刻するってのは、業務への責任感が足りないのよ」
B「はあ……」
A「さっきからその生返事!そういうところが油断の元なの!」
B「でも、遅刻はまだ1回もしてないんですけど」
A「言い訳無用!先輩の言うことは素直に受け取りなさい!」
B「……はい、以後気をつけます!失礼します!!」バタン!!
A「これだから若い人は!私の若い頃はこんなんじゃ……」ブツブツ

2-5. あなたを助けたい

親身になってくれますが、お節介が過ぎて相手の意見を聞きません。相手から拒絶されると「こんなにしてあげているのに!」と相手を責める結末を迎え、お互いに相手を否定します。

A(仕掛け人)「今日は午後から雨が降るから、傘を用意しておいたわよ」
B(乗る人) 「ありがとう」
A「明日は少し肌寒いから、パーカー着ていくのよ」
B「はぁい」
A「そうそう、部屋が散らかってたから片付けておいたわよ」
B「あ……うん」
A「見慣れない漫画があったけど、買ったの?」
B「友達が貸してくれたんだよ」
A「あなたにはまだ早い漫画よね。その友達って誰?」
B「そこは関係ないだろ」
A「関係なくないわよ。もう貸さなくていいって伝えておくから」
B「勝手なことするなよ!」
A「勝手なことって……!?あなたのためを思って言ってるのに!!」
B「それが余計なお世話って言ってるんだよ!」
A「そういう反抗的な態度を取るなら、もう知りません!!!」バタン!!
B(そっちが勝手にやってるんじゃないか……!)

2-6. ラポ

恋愛関係でよく起こるトラブルです。相手が誘惑に乗ると、途端に手のひらを返して「そんなつもりじゃなかったのに!」と急変します。幼少期に「異性はひどい人間である」という強い敵意を証明するために行うこともあります。

A(仕掛け人)「Bさんって、さりげないカッコよさがありますよね」
B(乗る人) 「えっ?いや、そんなふうに言われたことないな……」
A「私ってガサツだから、Bさんみたいに男らしいの羨ましいです」
B「いや、Aさんも十分女の子らしくてカワイイと思うけど……」
A「そんなこと言ってくれるの、Bさんだけですよ〜!」
 :
B「Aさん、あの……今度、食事でもどう?」
A「え〜!おごってくれるんですか?」ニコニコ
B「も、もちろん!」
 :
B「……あのさ、もし良かったら彼女とか」
A「は??そういうエロい目で私のこと見てたんですか?」
B「え?い、いや、そういう意味じゃなくて」
A「サイアク……Bさんはそういう人じゃないと思ったのに」
B「あの、ごめ」
A「失礼します」ガタッ
B(ああ……これだから彼女できないんだなあ、俺……)ハァ……

2-7. 法廷

喧嘩しているどちらかが「仕掛け人」となり、第三者を仲裁役として「乗る人」にするゲームです。明らかに仕掛け人に非がある場合でも、勝利を勝ち取ろうと画策します。どちらが勝っても嫌な気持ちになる結末しかありません。下記の例のように、心理ゲームは3人以上でも行われることがあります。

A(仕掛け人)「ねえ、パパとママ、どっちが悪いと思う?」
B(乗る人) 「えっ!?」
C(乗る人) 「おい、子どもを巻き込むなよ!」
A「パパったらひどいのよ。お母さんに内緒で……」アーダコーダ
C「お前、それは違うって言ってるだろ!」
A「なによ!あなたのこと見たって友達が言ってたんだから!」
C「だからそれは……!」
A「ねえBちゃん、悪いのはパパだと思わない?」
B「え……う、うん……」
A「ほーら、やっぱり!」
C「子どもにわかるわけないだろ!いい加減にしろ!」
A「そうやってまた大声出す!」
B「……っ」(パパとママの喧嘩が終わるまで我慢しなきゃ……!)

3.  「自分も相手もOKでない」を利用した心理ゲーム

何事も否定的にとらえ、モノゴトをあきらめる立場にいたほうが便利な場合です。表面上では怒ったり悲しんだり微笑んだりしますが、相手に失望や落胆をさせ、自らを孤独に追い込むような刺激によって承認をもらいます。

3-1. 哀れな私

不幸自慢をして、相手からの同情を誘うゲームです。次第にエスカレートしていき、相手からの不興を買って世界に絶望します。ここで乗る人がアドバイスをして、仕掛け人が否定すると「はい、でも」ゲームが始まることもありえますね。

A(仕掛け人)「この間、こんなことがあってさ」
B(乗る人) 「それは大変だったな……!」
 :
A「実はね以前、あんなこともあったんだ」
B「えっ!それ大丈夫?」
A「やー、うん、さすがに死にたくなる」
B「え、ちょ、いつでも相談にのるよ!」
 :
A「……で、これこれこうでさ、しんどいわー……」
B「それはキッツイなあ」
A「でしょ、それでさ……」
 :
A「……でさ、ホント最悪なんだわ、俺の人生」
B「あのさ、それって結局、まわりのせいにしてるだけじゃね?」
A「こういう話、お前にしかできないと思ってたのに……」
B(ただの不幸自慢だろ、聞き飽きたわ)
A(俺には愚痴を言える仲間もいないのか……)

3-2. こんなに私が無理しているのに

自分が我慢していることを示唆して相手を落胆させるゲームです。表面上は協力的な態度を見せていますが、話し合いが進行して終盤になったところで「実は……」と本心を切り出します。相手は混乱し、それに気づけなかったことや、今までのやり取りに意味がなくなってしまったことを感じて困り果てます。この結末は、誰も幸せになりません。

