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「#名刺代わりの小説10選」を、そろそろ。

みなさん、こんにちは。

むささびです。


Twitterの読書アカウントで、「#名刺代わりの小説10選」というハッシュタグをよく目にします。

好きな小説を10作品選び、それを固定ツイートなどにすることで、自分の読書の好み・傾向を知ってもらうことができます。

まさに、読書アカウント界での「名刺」のような役割を果たしてくれる、素敵なハッシュタグです。

私も読書アカウントを始めてしばらく経ちましたが、そろそろこのハッシュタグをやることにしました。


マイルール

「#名刺代わりの小説10選」を選ぶ前に、自分なりのルールを設けることにしました。

それがこちらです。

▻「小説」に限定しない

▻新旧作品を織り交ぜる

▻ミステリーから2冊、伊坂幸太郎さん・森見登美彦さんの作品から1冊選ぶ

「小説10選」となってはいますが、エッセイや紀行文など、あまりジャンルを限定せず選ぶことにしました。

「新旧」というのは、「作品が執筆された年代」という意味ではなく、「私の読んだ時期が昔のもの・最近のもの」という意味です。

昔からずっと好きな作品も、最近読んで感動した作品もバランス良く織り交ぜることで、より正確に自分の好みが反映されたラインナップになるのではないかと考えました。

また、自分の読書遍歴の中で重要な地位を占めるミステリー作品や、伊坂幸太郎さん・森見登美彦さんの作品は、忘れずに選出するようにしました。


選ばれし10冊の猛者たち

そして、上記のマイルールに則って選ばれた、選ばれし10作品がこちらです。

錚々たる面々です(自分にとっては)。

それでは、1冊ずつ詳しく語っていきたいと思います!


1.重松清『きみの友だち』

わたしは「みんな」を信じない、だからあんたと一緒にいる――。足の不自由な恵美ちゃんと病気がちな由香ちゃんは、ある事件がきっかけでクラスのだれとも付き合わなくなった。学校の人気者、ブンちゃんは、デキる転校生、モトくんのことが何となく面白くない……。優等生にひねた奴。弱虫に八方美人。それぞれの物語がちりばめられた、「友だち」のほんとうの意味をさがす連作長編。(裏表紙より)

こちらは、私がこれまでずっと「1番好きな本」として挙げてきた作品です。

本当に大切な作品なので、絶対に1番目に持ってこようと思っていました。

胸が苦しくなるような描写・展開がありつつも、ラストの感動・幸福感で心が洗われます。

私はラストの余韻が読後も残る作品が大好きなので、この作品はどストライクでした。


2.本多孝好『WILL』

11年前に両親を事故で亡くし、家業の葬儀屋を継いだ森野。29歳になった現在も、寂れた商店街の片隅で店を続けている。葬儀の直後に届けられた死者からのメッセージ。自分を喪主に葬儀のやり直しを要求する女。老女のもとに通う、夫の生まれ変わりだという少年――死者たちは何を語ろうとし、残されたものは何を思うのか。ベストセラー『MOMENT』から7年、やわらかな感動に包まれる連作集。(裏表紙より)

こちらは比較的最近読んだ作品で、「新世代のエース」的なポジションです。

この作品も、とにかくラストに感動します。ラスト数行は、好きすぎて暗唱できます。

『MOMENT』という作品の続編なのですが(ぜひ『MOMENT』を読んでから『WILL』を読んでいただきたいのですが)、2作品にわたって読んできたが故の、満足感・達成感はすごいです。


3.沢木耕太郎『深夜特急』

インドのデリーからイギリスのロンドンまで、乗合いバスで行く――。ある日そう思い立った26歳の〈私〉は、仕事をすべて投げ出して旅に出た。途中立ち寄った香港では、街の熱気に酔い痴れて、思わぬ長居をしてしまう。マカオでは、「大小」というサイコロ博奕に魅せられ、あわや……。一年以上にわたるユーラシア放浪が、今始まった。いざ、遠路二万キロ彼方のロンドンへ!(裏表紙より)

