【3分でわかる】『あのコはだぁれ?』レビュー
あらすじ
ある年の夏休み。
ほのかは臨時教師として補習クラスを担当することになりますが、突然彼女の目の前で1人の女子生徒が学校の屋上から飛び降り自殺をしてしまいます。
静かだった学校は一変して、警察や学校の先生が慌ただしく動き回り、生徒たちはもちろんほのか自身もあまりの事態に呆然としていました。
そんな中、生徒の母親のうちの1人が、校長先生に「あの時と同じじゃないか」と詰め寄るのを聞いてしまいます。
どうやら生徒の親が学生だった頃も、同じように同級生が屋上から飛び降りたというのです。
そして飛び降りた原因は『あのコ』だと。
あのコを見て、そしてあのコが口ずさむ歌を聞いた子は死ぬ。
そんな話を聞いたほのかと生徒達は、呪いを解くためにあのコのことを調べ始めます。
そして彼女達は、あのコの恐ろしい真実を知ることになります。
はたしてあのコとは誰なのか。
そしてあのコの目的とはなんなのでしょうか。
続きは本作でお楽しみください。
みどころ
※本作のネタバレを含みますので、苦手な方は映画を観た後にご覧ください。
1)純粋すぎる『夢』
本作は、昨年公開された『ミンナノウタ』の続編で、あのコの正体は前作でも登場した高谷さなという少女です。
さなの目的は、『自分の歌をみんなに届けて、みんなを自分の世界に惹き込むこと』
そのために彼女は、『最後の音』つまり死ぬ間際の音を集めているのです。
自分の歌を届けたい、という純粋な願いはいつしか凶悪な呪いに変わり、その呪いは時や場所を超えて伝染していきました。
本作の怖いところは、誰かを殺したいとか恨めしいとか、そんなマイナスな感情で人を殺すのではなく、キラキラとした夢のために人を殺しているというところです。
純粋すぎる夢は時として凶器に、そして狂気になる。
そんなことを感じた作品でした。
2)繰り返す恐怖
本作にはいくつも代表的なホラーシーンがありますが、特に印象に残っているのは前作にも登場したビデオのように同じことが何度も何度も繰り返されるというシーンでしょうか。
ほのかがさなの家を訪れた際、リビングで両親が出迎え、奥の部屋で祖母が寝ているのですが、両親の会話がどこかおかしい。
何度も同じセリフを繰り返し、そしていつしかそのセリフがおかしくなっていく、、、というシーンなのですが、とにかくこれは本作をご覧いただきたいです。
言葉では表現しきれない不気味さと、徐々に異変が形になっていく恐怖は、本作でしか味わえないと思います。
特に、前作にも登場したさなの母親の怪演は、ホラー好きなら絶対に一度は観てほしいです。
さすが清水監督、と言わざるを得ないほど、すばらしい作品でした。
ぜひ、ホラー好きの方は一度劇場でご覧ください。