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ロストケアを見て

ロストケアを見た。
観賞中何度か自然と涙がこぼれ落ちた。
もちろん主役の松山ケンイチさんや長澤まさみさんをはじめとする名優の方達の素晴らしい演技がいっそうこの映画を際立たせていることは明白だが、母に認知症の症状が出始めたため、認知症外来に数回通院して脳のMRIやシンチ検査もおこない、その結果を待っている状態だからなおさら映画の中で起きることを身近な出来事としてとらえたのかもしれない。
今回はあらすじや感想ではなく、心に突き刺さる言葉やキーワードを羅列しようと思う。
「少子高齢化」「見たいものと見たくないもの」「絆と呪縛」「愛情と罪悪感」「安全地帯と穴の底」「介護離職による生活苦」「ヤングケアラー」「自己責任」「尊厳死」「安楽死」「死刑」
自分を生み育ててくれた親が、自分が知っている親じゃなくなっていく姿を見た時、年老いた自分がこれまでの自分じゃなくなっていく時、私達はどう向き合えば良いのか。
つい最近、部屋の掃除をしていた時、偶然、大学時代のノートを見つけた。社会政策か何かの授業だろうかメモ書きに「少子高齢化」という言葉があった。私が大学生時代ということは今から30年ほど前だ。その時から「少子高齢化」が叫ばれ今に至る。我が国の政府は正々堂々と胸を張って何らかの対策を講じてきたと言えるのだろうか。
いや、こうして映画を見に行くことができるる私もまた安全地帯から社会の物事を見ていることになるのだろう。
それは介護職員の方達のおかげで私達家族の心も体も救われているという事実があるからだ。
安心して働ける。息抜きの時間も与えてもらえる。被介護者のためだけではなく、その家族のケアもしてくださっている。ただただ感謝しかない。

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