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【読書遍歴】読書は、歴史だ。 〜前編〜
みなさん、こんばんは。
むささびです。
その人がどんな本を読んできたのか、その歴史を振り返ったものが、「読書遍歴」。
読書遍歴には、その人の人柄や価値観、現在に至るまでの知の歩みが表れると思います。
今回は私の読書遍歴について、特に自分に大きな影響を及ぼした作品に絞って、お話ししようと思います。
Twitterの読書アカウントでも読書遍歴をちまちまと投稿しており、そのまとめ記事にもなっています。
私の原点。川口雅幸『虹色ほたる』
川口雅幸さんの『虹色ほたる』は、間違いなく、私の読書の原点と言える作品です。
![画像1](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/47411299/picture_pc_82523844f12a3cad65bcccad727cb79b.png?width=800)
当時小学生だった私は、親に買ってもらったこの本を読み、生まれて初めて「本を読んで涙を流す」という経験をしました。
終盤は、布団を頭からかぶって泣きながら読み進めていたことを、今でも覚えています。
もちろんそれまでも本を読んだ経験はありましたが、感動に胸を打たれ、「読書ってすごい!」と心から実感したのは、この作品を読んだときが最初だったと思います。
この単行本は今も大切に保管して、節目節目で読み返しています。たぶん、一生手放せないです。
皆さんは、自分の読書遍歴の1ページ目に載せる作品として、何を思い浮かべますでしょうか。
長い冒険の旅。宮部みゆき『ブレイブ・ストーリー』
宮部みゆきさんの『ブレイブ・ストーリー』は、長い本をなかなか最後まで読み切ることができなかった私が、初めて最後まで読み切れた長編作品です。
![画像2](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/47411389/picture_pc_f805dfbf0ba9f394d338b07643ad333f.png?width=800)
この作品は、文庫版で上・中・下巻の3冊に分かれており、合計1400ページ以上ある、長編のファンタジー小説です。
当時小学生だった私は、この作品のアニメ映画にドハマりし(DSのゲームも買いました)、その影響で小説も買ってもらいました。
完全に想定外の長さにたじろぎながらも、恐る恐る読み始め、ゆっくりと時間をかけてページを進めていきました。
とにかく集中力がなく、長い本を最後まで読み終えることができない私でしたが、なんとか粘って、最後まで読み切ることができました。
そのときに感じた、まるで長い冒険の旅から帰還したような、なんとも誇らしい達成感を、今でもよく覚えています。
私が本を読む理由。夏川草介『神様のカルテ』
夏川草介さんの『神様のカルテ』は、「私の趣味は読書です」と、はっきり言い始めるきっかけになった作品です。
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/47411401/picture_pc_78bc17374a41183545ab023154d15cf5.png?width=800)
中学生になった私は、時々本を読むものの、それは単に、いくつかある娯楽の(どちらかと言えば気が進まない)選択肢のひとつ、という位置づけでした。
しかし、私はこの『神様のカルテ』に出会い、久しぶりに「本を読んで感動して泣く」という経験をします。
読み終わったその瞬間から、読書は私の趣味になっていました。この作品をきっかけにして、私の読書量はだんだんと増えていきます。
この作品のおかげで、「こういう素敵な本との出会いがあるから、私は本を読むのだ」という、「本を読む理由」を見つけられたように思います。
櫻井翔くんと宮崎あおいさんがキャストを務める、映画版も大好きでした。
ミステリーとの遭遇。西澤保彦『七回死んだ男』
西澤保彦さんの『七回死んだ男』は、私が覚えている限りで、最初に読んだミステリー小説です。
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我が家に昔からあった本で、いつ読んだのか記憶が定かではありませんが、おそらく私にとってこの作品が、初のミステリーだったと思います。
初めてのミステリーなのに、「ミステリー×タイムリープ」ものという、SFが融合した変化球作品でした。
まさに未知との遭遇。当時はこの作品が怖すぎて、夜トイレに行くときに、暗がりに殺人者が潜んでいるのではないかとビクビクしていました。
私が本格的にミステリーにハマるのは、この後に綾辻行人さんの『十角館の殺人』を読んでからですが、私にミステリーとは何かを教えてくれたのは、西澤保彦さんでした。
フィクションの世界へ。米澤穂信『氷菓』
米澤穂信さんの『氷菓』から始まる「古典部シリーズ」は、高校生の私に色々な影響を与えた作品です。
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まず、この作品がアニメ化されたのをきっかけに、アニメの世界にハマりました。
今でも、私が一番好きなアニメは「氷菓」です。特に最終回「遠回りする雛」が大好きです。
また、生まれて初めて、意識的に「物語の続きを自分で考えて書く」ということをしたのも、この作品でした。
シリーズものだったことが大きいと思いますが、物語が終わってしまうのが寂しくて、「作中でクローズアップされていないところではこんな会話劇が……」などということを考え、創作してみたりしました。
すぐに自分の才能の無さに呆れてやめてしまいましたが、今でも読書後に頭の中で、物語の「余白」の部分をよく想像したりします。
『氷菓』は、私が初めて、こちら側からフィクションの世界に手を伸ばそうとした作品だったのかもしれません。
さて、このあたりで前編は終わりにしようと思います。
高校を卒業し大学に進んだむささびは、どんな本を読むのか。後編に続きます!
こちらは、前回の記事です。もしよろしければ、こちらも読んでみてください。
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