こちらは小説ではなく、著者が世界で見聞きしたことを語る紀行文です。

海外に興味を持つきっかけになったという意味で、私の人生に大きな影響を与えた作品です。

この作品を読むと、著者と一緒に世界を旅しながら、未知のものに対する感性が磨かれるような気がします。


4.梓崎優『叫びと祈り』

砂漠を行くキャラバンを襲った連続殺人、スペインの風車の丘で繰り広げられる推理合戦……ひとりの青年が世界各国で遭遇する、数々の異様な謎。選考委員を驚嘆させた第5回ミステリーズ!新人賞受賞作を巻頭に据え、美しいラストまで突き進む驚異の連作推理。各種年末ミステリ・ランキングの上位を席捲、本屋大賞にノミネートされるなど破格の評価を受けた大型新人のデビュー作。(裏表紙より)

選出したミステリー2冊のうち、比較的最近読んだ作品です。

異文化×ミステリーという新鮮な作品で、自分の好みにガッチリとハマりました。

自分にとっては「謎」に思えることでも、相手にとっては「常識」ということがあるのだと考えさせられました。


5.米澤穂信『さよなら妖精』

1991年4月。雨宿りをするひとりの少女との偶然の出会いが、謎に満ちた日々への扉を開けた。遠い国からはるばるおれたちの街にやって来た少女、マーヤ。彼女と過ごす、謎に満ちた日常。そして彼女が帰国した後、おれたちの最大の謎解きが始まる。謎を解く鍵は記憶のなかに――。忘れ難い余韻をもたらす、出会いと祈りの物語。『犬はどこだ』の著者の代表作となった清新な力作。(裏表紙より)

こちらはミステリー2冊のうち、昔から好きな作品です。

米澤穂信さんが得意とする「日常の謎」ミステリーで、ラストでの伏線の回収がとても気持ち良いです。

ラストの謎解きが終わった後、なんとも言えない余韻に浸り、なかなか物語の世界から帰ってくることができませんでした。

今思えば、こちらも異国情緒の感じられる作品でした。私の好みがわかりますね。


6.伊坂幸太郎『バイバイ、ブラックバード』

星野一彦の最後の願いは何者かに〈あのバス〉で連れていかれる前に、五人の恋人たちに別れを告げること。そんな彼の見張り役は「常識」「愛想」「悩み」「色気」「上品」――これらの単語を黒く塗り潰したマイ辞書を持つ粗暴な大女、繭美。なんとも不思議な数週間を描く、おかしみに彩られた「グッド・バイ」ストーリー。(裏表紙より)

伊坂幸太郎さんの作品から、悩みに悩んで選んだ1冊です。

この作品も、とにかくラストが良いのです。私がこれまで読んできた全作品の中でも、トップクラスで素晴らしいラストです。

読了後の余韻がすさまじく、この作品を読んだ人は全員、余韻に引っ張られて物語の続きをあれこれと想像してしまうと思います。


7.内田洋子『ボローニャの吐息』

「飛び散った赤や黄色、緑にピンクの絵の具の染みの向こうに、カプリ島の海が輝き、カザティエッロの滋味が舌先に蘇る。世紀の抱擁に身を包まれる」……。古代ローマから息づくイタリア人の美意識を描く傑作随筆集。ブックフェアで賑わうボローニャで過去の二つの悲劇に想いを馳せる表題作、雨に沈むヴェネツィアで回顧するピアニストの人生「雨に連れられて」、北イタリアの結婚事情と披露宴で出会った不思議な光景「流浪の人」、ラファエッロの絵の数奇な運命をたどる「それでも赦す」ほか。日伊往来四十年余の著者が描く全十五話。(裏表紙より)

