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成瀬監督の『浮雲』とテイラースウィフトの『All to well』の共通性についての考察。

こないだ、成瀬監督の『浮雲』を観た。
この映画は、日本映画の名作と言われおり、まぁ単なる不倫のお話なんだけど、戦後の動乱期の時代背景とかが重なって、いわゆる恋愛における切なさを表した名作である。

特にヒロイン高峰秀子の演じる女性の一途な思いには心を打たれる。それに比べて不倫主の森雅之演じる男のなんと適当なことかという苛立ちも相まって今に通じる切なさを抱えた作品だ。

それはそうと、現代の恋愛アイコンの間違いなくトップである歌姫テイラースウィフトには、俳優のジェイク・ギレンホールとの恋愛を歌った『All to well』という名曲がある。

この曲も女性の一途な思いが歌われている。
様々な思い出についての一コマが走馬灯のように流れていくことが感じられる切ない曲だ。

この二つは恋愛の儚さを表現した作品という点でかなり共通しているのだ。
どちらの作品を観る、聴くとしてもあなたは同じ切ない気持ちになるだろう、これはいわゆる表現が成すマジックに他ならない。
浮雲は1955年の作品でAll to wellは2022年だ。
その差は約70年。
幾ら技術が発展しようとも、時代を超えて人間の『切なさ』という感情が二人のアーティストで繋がっているのだ。不思議だ。人間はそもそも単純なものかもしれないと思わされる。我々は難しいことを考えすぎなのかもしれない。もっと単純に生きた方がいいのかもしれない。

恋愛は長く続くものではない、その一瞬の出来事の切なさを映画や曲で表現できる。この新旧の二人の巨人に共通性を見出したのは、僕ぐらいであろう(笑)


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