マーケティング・経営基礎 Day4 富士フィルム チェキ|時代に合わせた売り方を考える
全6回のクラスのうち、前半3回は経営戦略、後半3回はマーケティングを学ぶカリキュラムとなっています。今回のDay4は後半の1回目ということで、Day1-3で行った環境分析等は理解している前提で、マーケティングの基本を学んでいくという位置づけでした。
このケースは、富士フイルムのインスタントカメラ「チェキ」のマーケティング戦略の変更と製品の復活を取り上げています。主に、市場の変化に適応し、新しいターゲット市場を特定することの重要性が強調されています。チェキの事例を通じて、製品デザインの見直し、マーケティング戦略の更新、販売チャネルの多様化など、製品再生のための様々なアプローチが示されています。また、消費者の好みや市場動向への持続的な対応の必要性にも焦点を当てています。
クラスは講師の方の熱くて分かりやすい講義やディスカッションで、チェキなんて見たことも無かったですが、一気に製品自体に興味が湧き購入してみたくなりました。
Day4に学んだこと
市場変化への適応: デジタル化や新技術の台頭に伴い、既存の製品やサービスに対するアプローチを再考する重要性。
ターゲット市場の特定: 製品の魅力を最大限に引き出すために、特定の顧客層(例:若い女性)をターゲットに設定。
製品デザインの見直し: ターゲット顧客の好みに合わせた製品デザインやカラーリングの採用。
マーケティング戦略の変更: 新しい顧客層にアピールするためのマーケティング戦略の変更とイノベーション。
販売チャネルの多様化: 新しいターゲット市場にリーチするための販売チャネルの拡大と多様化。
持続的な市場への適応: 消費者の好みや市場の動向の変化に対応するための継続的な戦略の見直しと改善。
個人的な洞察
IT業界における私自身の仕事を通した感想は以下の通りでした。
継続的な顧客への訴求の重要性
サービスを開始した後も、顧客への訴求を継続することが非常に重要。多くの場合、サービスが導入されると、そこで一段落してしまい、その後の改善や更新が怠られがち。しかし、何も変化がないと、顧客は飽きたり、価値が下がると感じたりして、結果的に値下げを要求するようになるかもしれない。したがって、サービスの魅力を持続させるためには、常に新鮮さを保ち、顧客の関心を引き続き引きつける必要がある。
サービスの核となる部分の理解
サービスには、変更すべきでない核となる部分が存在する。以前は、市場のトレンドや顧客のニーズに応えることだけが価値だと考えがちだったが、実は自社のサービス自体に固有の価値があることを見落としていた。自社とサービスの独自の価値を明確に理解し、それを言葉にしてチーム全体で共有することが必要。これにより、自社のポジショニングを適切に考え、市場での立ち位置を強化できる。
マーケティングは全ての部門の責任
マーケティングは、直接顧客と接する部門だけでなく、裏方を含む全ての部門の責任。顧客と直接関わらない職種の仕事の価値や重要性を理解し、それを組織全体で共有することで、サービスの質を高め、顧客満足度を向上させることができる。これにより、組織全体として一丸となって、より効果的なマーケティング戦略を展開することが可能になる。
学びのメモ
総括
マーケティングは、単に製品やサービスを売るための手段ではなく、顧客の深い理解とそれに基づいた価値提供のプロセス。4Pのバランス、STP分析、そしてSWOT分析を通じて、企業がどのように市場と顧客にアプローチすべきかを示唆している。重要なのは、製品中心ではなく顧客中心の思考、市場の変化を敏感に察知し、それに適応する能力。組織全体がこの視点を持ち、常に市場と顧客のニーズに合わせて自らを変革していくことが、持続可能な成長への鍵となる。ビジネス環境は絶えず変化するため、マーケティング戦略もそれに応じて進化し続ける必要がある。このダイナミックなプロセスを理解し、実践することで、企業は競争優位を維持し、成功へと導かれる。
マーケティングの本質
マーケティングは、顧客に勝ってもらえる仕組みを作り、販売を後押しする活動。重要なのは、顧客の視点から物事を考え、彼らがどう感じているかを理解すること。このプロセスには、直接顧客と接する部門だけでなく、ITや財務などの間接的な部門も含まれる。組織全体で顧客を中心に考えることが、強い企業を作る。
4Pの整理
マーケティング戦略は、製品(Product)、価格(Price)、場所(Place)、プロモーション(Promotion)の4Pに分けて整理される。これは業界や職種によって偏りがちだが、バランス良く考えることが重要。
マーケティング戦略の基本プロセス
基本的なマーケティング戦略には、STP(Segmentation, Targeting, Positioning)と4Pが含まれる。市場の機会をどこに見出すか、利益や売上のアップが期待できる外的環境の変化をどう捉えるかがキーとなる。
セグメンテーション
顧客のニーズを分類することで、多様な嗜好を持つ現代の消費者を理解する。地理や性別だけでなく、心理的変数や行動変数に基づく分類(サイコグラフィックス)が重要。
ターゲティング
市場を攻める理由や攻めない理由を明確にし、ターゲットを絞り込む必要がある。評価軸としては、市場規模(Realistic Scale)、成長性(Rate of Growth)、競合(Rival)、波及効果(Ripple Effect)などがある。
ポジショニング
顧客の頭の中に明確で価値ある製品イメージを作り出すことがポジショニング。ターゲットを具体化し、競合に勝てるポジションを見つけることが重要。
ポジショニングの混同
セグメンテーション(ターゲットの分類)とポジショニング(ターゲットに対する製品の魅力)を混同しないよう注意が必要。
パーセプションマップ
製品のポジショニングと、顧客が持つ製品の認識(パーセプション)を理解し、両者のズレがないかを確認する。
経営環境の変化
経営環境は常に変化するため、多様な使用法の提案や新しいターゲット層の開拓など、柔軟な対応が求められる。
参考資料・書籍
『ストーリーで学ぶマーケティングの基本ーーー 顧客視点で考える「買ってもらえる仕組み」の作り方』
『ストーリーで学ぶ戦略思考入門ーーー仕事にすぐ活かせる10のフレームワーク』
Day1をお読みになっていない方はこちらからどうぞ。
https://note.com/megumirai2020/n/n96322ea35bef