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AIと一緒に技術広報について考える

技術広報を5ヶ月やってきて、「技術広報はKPIを設定するのが難しい、適切な数値目標をせねばならない」ということを学ぶことができました。約半年で得た経験とストックしてきた知識から得た私なりの真理です。

同僚からSlackで送られてきた画像
AIが技術広報のKPIについて回答している

はい、ということで、私が5ヶ月で得た血肉ともいえる経験に、AIは2秒でたどり着いたようです。

悲しさと切なさと驚愕と感動が一挙に押し寄せてきました。心の中で劇団四季とシックスセンスと吉本新喜劇とシン・ゴジラが同時上映しています、感情が追いつきません。

僕の5ヶ月の成果を破壊してくれたのは、最近話題になっているCahtGPTくんです。

私もちょっと触ったのですが、AIの進化の早さに驚きますね。基本的になんでも回答がでてくるうえに、文章に違和感がまったくありません。「人力で頑張って回答を書いている」と言われても納得できる文章力です。

さてさて、私は1人で25日書く技術広報 Advent Calendar 2022というアドベントカレンダーを今やっており、記事ネタを探していました。

そこにきてChatGPTはちょうどいいなと思った次第です。AIと一緒に技術広報について考えてみようと思いました。

※ 最初は「笑えるネタになるかな?」と思っていたのですが、実際にやってみると「思考を整理する壁打ち相手としてAIは最適」という考えになりました。相談相手として最高なのでおすすめです

技術広報とは?

このあたりまだ技術広報に対する解像度がAIは低いように感じました。

CahtGPTとしては「技術広報」=「技術をわかりやすく伝える役割」という認識があるようです。

AIの回答のように広義では「技術をわかりやすく伝える役割」もあるかもしれませんが、現状では「技術広報」=「企業の技術ブランディングをする役割」という意味合いを担う場合が大半だと思います。

やはり、「技術広報」=「技術情報を理解できるようにする人」と認識している模様

しかし、AIが技術広報を正しく認識してないからと言って、「やーい、AIは技術広報のことをなにも理解してないやーい!」とマウントをとっている場合ではないかもしれません。

技術広報が「技術をわかりやすく伝える役割」という考え方は、私は考えたことがない視点でした。

ソフトウェアエンジニアとくにWeb黎明期のエンジニアたちは、自分たちの開発記録や学んだことやはまった問題の解決策などを「記録」して公開することが多くありました。

誰かが同じ問題に出くわしたときの解決策になってもらいたいという利他的な側面とそれをまとめることによって自分自身の学習メモとしてはかどるという2つの理由が初期のモチベーションだったかと思います。

採用のために技術ブログを書くわけじゃない。

私自身の経験談なのですが、技術広報を行っているとだんだんと思考が「どうやったら採用につながるのか?」と、固執してしまう部分があります。

会社の利益を考えたときにその思考は正しいのかもしれませんが、根本にはエンジニア文化の土壌があることを忘れてはいけません。

協賛カンファレンスなどはまさにその好例だと言えるでしょう。技術があり、そこに興味ある人が集まってきて、コミュニティによって技術が発展し、さらにコミュニティ自体も盛り上がり……と、誰かが形作ってきた土壌があるからこそ、広報的な活動もできるようになっているのです。

現状、私は技術広報として「noteで培った技術を外部に公開していき、noteの技術ブランディングを高めていく」という思考で動いています。しかし、「社内のエンジニアの力を借りて、世間にnoteの知見を役立ててもらう」という志を持つことが必要なのかもしれません。

キレイごとを言っているように聞こえるかもしれませんが、記事の編集や指針を決めるうえで、こういった思考を持つことは非常に大事だと考えています。誰からも必要とされない記事を書くよりは、誰かの役に立つ記事の方が良いでしょう。

技術広報としてエンジニア文化に還元していくことを忘れないようにしようと思いました。


どうやったら技術ブランディングはうまくいく?


先ほどはAIによってエンジニア文化が土台にあるということがわかりましたが、やはり技術広報としては技術ブランディングはマストで行う仕事です。

安直な話ですが、「noteってすごいエンジニアがいっぱいいる」ということが世間的に認知されれば、noteで働きたいと考えるエンジニアも増えるはずです。

ということで、今度は技術ブランディングを上手くやる方法を考えていきたいと思います。

ちなみに、一般的に技術広報が行う施策としては、「技術記事の公開」「イベントの実施」「コミュニティでの登壇」などが考えられます。

うーん、やはりChatGPTの回答にはハッとさせられるものが多くて驚きます。

誰か特定の人が言っているわけではないため、こちらもフラットな気持ちで言葉を受け止めることができます。ユニークな特徴がなく、先入観がないこともAIの利点なのかもしれません。

技術の強みやユニークな点を顧客に伝えることで、その技術がもたらす利点を理解してもらいやすくなります。

先ほど私があげたように、技術広報の施策として技術情報を外部公開していくことは自社のブランディングとして大事なことでしょう。

しかし、それらの施策を打つ前に、前提として「技術の強みやユニークな点」をきちんと理解して言語化しておく必要があるのです。

発信をしていく上での軸がないのであれば、発信をしていても単発で終わってしまいます。それらはブランディングとして成り立っていない可能性があります。(自分の仕事を振り返っても思い当たるフシがある)

例えば、「noteの発信は〇〇だから読みたくなる」「noteのイベントは〇〇だから見ていて勉強になる」となるように、他社に代替できないファンを増やしていくという考えも大事なのかもしれません。

この〇〇に当てはまるものが自社で言語化できるのであれば、それを軸として推し進めていき、ブランディングにつながっていくのではないかと思っています。

今年は、「会社と個人の関係性」をテーマに取り組んでいます。「働く」というのは、個人が主役で、会社や仕事は個人を豊かにするためにあるものだと私は思います。しかし、実際の関係性は会社が個人に対して強すぎますし、この「対等になれていない」という点については問題提起していきたいと思っています。

私の場合ですが、「組織やコミュニケーションについてなにか記事が読みたいな」と思ったときには、サイボウズ式が連想されます。毎回見ているわけではないですが、ふとしたときにサイトを閲覧することがあるのですを

この「なんとなくイメージがある」が重要だと思っています。想起してもらうことができていないメディアは多数あるでしょう。(自戒を込めて)

「どうやって技術ブログを続けていくか?」「なぜ続かないのか?」という人的な問題を解決していくとともに、やはり精神的な幹となる想いや信念も持つべきなのだと思います。

ですよね
なるほど、真っ当だ

AIと思考を壁打ちする時代


ChatGPTに自分の考えを投げてみると、人間とはまた違う回答が得られて、自分の思考を見つめ直す良い機会になりました。

「AIは人の仕事を奪うのではなく、人の作業を手助けしてくれる存在である」という話をよく聞きますが、それを初めて実際に体感することができました。

自分の思考を醸造させるための壁打ちとしてAIを利用するというのも一つの使い方なんだなと理解することができたのです。

AIから正しい回答を得るのではなく、AIの回答によって自分で新しい発見をしていくのも、AIの正しい使い方の一つなのでしょう。

仕事に詰まったときにはChatGPTと壁打ちをして、自分の中で頭を整理するのは新しい選択肢だなと思いました。

冒頭で書いたように、今回の記事ネタはKPIについて考えたことを公開し、それを同僚が見たことで、新たな発見をすることができました。すべての行動に無駄はないと気づけました、ありがとうChatGPT。

最後にちょっと怒られました



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