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母や妻である私が"仕事を本格的にやりたい"と思ったその時に、家族とした約束

「めいちゃんって、楽しそうに仕事してるよね〜!!」

わりかしよく言っていただく言葉。そしてこの言葉に関しては、一切反論の余地なく、私は本当に毎日のお仕事を全力で楽しんでいる。

そして同時によく言っていただく言葉に、

「旦那さんとかめっちゃ理解あるね!!」

これもあったりするのですが、これもまた一切反論の余地なく、もう本当に夫にも家族にも感謝感謝しかない。

でもじゃあ、今の私の働き方が最初から実現していたかというと全くもちろんそうではなくて。私が今、心から安心して仕事に打ち込めるのは、家族とこんな約束をしたからじゃないかなと思っている。

その約束とは、

「お仕事を通じて誰かの役にたてるということで、私はより人生を楽しめるの。家族との時間にストレスを持ち込む働き方は絶対にしないと約束する。仕事をしていて楽しそうにしていられる仕事だけする。家族との時間を使って仕事するから、家族が納得できる報酬でちゃんと働く。家族が応援できない働き方は絶対にしない。約束する。だから本気でちょっと、働かせてください。」

一般的な働き方から比べたら、なんてわがままな条件だろうと自分でも思う。

でもこれが私の、そして私たち家族の働き方だし、私はこれを絶対にあきらめない。

そんな私たち家族が、どうやってこの形式に辿り着いたのか、ちょっと書いておこうかなと思います。



専業主婦からの脱却


脱却、なんて書いてみたけれど、実の所私の学生時代の夢のひとつは「専業主婦」だったわけで、脱却なんかしなくてもよかったはずなのだけれども(笑) 

でも実際結婚し、出産し、夫について渡米した後、アメリカではビザの関係で働くことができなかったことも英語ができなかったこともあって、最初は夫の好意に甘えて全力で専業主婦を楽しんでいた。のだが、少しずつ海外暮らしにも慣れて英語も少しわかるようになって車の運転もこなれてきた頃、

エネルギーが有り余り始めてむずむず何かをやりたくなってきた。

しかし実は夫はもともと奥さんには家にいて、家のことをしっかりやってて欲しい派。夫をおいて外出するのもあまり心地よく思っていなかったし、子供を彼に預けて何かするという選択肢も実は最初はほとんどなかったんですね。

それでも何かしたい。

やりたいことがムクムク湧いてくる。

そこでまず手始めに、

<夫に迷惑をかけない範囲でできることを片っぱしからやる>

という戦法を取った私。例えば、

・夫が働いていてどちらにせよいない時間で子連れイベントを企画

・子供が寝静まった夜にパソコンをカタカタしてできる仕事をする

「これならいいでしょ?大丈夫でしょ?」と確認をとりながら、ジワジワ外との繋がりを強化。海外での子育てはさらに意識が内側へ内側へと行ってしまって外界と断絶しやすいので、意識的に外との繋がりを持ち、家族以外での自分の居場所を作り、ボランティアも仕事(日本との)としても活動の場を少しずつ広げていった。



実績がたまったら、ジワジワ夫の手を借りる


「意外と頑張ってんな」

と夫に思ってもらったら、夫の手を借りるチャンス。だめもとで、一回だけ!一回だけ!と言わんばかりに(実際は言わない)休日、子供を預けて、母親だけのワークショップなどを企画したいと申し出てみる。

預ける時間は、まずは1-2時間から。帰宅して夫に「どうだった?!」と聞き、「なんとかなったよ」と言われたらめっちゃとにかく感謝して、じわじわその時間を伸ばしてみたり、ときには無理に頼まずママ友にお願いしてみたりして、夫がキャパ超えしない程度に、夫に任せる実績も積み重ねていく。

一番当時説得に苦戦したのは、丸2日がかりのハコミセラピーの専門家向けのワークショップへ参加したいと申し出たとき。

いやこれはさすがに無茶かなと思った。

そして当時の彼的には当然反応は


「は?何言ってんの?無理でしょ?」


・・・ですよねぇー!!!なんとなくそう思ってた!!!