内田洋子さんは私の大好きなエッセイストで、小説ではありませんが、彼女の作品を1冊選ぶことにしました。

実は、私は大学時代にイタリアに1年ほど留学していたことがあり、イタリアでの暮らしを題材にした内田さんのエッセイがとにかく刺さるのです。

何気ない日常の風景も、豊かな感性と表現で切り取れば、こんなにも素敵な「物語」になるのだと、いつも感動させられます。


8.夏川草介『神様のカルテ』

栗原一止は信州にある「二四時間、三六五日対応」の病院で働く、悲しむことが苦手な二十九歳の内科医である。職場は常に医師不足、四十時間連続勤務だって珍しくない。ぐるぐるぐるぐる回る毎日に、母校の信濃大学医局から誘いの声がかかる。大学に戻れば最先端の医療を学ぶことができる。だが大学病院では診てもらえない、死を前にした患者のために働く医師でありたい……。悩む一止の背中を押してくれたのは、高齢の癌患者・安曇さんからの思いがけない贈り物だった。二〇一〇年本屋大賞第二位、日本中を温かい涙に包み込んだベストセラー、待望の文庫化!(裏表紙より)

こちらは、私に読書の楽しさを教えてくれた、「読書の師」のような作品です。

好きすぎて何度も紹介しているような気がしますが、やはり外せませんでした。

夏川さんの作品は、ひとつひとつの言葉・表現への敬意が感じられて、読んでいて幸せな気持ちになります。


9.佐藤正午『鳩の撃退法』

かつては直木賞も受賞した作家・津田伸一は、「女優俱楽部」の送迎ドライバーとして小さな街でその日暮らしを続けていた。そんな元作家のもとに三千万円を超える現金が転がりこんだが、喜びも束の間、思わぬ事実が判明する。――昨日あんたが使ったのは偽の一万円札だったんだよ。偽札の出所を追っているのは警察だけではない。一年前に家族三人が失踪した事件をはじめ、街で起きた物騒な事件に必ず関わっている裏社会の”あのひと”も、その動向に目を光らせているという。小説名人・佐藤正午の名作中の名作。圧倒的評価を得た第六回山田風太郎賞受賞作。(裏表紙より)

こちらは、最近読んだ中でずば抜けて衝撃を受けた作品です。

小説の可能性や奥深さ、著者と読者の関係性など、これまで考えたこともなかった「小説の力」のようなものを、物語に振り回されつつも実感しました。

「読書には、まだまだ新しい楽しみがあるのだな」と、希望が湧いてきた作品でした。


10.森見登美彦『夜は短し歩けよ乙女』

「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。けれど先輩の想いに気づかない彼女は、頻発する”偶然の出会い”にも「奇遇ですねえ!」と言うばかり。そんな2人を待ち受けるのは、個性溢れる曲者たちと珍事件の数々だった。山本周五郎賞を受賞し、本屋大賞2位にも選ばれた、キュートでポップな恋愛ファンタジーの傑作!(裏表紙より)

こちらは森見登美彦さんの作品から、『有頂天家族』とさんざん悩んだ末に選んだ一冊です。

華やかで楽しい世界観と、目まぐるしくも引き寄せられる展開、そしてユーモア溢れる言葉選び。

どれをとっても一級品で、「読書の快楽、ここにあり」という感じです。


すっかり長くなってしまいました。

読書は毎日積み重ねていく趣味なので、今回選んだ「#名刺代わりの小説10選」も、少し時間が経ったら更新されていくと思います。

この記事は、こんな本が好きだったんだという、自分用の記録みたいなものですね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

むささびでした!


私はこれまでに、Twitterの読書アカウントで、自分の好きな作品について色々と紹介してきました。

それをnoteの記事でまとめていますので、もしよろしければ覗いてみてください。

☟「30日読書チャレンジ」の記事

☟読書遍歴の記事


↓2023年版の#名刺代わりの小説10選を更新しています。ぜひこちらもご覧ください!


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