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夫はその頃住んでいたアパートとは逆方向にある私の実家に、仕事終わり毎日やってきた。


息子が生まれてから、私と息子は私の実家で1ヵ月間過ごした。家事は母に頼んで私は息子の世話をする。


息子は母乳を飲んでくれないし夜泣きもすごかった。起きている間は、基本 泣いている…。

私は連日の慣れない育児に心が折れかけていた。


夫はその頃住んでいたアパートとは逆方向にある私の実家に、仕事終わりに毎日やってきた。

息子の顔を見に…だろう。

そのたびに私は夫を疎ましく思うようになった。


なぜか、

それは息子が泣き止むから。



私といる時はずっと泣いている息子が、夫がやってきた時だけ泣き止むのだ。

私は腹が立っていた。


これじゃあ、私の大変さが伝わらないじゃない!

何で泣き止むのよ、もっと泣けよ、私といる時みたいに泣いてよ!

そうしたら私の大変さが伝わるんだから!



そんな風に思っていた。

でもやっぱり泣き止む。


何で何で何で!私じゃダメだっていうの!?


でも周りは言う。
『お母さんに甘えてるんだよ』
『安心して泣けるのよ』


うるせーよ
そんなのはいいから泣き止んでよ

私は寝たいの
平穏に過ごしたいの
ゆっくりしたい
気にかけたくない心配したくない
ハラハラしたくない
もう疲れた
黙って
いいから泣き止んでよ


産後うつだったと思う。



で、今ですよ。

あれからもう17年、いやもうすぐ18年か。
息子も大きくなりました。

一丁前に反抗期、思春期、不登校になっちゃって、生意気に自分の意見も言えるようになっちゃったりして、成長著しいから母ちゃんは嬉しいですよ。



そして今日、急に当時の事を思い出してハッと気付いた事があった。

本当はその逆…


夫が息子の気分転換になってたんだ


産後うつの心身ともに疲れた私と一緒の空間で、息子も緊張していたのかもしれない。

それか本当に、私にだけは甘えられると思っていたのかも。

どちらにしても、お父さんがいる事で、良い意味で気持ちを切り替える事ができたのだろう。


だとしたら、息子にとって良い時間だったよなぁ…と思った。

あの時間があったから、ずっと泣いているという状態じゃなくて済んだのだから。


毎日毎日1ヵ月間、仕事帰りにわざわざアパートの反対方向まで来てくれたものだ。

父親がやってきた時に泣き止む
ご機嫌で抱っこされている

という事は、夫の存在がもう『ありがとう』って事になる。


と気付いたので、そう伝えてみた。

私がいきなり息子が生まれた時の話をしたもんだから、夫は『お、おお、そうか…?』と戸惑っていた。



私が育児で大変だった事
夫がいる時は泣き止む事
これらは関係ない。

私がこれらを繋げて、夫に対して怒りの気持ちが出ていただけ。


私は夫を『父親になりきれてない人』だと心の中で非難し、心を閉ざしていた時期が長くあった。

今思えば、そうなっていてほしかったのかもしれない。そうじゃないと私が頑張ってる人になれないから。


確かに夫は、父親として足りない部分はある。もっとうまく関わってほしいという不満はあったし、文句や嫌みを言ったこともある。



でも息子にとっては きっと、
その存在がもう\ありがとう/なのだ。

息子のありがとうは私の喜びだ。


夫さん、父親としてダメな人だとあなたを否定してごめんなさい。ありがとう。





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