でも諦められなかった私。そこでまず真っ当にプレゼンで勝負。

旦那様、私がこれを受講したいのには理由が2つあるのです。

ひとつ、海外に来て、慣れない環境下で育児をすることで私たち母親はマジでストレスを抱えております。頼れる家族もいない。社会での居場所もない。そんな環境に、私はあなたと一緒にいるために、何も言わずについてきた。そしてこれからもどんな場所にいくかわからないけどついていく。だから、どんなストレス下に置かれても生き抜ける心の強さが欲しい。

ふたつ、私がハコミセラピーを学び心を開放する術を学ぶことができたら、それはきっと将来的にずっとあなたや子供たちに何かあったときにきっと役に立つ。きっと大変なこともある。でもそう言うときに私がみんなを助けられるように。信頼できるカウンセラーとの出会いはかけがえのないもの。これはチャンスなんです。今なの!今でしょ!


このとき説得率おそらく50%。
話はわかる。ついてきてくれて感謝してる。でもな、でも、2日間は長い!子供と二人だけで2日間過ごせる自信がまるでない・・!と。

そこでダメ押し。
家族ぐるみで仲のいい息子のお友達家族を巻き込んでみた!!!!

そちらの家庭は旦那さんがかなり協力的ですぐに参加OK。
せっかくだから2日間、父親ふたりと子供たちで一緒に遊びながらすごそうと提案してくれたのだ。

・・・ここまできたら流石のうちの旦那様もぐうの音もでない。

・・・わかった、行っていいよ。と。

やった・・・!!!!
これで私も今の状況から前に一歩踏み出せる!!

そんな流れで私は自分らしく生きるための一歩をジワジワと踏み出して行った。



息子が幼稚園へ。とにかく動く!動く!動く!!


デンマークへ移住してからは、息子が3歳に近くなったこともあり、近くの幼稚園へ。デンマークの幼稚園は、朝8時とかから夕方5時すぎまであずかってくれる。今まで子連れでじわじわできることをできるだけ精神でやっていたが、もう好きなように日中動けるようになった。

そこからはもう、なんていうか、2文字で言うなら

自由!!!

そう、自由だったのです!!!

夫ももちろん、お金をへんに使わない限りは何も止めることはない。私はそこで、思いっきり自分のやりたいことをやってみたのです。

デンマークの幼稚園の見学に行ってみたり、
デンマークにいる日本人と少しずつ会っていろんな話を聞いてみたり、
デンマーク語を習いに行ってみたり(途中で挫折・・)、
現地でお仕事をする人のサポートをしてみたり、
補修校で先生をしてみたり、
インターンに応募してみて現地企業に混ざってみたり(苦戦)、
NPOを立ち上げてパフォーマンスを1年がかかりで企画してみたり・・。

ここまでいろいろ手をだしてやってみると、次第に変わってきたのは夫の態度。

今まではなんか、"私の娯楽" に付き合ってやってる感がどこかあったんだけど、少しずつそれらを "私の仕事" として認めてくれるようになってきて、彼のできる範囲では協力をしてくれるようになってきた。



モデルケースを見せることで常識を変えていく


また、海外で5年間暮らしていたことはかなり彼に影響を与えている。

特にデンマークという国は本当に日本に比べて本当に女性の権利が認められていて、むしろ母親も働いていて当たり前。(なんなら専業主婦やってるっていうと「???」っていう顔される。)

幼稚園の送り迎えも、大体お父さんとお母さんで分担。お父さんだけで子供達を遊びに連れて行ってお母さんを休ませてあげることもしばしば。なんなら奥さんにおやすみをあげるために、お母さんにお友達と旅行へ連れて行ってくれるような旦那さんも。

すぐ近くにいるお父さんたちが、お母さんとしっかり家事を分担している様子や、子供たちの面倒を「子供たちの面倒を見るとか家事を分担するなんて当たり前でしょ?」っていっている様子などを肌で感じ取って、夫もじわじわと私に自由をくれるようになっていった。

