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チョコレートをこよなく愛する古市さんと語り合う、「meiji THE Chocolate」前編

社会学者・作家として大活躍の古市憲寿さんは、ミルクチョコレートを愛してやまないチョコレートマニア。「チョコレートは主食」と言い切る古市さんは、果たしてどんなチョコレートを好み、どのようなチョコレート生活を送っているのでしょうか? YouTubeでチョコレートの普及啓蒙活動に力を入れている「チョコレート王子」こと、食品開発本部カカオ開発部開発1G長の藤原成一が、古市さんのチョコレート愛の真実に迫ります。

1日に板チョコ4枚分を食べる!? 古市さんのチョコレート“偏”愛

藤原:古市さんは大のチョコレート好きだとお聞きしましたが、好きになったきっかけは?

古市:大学生の頃、ノルウェーのオスロに留学していたんですが、当時は口に合う料理がなかなか見つけられなくて、唯一おいしいなと思ったのがスーパーで売っていたチョコレートでした。フレイアという会社の製品です。日曜日には店が閉まってしまうので買い置きするほどはまってしまい、異様と思えるほどチョコレートを食べる生活を送っていました。ほぼアディクション(依存症)状態ですよね(笑)。とにかく北欧をはじめ、ヨーロッパの”普通の”チョコレートが大好きなんです。ヨーロッパの街に行くと高級なショコラティエの店ではなく、必ずスーパーに立ち寄るようにしています。

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藤原:日本だと北欧のチョコレートはなかなか手に入らないですよね。

古市:そうなんです。一部のお店やメルカリでしか手に入りません。なので、北欧に旅行に行くと大量に買って帰ります。いまはコロナの影響で行けませんが、行くと20kg分ぐらいまとめ買いしますね。スーツケース2個で出かけて、1個は丸々チョコレートを詰めて帰る。入りきれなくて、日本に送ったこともありました。

藤原:すさまじい光景(笑)! 日本では毎日どんなチョコレートを食べているんですか。

古市:チョコレート友だちがいて、日々、あれがいいとかこっちも悪くないとか、チョコレートの情報交換をしていて、その情報をもとに買うことが多いです。日本で手に入りやすいものだと、アラン・デュカスのミルクチョコレートが好きですね。

藤原:いいチョコレートを食べてますね。

古市:ただ、本当はパティシエが作るチョコレートよりも、シンプルなミルクの板チョコが好きなんです。量としては1日100g〜200gかな。最近、少し減らしましたが、少なくとも100gは食べています。

藤原:200gというと板チョコ4枚分ぐらいですね。うーん、すごいなあ。

古市:ヨックモックが限定で販売している350gのチョコレートがあるんですが、それは1日〜2日に1枚のペースで食べますよ。家にいる日は、食事がチョコだけで終わる日もあります。昔は、家にチョコレートとペットボトルの水しか置いていませんでしたが、いまはちょっと体に気をつけようと思って(笑)、イチゴとバナナも置いています。

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藤原:それはもう完全に主食ですね。

古市:はい。ないと困るというイメージです。夜中に気が付かないうちに食べていることも多いですね。前にチョコレートの買い置きをやめていた時期があったんですが、朝起きたらテーブルに「デイリーミルク」(キャドバリー社)の残骸があった(笑)。どうやら夜中に買いに行っていたらしいんです。しかも、お目当てのチョコを買うために遠い方のコンビニまで行っていた。自分でも驚きました。

久々に明治の「ミルクチョコレート」を食べてみたら……

藤原:留学前からチョコレートはお好きだったんですか?

古市:食べてはいましたが、偏愛というほどではないですね。フレイア社のチョコレートを食べて、いままで自分が食べていたチョコレートはいったい何だったんだろうというほどの驚きを覚えました。違う食べ物だと思えるぐらいの衝撃でした。

藤原:ミルクが違うのかもしれないですね。北欧のチョコレートはミルク感が濃いんです。明治のロングセラー「ミルクチョコレート」もしっかりとミルク感を出すために、10年ほど前から北欧産のミルクをわざわざ輸入して使っているんですよ。

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古市:知らなかった。ヨーロッパの乳製品はおいしいですよね。オランダにはチーズツアーに行く人もいるといいますが、トニーズチョコロンリーという会社のチョコレートも好きですね。これもミルクが決め手なのかも知れません。

藤原:ミルクチョコレートはカカオマスが少ないので、下手をすると単に甘いだけの子どものお菓子になってしまいますが、おいしいミルクを入れると大人の味になるんですよ。ミルクは大事な要素です。古市さんはミルクチョコレートがお好きだと聞いていたので、明治の「ミルクチョコレート」を持ってきました。いま召し上がってみませんか?

