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0を1にすること

Mikiです!
noteを始めて2ヵ月。
自分の経歴や、SHElikesの練習案件の記事しか挙げていなかったので、ここで初めて趣味のことをば。。。

というのはまあ完全に後付けで、
めちゃくちゃアウトプットしたい欲求に駆られているので書いています!

私は今、「火曜+土曜」or「水曜+日曜」の週休2日制の職場で働いています。
前職では暦通りどころか、週休2日も危うい職場で、土日休みなんて夢のまた夢…。
いろいろあって(ごにょごにょ…)今の会社に転職して、「やった~土日休み~!」と思ったのも束の間。
配属が決まった時、「おお、神は意地でも私を暦通りの休みにしたくないんだな」と思ったのをよく覚えています。

正直、土日休みがいいです。
友達との予定も立てやすいし、1日だらけて1日活動的に動くという休みが本当は理想。今はもう慣れましたが、最初は生活リズムを掴むのも大変でした。
今でも「やっぱり土日休みたい…」と思うこともあるけれど、でも、結構気に入っているところもある。
その一つが、<映画が安い>ということ。

私の趣味は映画館に映画を観に行くこと。ひとりでも余裕で観に行きます。
特に平日休みだと、友達となかなか予定が合わないので、ふらりとひとり映画へ。
平日昼間の映画館って高確率で空いてて、朝起きて「あ、今日映画いこ。」と思ってからでも、全然取れちゃう。(映画会社的に良いのかわからないけど)
しかも水曜日は1200円!朝ごはんを食べて、好きな服を着て、好きな靴を履いて、空いている電車に乗って、空いている映画館で安く映画を観る休日。
例え映画の内容がイマイチでも少し得した気分になります。

でも5月の私の休日は「火曜+土曜」。
前から気になっていた映画が封切りになったので火曜日に「久しぶりに溜まってるシネマポイント使って見るか~」という感じで行こうとしたたら…
火曜日もTOHOシネマ会員はなんと1200円!
ということは私は今の職場にいる限り、映画を1200円で見られるというわけだ。
ポイントの使うタイミングがないゾ~~~(なんて幸せな悩み)

さてさて、一体何を観て来たかと言いますと(やっと本題です。毎度のことながら前振りが長い私のnote)

7番シアター

辻村深月の人気小説の実写化「ハケンアニメ!」
あらすじは以下。

連続アニメ『サウンドバック 奏の石』で夢の監督デビューが決定した斎藤瞳。だが、気合いが空回りして制作現場には早くも暗雲が…。瞳を大抜擢してくれたはずのプロデューサー・行城理は、ビジネス最優先で瞳にとって最大のストレスメーカー。「なんで分かってくれないの!」だけど日本中に最高のアニメを届けたい! そんなワケで目下大奮闘中。最大のライバルは『運命戦線リデルライト』。瞳も憧れる天才・王子千晴監督の復帰作だ。王子復活に懸けるのはその才能に惚れ抜いたプロデューサーの有科香屋子…しかし、彼女も王子の超ワガママ、気まぐれに振り回され「お前、ほんっとーに、ふざけんな!」と、大大悪戦苦闘中だった。瞳は一筋縄じゃいかないスタッフや声優たちも巻き込んで、熱い“想い”をぶつけ合いながら “ハケン=覇権” を争う戦いを繰り広げる!!
その勝負の行方は!? アニメの仕事人たちを待つのは栄冠か? 果たして、瞳の想いは人々の胸に刺さるのか?
ハケンアニメ!公式サイトより

公務員からアニメ業界に転職し7年、初めて監督としての現場に奮闘する主人公:斎藤瞳を吉岡里帆、瞳の憧れかつライバルで天才監督と称される王子千晴を中村倫也、ビジネス最優先で瞳を振り回しつつも作品への熱い想いを内に秘めているプロデューサー行城理を柄本佑、王子に振り回されながらも深い愛を持って向き合うテレビ局の敏腕プロデューサー有科加屋子を尾野真千子が演じている。

何と言ったって、キャストが多い!
それもそのはずで、実際のアニメ制作には尋常じゃない数の人が携わっていて、普段何気なく見ているアニメの裏側を知れるのも今作の見どころ。
「この人誰…?」みたいな人にもしっかり吹き出しで肩書が表示されて目からウロコ。
制作会社のデスク周りとか、生々しいスケジュールの話とか、制作打ち合わせとか、結構リアルなんだろうな~という感じでした。

そして劇中で制作される2つのアニメのクオリティの高さ。
あらすじにあるように、2人の監督が手掛ける2本のアニメが「ハケン」を争うので、劇中にもアニメが登場。
そのアニメのストーリーや作画もガチモン。制作現場が舞台の作品だからこそ、細部までこだわる”本気”を感じました。

