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ホグワーツ魔法学園卒、元NERV職員。フィジカルとデジタルが融合した空間に生まれうる新…

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ホグワーツ魔法学園卒、元NERV職員。フィジカルとデジタルが融合した空間に生まれうる新しい場やコミュニケーションの将来について最近は考えたりしています。#演劇 #歌舞伎 #映画 #ゲーム #サッカー #XR体験施設

最近の記事

夢の遊眠社 『野獣降臨』

購入した夢の遊眠社のDVD-BOXから続いてはこちら。 ということで、DVDに収録されている映像はエディンバラに行く直前の再再演時の公演の様子を映したもののようだ。皆さん若くエネルギーに溢れていて、元気をもらえる。 あらすじ一応、あらすじを引いておこう。 さっぱり分からない。戯曲も事前に読んでみたが、イメージやモチーフは掴めるものの、話の流れ/プロットは(いつも通りとも言えるが….)全然追えない。※1982年に出版された戯曲は、DVD収録の上演台本とはだいぶ異なるように

    • 東京芸術劇場 Presents 木ノ下歌舞伎『三人吉三廓初買』

      個人的には今年No.1の大傑作。鈴木さんだったり、野田秀樹だったり、岡田利規だったり素晴らしい演劇はアーカイブ含めたくさん観てきた1年だったが、面白いものは本当に世の中たくさんあるんだな、と驚いた。 気持ちとしては1.5時間くらいの気持ちで作っているという話だが、冗談抜き本当にあっという間の5時間。2020年の公演が中止になっての今回ということで、ここにかける意気込みもひとしおだったろう。 木ノ下氏が初演以来幻となっている場面まで復活させるのは伊達や酔狂ではない。かつてギ

      • SCOT SUMMERシーズン2024

        今年も行ってきた。 この夏にかける自分にとっては最早、自分の1年のスケジュールの中で動かせないスケジュールはこれだけである。そのため、事前に戯曲を読み、DVDやYoutubeで観られるものは観て、レインコートやリュックを新調。60分から90分を微動だにせず観劇できる身体を維持しなければならないという思いから、ストレッチにも取り組んでこの夏に備えてきた。準備万端、並々ならぬ意気込みである。 ちなみに、自分が行ってきたのは最終週のこちら。 各演目とりあえず観たものは忘れない

        • SCOT 『世界の果てからこんにちはⅠ』

          SCOT SUMMERシーズン2024にていつもの通り観劇。もう何度観ただろうか。こちらはYoutubeにも映像があるので、リンクを張っておく。 演出ノート自分にとっては、1年に一度、富山の山奥で日本人とは何か?を考えるタイミングにもなっている。毎回、感じること考えることが違うから不思議だ。 今回は、『シラノ・ド・ベルジュラック』の後での公演だったため、竹森さんは連投。さすがに喉が少し厳しそうだった。花火は年々技術が上がっているのか、あるいは地元の子どもたちも多い最終週だ

        夢の遊眠社 『野獣降臨』

          EMMA 『象』

          SCOT SUMMERシーズン2024にて観劇。TOPの画像はSPAC-静岡県舞台芸術センターのFacebookからお借りしました。 別役実『象』のあらすじと解釈2009年に新国立劇場で上演された際のあらすじ紹介が正鵠を射ているため、まずはここで引いておきたい。 病人の叔父は被爆1世、甥は被爆2世である。叔父は目に見える戦争の傷(背中に負ったケロイド)を持ち、甥の染色体異常は目に見えない。となると、社会に対する関わり方もそれぞれ異なり、それが叔父と甥との意見の相違にもなっ

          EMMA 『象』

          堀川炎 『野火』

          SCOT SUMMERシーズン2024にて、まずは『野火』を観劇。 『野火』は映画では観たことがあったが、原作は小説だったはず。戯曲も….存在するのかッ!?と一瞬思ったが、クレジットにテキストレジとあるので、演出の堀川さんが大岡昇平による小説を今回用に台本として整理・構成されたのだろう。 あらすじ一応、粗筋をおさらいしておこう。 演出ノートこちらはWebには掲載されていない…?かもだが、現場で配られたのでここにアーカイブしておく。(過去参加した時のものも取っておけばよか

          堀川炎 『野火』

          チェルフィッチュ『三月の5日間』

          『消しゴム山』が面白かったので、チェルフィッチュ入門中。 9月に新作を観に行くということもあって、慌てて出世作&代表作を配信で鑑賞した。観たのは、2017年12月@KAATで上演されたこちらのリクリエーション版。 2004年の初演時にはイラク戦争。再演された2017年といえば、今に至るイスラエルのガザ侵攻やウクライナ紛争はすでに始まっていた時期だ。いつの世にも戦火は絶えないが、だからこそ、その時時における戦争との距離をはかる作品は必要となり、それはいつか「時代劇」から「古

          チェルフィッチュ『三月の5日間』

          SCOT 『シラノ・ド・ベルジュラック』

          今年のSCOT サマー・シーズン2024で一番楽しみにしている作品。 ヤフオクで偶然に見かけて衝動買いしたDVDに収録されていたので、事前にこちらを鑑賞(本当に買っておいて良かった)。DVD収録は2003年@静岡芸術劇場での上演。初演は1999年なので、再演時の映像だろうか。 戯曲は手元になく、図書館やどこにも見つからなかったためSCOTに相談した所、送料込み振込にて郵送してくださった。ありがたいことだ。 加えて、光文社が2008年に出した翻訳でロスタンの原作戯曲も通読