古市:ありがとうございます。では早速.......。昔、食べていた頃よりもおいしくなっていますね。

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藤原:お世辞を言わない方だと聞いていたので、その言葉はうれしいです(笑)。

古市:明治のチョコレート、実は少し馬鹿にしていたんです。すみません(笑)。進化しているんですね。これで1枚100円というのはすごいです。どうして明治はこんなに安くできるんですか?

藤原:ビーントゥバーの専門店に行くと、1枚1500円ぐらいで板チョコを売っています。確かに良いカカオ豆を使ってはいますが、実はその大部分は、人の工賃なんですよ。一方、私たちのような大手のメーカーは、製造工程を機械化できるので安く作れる。それに、カカオ豆もミルクも大量に購入するので安く仕入れられます。値段の差はそこから生まれるんです。

古市:それだけ明治のチョコレートは売れているということですね。

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(話しながらも藤原から渡されるチョコを次々と口に運ぶ古市さん。その食べっぷりにスタッフも驚き)

チョコレートは太りやすい食べ物ではない!

古市:チョコレートは本当に大好きなんですが、食べ過ぎは体にはどうなんだろうと多少気になってはいるんです。

藤原:そういうお話になるのではないかと思い、データをご用意しました。ギネスブックに掲載されている歴代の長寿の方は皆さん、チョコレートをたくさん食べているんですよ。それこそ1週間に1kgぐらい食べている。現在、生存されている人の中で世界最高齢の日本人・田中カ子さんが今年1月に118歳になられたというニュースを聞きましたが、やはりチョコが大好きで、長寿の秘訣はチョコではないか、とテレビで放送されていました。カカオの発祥の地であるマヤ文明の王様も80代まで長生きしています。やはりこれはカカオの成分が持つパワーなんだろうと思います。

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古市:砂糖はどうなんですか。WHOはタバコ、アルコールに次いで、砂糖のとりすぎを警告しています。僕が好きなミルクチョコレートは糖分が多いので、自分でも砂糖のとりすぎかな、と思わなくもないんですが……。

藤原:確かに、砂糖は悪者ではないかと言われています。でも、一般的にミルクチョコレートは砂糖が30〜40%程度含まれているのに低GI食品*なんですよ。カカオ分が高いチョコレートになると、GI値がぐっと下がって10〜30ぐらい。これは野菜と同じぐらいの値です。

* GIは食後血糖値の上がり易さを示す指標で、Glycemic Index(グライセミック・インデックス)の略。低GI食品は、食後血糖値が上がりにくく、体への負荷が少ないため、注目されています。

古市:確かに僕も藤原さんも、それから周りを見まわしてもチョコ好きでも、スリムな人はたくさんいますね。

【Next いよいよ「meiji THE Chocolate」を実食! 古市さんの“推しザ・チョコ”は……?】

[プロフィール]
古市憲寿(ふるいち・のりとし)さん
1985年東京都生まれ。社会学者。著書に『絶対に挫折しない日本史』『絶望の国の幸福な若者たち』『誰の味方でもありません』小説『平成くん、さようなら』『アスク・ミー・ホワイ』ほか多数。テレビで「普段の食事はチョコと水のみ」という食生活が取り上げられ話題に。一番好きなミルクチョコレートは、ノルウェー留学中に出会った「メルケショコラーデ」。

藤原成一(ふじわら・せいいち)

食品開発本部 カカオ開発部 開発1G長。愛称はチョコレート王子。瀬戸内・大三島出身。歌、料理、豆笛、釣り……などあげだしたらキリがないほどいろんなことを語れる。いろんな人と話すことも好きなので、すぐいろんなところで友達を作ってくる。研究所出身で、カカオ産地ベネズエラへの訪問経験もあり。メルティ、チョコレート効果、ミルクチョコレートなど、明治を代表する商品に研究所でかかわってきている。