ストーリー軸は、土曜の夕方の人気アニメ枠のハケン=視聴率獲得を巡る、新人監督と天才監督の対立軸。
そしてそのアニメをこの世に生み出した監督の生き様、苦悩、孤独とプレッシャーとの闘い、監督のすぐそばにいるプロデューサーをはじめとした数多くのプロたちの仕事姿。
1本のアニメにこんなにも大人が携わって毎話毎話を作っていると思うと、適当にアニメを見ていられないなと身が引き締まる思いに。(そんなにアニメ見ないんですけどね…)
あとはやっぱり制作現場のドタバタ感みたいなのはとても見ごたえがありました。
サバク(『サウンドバック奏の石』の略)制作チームが斎藤監督のプラン実現に向けて一丸となって進んでいくあの感じは少年漫画さながらのストーリー展開で、結末がなんとなく想像できながらも見入ってしまったし、序盤にさんざんダメ出しを食らってみんなの後ろで小さくなっていた斎藤監督が、色彩担当さんに説明をして理想の色味が伝わったあの瞬間は、私も思わずガッツポーズしてしまいました!

劇中で、吉岡里帆演じる斎藤監督はいろんな壁にぶち当たります。
ベテラン制作スタッフ、脚本家、声優、世間の目、「若い女性の新人監督」というレッテル、制作スケジュール、自分の思い通りにいかないプロモーション、そして行城、行城、行城…。

それでも「とにかくこのアニメを届けたい!」その想いで身も睡眠時間も削ってひたすら創り続けるんです。
そしてその想いは制作スタッフ全員の中に120%の純度で存在しているんです。
あの行城も、中盤でめちゃくちゃアツいことを言っていて、グッときました。

映画を観ていて途中、何度も目頭が熱くなりました。
なんでこんな風になるのだろうと思ったら
「ああ、そういえば私こういう仕事に憧れていたんだよね」
という、心の奥の声に気が付きました。

大好きなドラマの制作に憧れた大学生の時。
国立の四大を出て、番組制作会社に入社したけれど、いきなりドラマ現場は厳しいから、まずは情報番組に配属。
朝から晩まで、時に体調不良で死にかけながら、時に(というかほぼ毎回?)現場の理不尽さに時にわめき散らしながらも、必死に働きました。(コロナ前ですから…)
体力的にはきつかったけど、今思うと社会人やってる中であのころが一番楽しかった。
テレビ局で朝から晩まで走り回って、オンエアしてる時も裏でバタバタしている自分が誇らしくて、「働いている!」って感じがして、好きだった。
例え給料が安くても、あの時しかできない経験で、友達に笑いながら話せる内容も沢山あって、親にテレビで自分の撮った映像が流れたりクレジットに名前が載るという報告をできたのが嬉しかった。

だけど私には足りないモノがありました。

劇中で、中村倫也演じる王子監督は自分の理想と、世間の需要、そして前作とのプレッシャーにぶち当たります。
一見華やかに見える業界かもしれないけれど、実際はすごく地味で、孤独で、地道な作業の繰り返し。
それでも寝る間もご飯を食べる間も惜しんで「伝えたいものを作る」という情熱が彼らの原動力。その為には一切の妥協も許さない。

私には、そんな情熱が無かったんですね。
正直いつも「早く帰りたい。」「あと何時間で帰れる。」と思っていたし、ぶっちゃけ、周りも言っていました。
恥ずかしいけど、「何かを伝える」ということは考える隙がなかったんです。
いや、そこまで考えられるようになるまで、自分がもたなかった。

今の仕事をしてみて、やっぱり私にはマニュアル通りの仕事は向いていないんだということに気が付きました。
無い物ねだりなのはわかっているのですが、0を1にする仕事をしている自分を想像すると、めちゃくちゃワクワクします。
ものすごいエネルギーを要するし、もちろんプライベートの時間もあまり無いだろうし、身も心もタフじゃないとついて行けないのもわかっている。何より0を1にする苦しさ。
あの天才王子監督でさえ、ハワイに行くと嘘をついて都内のホテルに逃げていましたから。

だけど、やっぱりずっと自分の心の中にあるこの気持ち。
無視しようとしても、ふとした瞬間に出てくるこの気持ち。
今でも制作の現場で頑張っている元同僚のインスタのストーリーを見る度にいいなあと思う自分がいます。

私には才能はありません。
絵も上手くないし、絵コンテも描けないし、脚本も書けないし、VTRを繋ぐ術も無い。

けど文章を書くことは出来るし、何より好きです。
自分の内から出てくるふわふわとした感情やぼんやりとした考えに言葉を乗せて書くのが好きです。

文章を書くことだって0を1にすること。

「好きを、つらぬけ。」
映画のポスターにはそんなキャッチコピーが鉛筆書き風の字体で埋め込まれています。

好きをつらぬけと言われなくても
好きはやめられない。

私はこれからも好きだから書き続けます。



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