2#2 生きるということ、生きているということ

『生きている』とはいったいどういうことか?

さっきまで息をしていた彼の呼吸が止まり、
目の前にあるものが
“生きていた彼”から“死んだ肉体”となったあの瞬間

あの瞬間から私は、その答えが分からなくなってしまった。

理解も納得も、哀しみも悔しさも、喜びも愛も、
すべての感情が止まってしまった瞬間

それは、
それまで信じていたものが崩れ去った瞬間

──『生きている』それは所詮
“まだ死んでいない人間”の集まりじゃないか──

人間史始まって以来、
“死ななかった”人間は皆無で、
その死亡率は100%だ。

いま産まれた命であろうと、
90年生きた命であろうと、
スラムに暮らす子供であろうとら
世界的なスターであろうと、
ステージ1だろうとステージ4だろうと、

その日が1年後なのか50年後なのかの違いがあるたけで、皆100%死ぬのだ。

『生きる』とは、『生きてる』とは、

いったいなんなのだ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?