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「マリー・ド・メディシスの摂政政治礼賛」ピーテル・パウル・ルーベンス【ルーヴル美術館の名品150選】98

作品が語っているメッセージは何か?
世界屈指のコレクションを誇るルーヴル美術館。何万という作品中、絵画に注目、世界的に有名な作品群のうち「意味を読み解く」観点から面白い150の作品を厳選。
人物は?場面は?出典は?意味深なディテールが語っているものは?作品に隠されたメッセージを読み解きます。

*ピーテル・パウル・ルーベンス作 連作「マリー・ド・メディシスの生涯」、1622-1625年、北方絵画部門、リシュリュー翼 ©2011 Matt Biddulph (CC BY-SA2.0)

【名品88から101】はルーヴル美術館の至宝、ルーベンスの最高傑作。
全24枚の大型絵画からなる一大作品。
続くこちらの一枚までが、摂政時代にあたる。
こちらは、摂政として国を動かしたマリー・ド・メディシスの、政治的手腕を讃える。

「マリー・ド・メディシスの摂政政治礼賛」、1622-1625年、INV1783、3.94×2.95m、北方絵画部門、リシュリュー翼

片胸を出すのは女神と重ねられているしるし。
天秤を手にし、正義の女神になぞらえられる
反対の手には、玉と笏。これらは権力のしるし。
英雄の守護者、智恵と勇気の女神が守護する。
二人の女性、「豊かさ」と「豊饒」が、国の繁栄を表します。

◆片胸を見せる王太后◆

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