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【読書遍歴】読書は、歴史だ。 〜後編〜
みなさん、こんばんは。
むささびです。
私がこれまで人生で読んできた本を振り返る「読書遍歴」、後編です。
前編では、高校卒業までで、特に印象深かった本を紹介しています。
読書遍歴を振り返っていると、「またあの作品を読みたいな」という、懐かしさを伴った読書欲が湧いてきます。
忘れた頃に、もう一度読み返したいです。
邂逅。綾辻行人『十角館の殺人』
綾辻行人さんの『十角館の殺人』は、私が本格ミステリーにハマるきっかけになった作品です。
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忘れもしない、大学入学直後の春。
私は家に眠っていたこの作品を偶然読み、「なんだこの面白い小説は?!」と、雷に打たれたような衝撃を受けました。
それまで本格ミステリーは数えるほどしか読んでいなかったのですが、この作品を読んで以降ミステリーの沼にのめり込み、有栖川有栖さんの「学生アリスシリーズ」や、島田荘司さんの「御手洗潔シリーズ」など、シリーズものを中心に読み漁っていきました。
大学1年~2年の間は、ほとんどミステリー作品しか読んでいなかったと思います。それほど熱狂的なブームでした。
『十角館の殺人』は、多くの方におすすめの本として紹介されていますが、私にとっても、本格ミステリーの面白さ気付かせてくれた、まさに恩人とも言えるような作品です。
ちなみに、この作品から始まる「館シリーズ」の中では、5作目の『時計館の殺人』が一番好きです。
打率10割。伊坂幸太郎、森見登美彦
伊坂幸太郎さんと森見登美彦さんは、読む本読む本すべてが面白く、人生を通して全作品を集めようと決めている作家さんです。
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![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/47411530/picture_pc_8c9f2d84d76f9d3fb92bd833371dd005.png?width=800)
まず伊坂幸太郎さんですが、初めて手に取った作品はたしか『ラッシュライフ』でした。一瞬で心を鷲掴みにされたことを覚えています。
それから『オーデュボンの祈り』、『アヒルと鴨のコインロッカー』など、軽快かつ巧妙に作り込まれた世界観に魅了されていきました。
同時期に、森見登美彦さんの『夜は短し歩けよ乙女』を読み、これまた一気に引き込まれました。
賑やかで色彩豊かな、想像力(妄想力?)爆発の世界観。『四畳半神話大系』、『有頂天家族』と、こちらもガンガン読んでいきました。
このお二方の作品の共通点は、どう頑張っても途中で読むのを止められず、最後まで一気読みしてしまうところです。
基本的にいくつかの本を併読しながら、休み休み読み進めていくことが多い中、このお二方の作品に限っては、他の作品が目に入ってこないほど夢中になります。
とにかく外れがないので、このお二方の作品は出たら無条件で買い、すべてを手元に置いておこうと心に決めています。
本作を読んで海外へ。沢木耕太郎『深夜特急』
沢木耕太郎さんの『深夜特急』は、私が海外に興味を持つきっかけになった作品です。
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私は大学3年生の時に、1年ほど海外留学をしていました。そもそも私が「海外って面白そう」と興味を持ち始めたのは、この作品に出会ったことがきっかけでした。
それまで紀行文というジャンルの本を読んだことがなかったので、全く新しい面白さを知ると同時に、「これが実話をもとにした話なのか……」と震えました。
私は旅行でも留学でも、海外に行くときは、事前に必ずこの作品を読むようにしています。もちろん全編通して読むと長いので、お気に入りの箇所を中心に、一部分だけかいつまんで目を通します。
とは言っても、現地で実際に沢木さんのように自由奔放に行動するというわけではありません。むしろ私は、フレンドリーに人と接したり、危なそうな場所に足を踏み入れたりするのは苦手です。
しかしこの作品を読むと、海外で見聞きする情報をキャッチする、アンテナの感度が上がる気がするのです。
多少理不尽なことがあっても、『深夜特急』を思い浮かべると、「まあこれも経験か」と割り切れたりするから不思議です。
最近のイチオシ。本多孝好『MOMENT』、『WILL』
最後に、比較的最近読んだ本の中で、読書遍歴に加えるとしたら何かと考えたところ、本多孝好さんの『MOMENT』と『WILL』が思い当たりました。
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![画像6](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/47411590/picture_pc_ff727b6cf01cb4278f680a66e03cbc49.png?width=800)
私はこれらの作品で本多孝好さんに出会い、それからいくつかの作品を読んで、伊坂幸太郎さんや森見登美彦さんと同じように、全作品集めることを決めました。
本多さんの小説は、少し変わった設定のものが多いのですが、どれもテンポが良く、そしてしっかり読者の日常に寄り添い、「ちょっと」心を温めてくれます。
個人的に、この「ちょっと」というのが好きなのだと思います。押しつけがましさがなく、あくまでさらっと、マッチにポッと火を灯すような優しさを感じます。
特に『WILL』という作品のラストは、今まで読んできたあらゆる作品の中でも、トップクラスで好きです。伊坂幸太郎さんの『バイバイ、ブラックバード』のラストと並ぶ、自分の中のツートップです。
『MOMENT』と『WILL』は、2つ合わせて1つの作品のようになっています。『WILL』を読むのであれば、やはりまず『MOMENT』から読むのがおすすめです。
さて、ここまで私の読書遍歴について、好き勝手に語らせていただきました。気になる作品はありましたでしょうか。
こうして振り返ると、読書好きの方なら一度は読んでいるような、有名な作品が多いですね。
やはり有名な作品には、有名たる所以、それこそ人生に影響を及ぼすようなパワーがあるということでしょう。
皆さんもぜひ、一度ご自身の読書遍歴を振り返ってみてください。きっと楽しいですよ!
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