          SCOT 『シラノ・ド・ベルジュラック』

          SCOT 「からたち日記」由来

          サマーシーズンが今年も開幕。自分は今週末に伺う予定のため、急いで予習・観劇準備の体制を整えている。 SCOT作品はソフト化されているものが少ないのだが、こちらの作品はYoutubeで鑑賞が可能。コロナ禍の気変わりなのか、2年くらい前からポツポツと公開されるようになっているのだけど、そろそろ店じまいモードなんですかね…(と思うと悲しい)。 こちらは、2022年3月19日上演@利賀大山房。出演は、内藤千恵子、加藤雅治、塩原充知。 「からたち日記」とは1958年に発売された島

          SCOT 「からたち日記」由来

          NODA・MAP第24回公演『フェイクスピア』

          戯曲を読んでから、WOWOWの録画にて鑑賞。戯曲を読んでいたにも関わらず、序盤・中盤は流れを追うのが難しく、その後もう一度戯曲を読み直してもう一度鑑賞した。録画しておいて本当に良かった。 この「演劇史に残る驚愕のラストシーン」こそが、『フェイクスピア』誕生の原点である。過度なネタバレにならないよう気をつけながら、感じたことをまとめていきたい。 野田秀樹による作品コメントまず、戯曲本の表紙にもなっている作品コメントを見てみる。 つまり、「演劇史に残る驚愕のラストシーン」は

          NODA・MAP第24回公演『フェイクスピア』

          夢の遊眠社『半神』

          夢の遊眠社のDVD-BOXを購入したので、意気込んで大物を。DVDに収録されているのは1988年5月11日@東京・シアターアプルでの上演。当時、役者違いで2バージョンが演じられていたようだが、収録されていたのはマリアを円城寺あや、老数学者を野田秀樹が演じていた回(もう1バージョンでは、マリアを野田秀樹、老数学者を段田安則が演じていたようだ)。 DVDでの鑑賞に関わらず、あまりの凄さにひっくり返った。BOXの残り作品も早いとこ観なきゃなのだが、とりあえず感激が新鮮なうちに感じ

          夢の遊眠社『半神』

          歌舞伎名作撰『ヤマトタケル』

          友人からDVDを借りて鑑賞。その後、2023年の11月にNHKで放送された市川猿翁追悼アンコール放送を録画していたことを思い出し、ノーカットフルバージョン版(*)を高画質で視聴。さらに、梅原猛による原作を図書館で借りてきて、録画のアンコール放送を見ながら進行を確認。要は、痛く感銘を受けた。遅きに失して何を今更と自分でも呆れるのだが、今からどう挽回できるか考えていきたい。 *DVD収録版では公演が一部カットされている!ので、NHKで放送された高画質ノーカットのBlu-ray盤

          歌舞伎名作撰『ヤマトタケル』

          歌舞伎名作撰『一本刀土俵入』

          友人から借りて鑑賞。自分でも買っていたのをすっかり忘れていた。 と、DVDは紹介帯にはあるものの、自分はなぜか泣けなかった。え?と思って2度観たのだが、それでも同じ。ここではその理由について少し考えてみたい。暴論になるかもしれないが、個人の感想ということで是非お許しいただきたい。 あらすじ相撲部屋に入門するも、見込み無しとしてお払い箱になった駒形茂兵衛は、二幕目となる10年後には精悍な渡世人となって登場。一方でお蔦は困窮しており、2人は立場を変えて再会する。 青空文庫で

          歌舞伎名作撰『一本刀土俵入』

          歌舞伎名作撰『白浪五人男』

          DVDにて鑑賞。過去の名作がこうして観られるのは助かる。 演目概要尚、「白浪五人男」は通称で、演目の正式名称(本外題)は「青砥稿花紅彩画」。元々は、河竹黙阿弥が歌川豊国(三代)の錦絵に着想を得て作られた歌舞伎で、立ち廻りや衣装も美しく、「動く錦絵」として評判になったとか。 この"ひとりずつ見得を切る"という点については、wikiにあったこちらの記述が興味深い。 ゴレンジャーどころか、アイドルやジャニーズの自己紹介もここに源流があったのか。五人にはそれぞれモデルがいるそう

          歌舞伎名作撰『白浪五人男』

          七夕喜劇まつり『唐木の看板』『はなのお六』

          藤山直美を観に、新橋演舞場へ。自分はそもそも喜劇を観ること自体が初めてだったのだが、あまりの素晴らしさに笑いと涙が止まらなかった。この感動と興奮を、記録として残しておきたい。 上方喜劇とは?演目詳細に入る前に、まず喜劇の歴史について触れておきたい。 今まで考えたことも無かったのだが、「喜劇」というジャンル自体が明治以降に誕生したものであることにここで気付く。 上方の喜劇というと「吉本新喜劇」をすぐ思い浮べてしまうが、このwikiにある「松竹新喜劇」との違いに関する記述が

          七夕喜劇まつり『唐木の看板』『はなのお六』

          シネマ歌舞伎『野田版 桜の森の満開の下』

          友人からDVDを借りて視聴。あまりの衝撃に、野田秀樹自身が耳男を演じていた頃の『贋作・桜の森の満開の下』を見たくなりDVD-BOXを購入。さらには本作のBlu-Rayを購入して再見。坂口安吾の原作及び戯曲まで確認して….と、ここ最近はこの作品に取り憑かれていた。 『贋作・桜の森の満開の下』ちなみに、『贋作・桜の森の満開の下』初演は89年2月。DVD-BOXに収録されているのは92年2月の再演時のもの。その後、2001年6月に再再演され、その時は堤真一が耳男を、深津絵里が夜長

          シネマ歌舞伎『野田版 桜の森の満開の下』