もう名刺に肩書き書くのやめようかなと思ってるっていう話
この世の中、ほんといろんな肩書きってありますよね。
コンサルタントとかクリエイティブディレクターとかコーディネーターとかプロモーターとかセラピストとか。最近では肩書きをもはや作り出す時代なのでバリエーションも豊富。そういう肩書きで自分のやりたいことや仕事を表現できるって、すごくわかりやすく相手に自分の価値を伝えられてすごくいいと思うんです。
すごくいいことだと思ってるんですけど。
私のようないろんなことに手を出しているフリーランスとかだと、ぴったりの肩書きを見つけるのがものすごく難しくて。この9年間ずっとどこか妥協して「まあ・・これかな・・」っていうものをつけてきたんですが、考えて考えて考え抜いた結果、もう名刺に肩書き書くのやめようかなって思い始めたという与太話です。
はじまりは肩書きのない名刺
会社をやめて、フリーランスとしてお仕事をしていこうと決めたのが約9年前。デザイナーの友人に相談して、とってもお気に入りの名刺を作ってもらいました。
「肩書きは?」
と聞かれた当時は本当に記念制作的にお願いしたのもあって、
「肩書き今はいらないや」
と名前とメールアドレス、ウェブアドレスだけのごくごくシンプルな名刺を作ってもらいました。肩書きはないけど、Meimoonという屋号に込めた想いをそれはそれはかわいく仕上げてくれたデザインに大満足。最初に印刷したその名刺がなくなるまで、数年間その名刺を使い続けてたわけです。
ただやっぱり、肩書きがない状態って、言ってみれば
「自分は社会に対して何ができるのか」
「自分は社会に対してどう責任が取れるのか」
というポイントがあいまいな状態だと言っているようなもので、そんな人にまあ、外部からお仕事って入ってこないですよね。そもそも海外暮らし&子育てをしながらだったのでバリバリにお仕事は当時はしていませんが、それでも一緒に仕事をした友人などからは、
「めいちゃんは、肩書きさえつけちゃえば絶対仕事くるのに!」
って言われていました。(真偽のほどはともかく)
でもどうしてもどの肩書きをつけてもしっくりこない。
うーん、なんか違うんだよな。
この肩書きだとどうにも自分のやりたいこと・できること表現できてないからもしこれでお仕事きてもミスマッチになっちゃうんだよな。
そんなことを考えながら、とにかくご縁のあったお仕事を精一杯こなす日々。
(って、そのご縁があったお仕事というのが、本当に楽しすぎるお仕事ばっかりだったので、思い返しても充実した日々だったわけだけれども)
肩書きをとりあえずつけてみたものの・・
3年ほど前に熊本に来て、久しぶりに日本を拠点に活動することができるということになり、
「海外にいた身からしたらもうめちゃくちゃ動きやすい!!今度こそしっかりフリーランスとしてお仕事も頑張るぞ!」
なんて意気込んで、今度は肩書き入りの名刺を印刷してもらうことにしました。当時の書いた肩書きは、
ウェブコーディネーター
ワークショップコーディネーター
当時ウェブを作ってくれませんか?とワークショップお願いできませんか?が多かったからというそれだけの理由だったのですが、結果、ほんの数ヶ月もたたないうちに、自分のやっている仕事・頼まれる仕事がこの2つの軸からどんどんずれて自分にできることがありがたいことに広がって、最終的には名刺をお渡しする時に
「この肩書きは…無視しておいてください(笑) 」
って毎回一言添えるようになりました。
もはや名刺に書かれた肩書きが意味をなしてなかった(笑)
「せめてSNSの肩書きは修正するか…」
と、今度はいろんな方のアドバイスもあり
ソーシャルコミュニケーションプランナー
コミュニティマネージャー
と変えてはみたものの、実はこれもまだしっくりきていない(笑)
だいぶ近づいた気はするものの、
私はなぜこんなに違和感を感じているんだろうとふと考えてみたんです。
名は体を表すと同時に本質を縛ることがある
【名前をつける】って、めちゃくちゃ大切なことだと思うんです。
そこにある存在や概念に名前をつけることによって私たちはそれを認識できるようになるし、名前をつけて初めてそれはそのものの領域を超えて存在しうるようになる。肩書きは、言わば社会における自分の存在意義を表現し、認識してもらうための名前です。適切に名前をつけてあげることで、自分という存在意義を拡大し、より多くの人に価値を届けることができるようになる。
ただ一方で、名前はその存在の本質を縛ることもある。たとえば肩書きでいうと、自分のやっていることはこれに近いかな〜と思って「ウェブコーディネーター」と名乗ってみると、今度は「ウェブコーディネーター」という名前の持つイメージに、自分を寄せていかなくてはいけなくなってくる場面がでてくる。ウェブコーディネーターとしての仕事は増える一方で、逆にそれとは全く関係のない仕事の話は入りにくくなるかもしれない。あー谷本さんね、ウェブの人ね、っていう認識で止まってしまうかもしれない。自分自身まだ自分ができることの限界を見極めたわけではないのに、まだ見ぬ自分の可能性との出会いのチャンスを失ってしまうかもしれない。
なーんて思い始めたということと、もうひとつ。
私の場合は肩書き目当てに来るお仕事よりも、私自身に興味を持ってくれたり、私自身の興味・関心を意識してくださったお仕事の方が多く、そのほとんどがワクワク度が高く、自分を高めてくれるものばかりなのだ。例えば「ライターさんを探してるんです」っていうのじゃなくて、「なんとなく谷本ちゃんならこういうの興味もってくれるかなーって思って」っていうようなお仕事。スキルではなく、私自身の存在に何かしら興味だったりなんらかの価値を見出してくださっていたりする場合。
そうなってくると、私が名刺を受け取った人に知って欲しいのは肩書きとかじゃなくて、自分がどんな人間なのか/どんなものに興味を持っている人間なのかっていう情報なんじゃないだろかと。
さて次はどんな名刺を作ろうかな
ということで私は今、次の名刺のアイディアをせっせと考えています。
私という人間を表すキャッチコピーを印刷してみようかな、とか。
(今までに友人から「知的かつクリエイティブな変温動物」とか「芯のある高IQの器用貧乏」など非常にユニークなキャッチコピーをいただいている(この絶妙に褒めてるのか褒めてないのかわからない感じがすごく好き)、が、さらなるアイディアも募集中)
興味・関心のあるワードをタグクラウドみたいに裏面に印刷してみようかな、とか。
屋号に込めた意味を語っちゃおうかなとか。
名刺で肩書き/やれることを縛るのではなくて、実現したい未来を共有し、人と人とのご縁を繋げられるような名刺を作ってみたい。そしていろんな素敵なプロジェクトに出会って、それぞれのプロジェクトで自分のできることをプロジェクトに合わせて進化させていったら、想像をはるかに超えて面白い未来が待ってるんじゃないかなー。
日々そんなことを考えながら、今日も元気に過ごしています。
みなさんはどんな名刺使ってますか?
きっと素敵な名刺なんだろうなあ^ ^
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