A(仕掛け人)「おつかれさまです!」
B(乗る人) 「ああ、おつかれ」
A「今度の会議ではいよいよ方針が決まるんですよね!」
B「ああ、Aにも協力してもらったからな、期待してるよ」
A「それなんですけど……」
B「ん?」
A「皆さんお忙しそうだから言い出せなかったんですが」
B「なんだ?」
A「私はやっぱり、①案のほうが良いかなって思うんです」
B「それは、納得できてないってこと?」
A「あ、いいんです!Bさんには伝えておきたかっただけなので」
B「そうは言っても、リーダーがそれだと困るな……」(今更……?)
A「仕事ですし、大丈夫です!」(どうせ私が我慢すればいいんだし……)
B(あー、これから面倒くさそうだなコレ……)ハァ……

「心理ゲーム」は無意識な過小評価で起きている

これらの心理ゲームはすべて、無意識な過小評価(=気づいていない)によって起きます。その対象は、以下。

自己 / 他者
  
×
(問題の)存在 / 重要性 / 解決の可能性 / 解決する能力

例えば、

キック・ミー
→ 問題の重要性に気づいていない(自己 × 問題の重要性)

はい、でも
→ 問題解決の可能性に気づいていない(自己 × 解決の可能性)

さぁとっちめてやるぞ
→ 本人が解決できることに気づいていない(他者 × 解決する能力)

といったことが考えられます。

※交流分析では「ディスカウント」といい、状況の過小評価をして油断することもあります。それ自体は心理ゲームになりませんが、油断したことで誰かとの心理ゲームに繋がりかねません。

「心理ゲーム」が起きていることを見分けるポイント

「心理ゲーム」は無意識下の思考・感情・行動が承認欲求を満たすために引き起こすものなので、自分から気づくことは至難の業です。
というか、ほぼムリです。

ただし、繰り返し行われるものなので、表面化する情報から判別できます。それに気づいて「これが噂の心理ゲーム……!!」と観察して辞めればいいんです。以下に例の一部を示したので、手がかりにしてみてください。

【口癖(言語)例】
できない、ムリ、でも、面倒臭い、すみません、わかってるけど、ごめん

【態度(非言語)例】
言語と動作の不一致、表情と感情の不一致

【行動例】
何もしない、ストップさせる、過剰反応、イライラ、暴力、感情を誘う(怒らせる、悲しませるなど)

【思考例】
偏見、固執、自己否定、他者否定

「心理ゲーム」に乗らない・降りるには

上記のシグナルに気づいたら、ゲームに乗らないか、降りましょう。

乗らない:そもそも相手にしない
過度に反応しない:「そうなんですか」と同じ相槌だけを返す
観察する:「私は〜と感じています」と状況や感情を言語化する
話を聞き流す:「それから?」と促して流し、嫌な気分をためこまない

暴力やハラスメントには、乗らずに逃げましょう。しかるべき機関へ相談してください。根底にあるのは「仕掛け人」の承認欲求なので、それが満たされるとネガティブなコミュニケーションが少なくなります。大切な人かもしれませんが、あなた一人だけで背負う必要はありません。

心理ゲームに乗らない、仕掛けないために必要な考え方を以下に書いてあるので参考にしてください。


「心理ゲーム」をやるのは、ひねくれ者?

ゲームのように結末まで行かなくても、人は誰しも、ネガティブなコミュニケーションを行います。なぜなら、これまでの人生を送ってきた生存戦略だから。

ある程度大きくなってくると、社会の「嘘」に気づきます。それに対応するには、無垢なままではいられません。だから、なんとかして養育者の気を引いて自分の存在を必死にアピールし、保護されようとします。人間はそれくらい弱い生き物なんです。

とはいえ、それは過去の話。オトナになった今なら、人間は誰しも生存戦略を変えるチカラを持っています。自分の生存戦略を変えるということは、生き方を変えるということであり、自分の運命を変えるということ。

「自分を替える」のではなく「自分の運命を変える」のです。
あなたは、替えがきくような人間ではありません。

もし「そんなものは変えられない」「変わる自信がない」と感じたら、あなた自身を過小評価している証拠です。

まずは、自分自身の「存在」を認めること。
あなたはちゃんと、息を吐いて吸っている。
深呼吸してみてください。ちゃんと生きているでしょう?
その「事実」は、誰にも否定できません。ね?

交流分析は、ノンクリニカルな理論

交流分析は、代表的な心身症治療の自律訓練法、認知行動療法と合わせた、ゲシュタルト療法の理論として扱われています。

その一部である「心理ゲーム」を長々と取り扱ってきましたが、私ができるのはここまでです。私はストレングスファインダーを扱うコーチであり、交流分析士でもありますが、医療行為を行うことはできません。

交流分析は、本人が知って学んで実践していく理論ですから、それを伝えたいと常々思っているのですが。

だからこそ、ストレングスファインダーの上位資質を「コドモづかい(短所づかい)」したときの行動は、おそらく「心理ゲーム」に関連するものだろうと考えています。

ゲームの内容は交流分析士のテキストをもとに編集しましたが、出典によっては若干違うこともあります。上記に入らないゲームもあります。

もし自分のゲームパターンを見つけたら、気づきの第一歩です。そんな自分をまず愛してください。そしてゆっくり、幼少期の自分に会いに行ってみてくださいね。