常識を変えるって難しいですよね。

自分たちがやっぱり成長してくる中で培われた「固定観念」って気づいて、そして外すのは本当に難しい。

自分はそのとき、もうわかっているんだけど、でもそれを旦那さんにインストールしたいと思ったときに、ひとつ、気をつけていたことは、


あせらず、じわじわ。

じわじわ、が、大事。


長年積み重ねてきた固定観念は、言葉なんかでは変わりません。
そこで、直接的に「あそこの旦那さんはこんなふうにしてくれてるのに!」なーんて言ったら絶対だめ。絶対アウト。

なので、そういう素敵な旦那様を持ってる方と家族ぐるみでいろいろ遊ばせてもらって振る舞いを目の端にチラッと入れてみたり、

ちょっと世間話のついでに「私の友達、今度一人で旅行いくんだって・・!」とかびっくり話を伝えてみたり。

そうやって「いい旦那・いいパパ」のハードルがぐーーーーーーんとあがることによって、逆に私が要求する小さなお願いが通りやすくなったんです(笑) 

大きいお願い事をすると見せかけて、小さいお願いをすると叶いやすいっていう、今思えば心理テクニックのようなことでしたが、こうかはばつぐん。

私はじわじわ、じわじわ。
この間にも自分の自由を獲得していったのです。



いざ、起業。家族との約束。


「お仕事を通じて誰かの役にたてるということで、私はより人生を楽しめるの。家族との時間にストレスを持ち込む働き方は絶対にしないと約束する。仕事をしていて楽しそうにしていられる仕事だけする。家族との時間を使って仕事するから、家族が納得できる報酬でちゃんと働く。家族が応援できない働き方は絶対にしない。約束する。だから本気でちょっと、働かせてください。」

これが、私が個人事業主として起業するときに家族とした約束。

なぜ私はあらためてこう言ったか?

それは、やっぱり
一番大切な家族に、心から私のお仕事を応援して欲しいと思ったから。


正直、正直ですよ、
男女平等だろ!と。
私が働きに出るのも自由でしょ!と。
なんで夫に自分の働き方を制限されなくちゃいけない?!

と頭の片隅よぎらなくもないんですけども。

でもやっぱり一緒に暮らす大切な家族が、
自分にとってももちろん一番大切。

そして家族とはいえ違う価値観を持っていることもある。

それを真っ向から否定しても、全然ハッピーに働けないなって。

だから、本当にじわじわ。じわじわ。
彼が大きく無理をしない範囲で協力をお願いしてきて、
息子にも、少しずつ少しずつ、
私にとって働くっていうことが
とっても大切なことなんだってことを伝えて。

① 私が働くことが家族にとってもハッピーなことであること 
② 家族が心地よく送り出してくれる形で働き続けること 

これを約束して家族の理解を得るということは、
自分としても働き始める上でマストだった。

このふたつを家族に明言することで、それなら、と夫も息子も納得してくれ、イレギュラーな仕事に対しても夫が格段に協力的になり、今では本当に彼のサポートなしには本当に実現できないくらいたくさんの楽しいお仕事に巡り会えている。

もうそれは本当に感謝しかない。



働き方で大切にしていることを、取引先の方にも伝える


この約束の内容は、私は取引先の方や仲間にも最初になるべくお伝えするようにしている。家族を過度に犠牲にする仕事はできません。家からであればある程度融通効きますが、小さい子供がいるので現場へ行けるタイミングは制限があります。打ち合わせには子供達が同席することもあります、などなど。

そして、そういっためんどくさい条件に対しても、
「おお〜もちろんもちろん!」
と非常に快く受け止めてくれる方とお仕事ができているということは、本当にこれ以上ない幸せなことだと思う。

人生において、自分の大切なものの優先順位をはっきりしておくことは
働くことだけでなくどんなときにも大切だなと思っていて、
私はこの超わがままなルールを家族と約束したことによって、
逆にとても自由になれた気がする。

もちろん、それは理解あるチームメイトさんたちや、
理解ある家族あってこそ。

だからこれからも、しっかり感謝の気持ちを伝えつつ、
じわじわと、自分の自由と家族の幸せを広げていこうと思う。


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