イタリア旅。 |カーニバルを観に行こう! 〜ヴェネツィア旅 前編〜
小学生の頃、劇場版ポケットモンスター作品「水の都の護神 ラティオスとラティアス」が大好きだった。
アルトマーレという街を舞台に、サトシとピカチュウが謎の少女を追いかけるシーンがあり、特にそこがお気に入りで、何度も繰り返し観た。
このアルトマーレ、実はイタリアのヴェネツィアがモデルになっている。私のイタリアに対する憧れは、思えばこのときに芽生え始めたのかもしれない。
今回は、北イタリアの人気観光地のひとつ、ヴェネツィアを旅したときのことを書く。
旅の主題は、世界三大カーニバルのひとつ、ヴェネツィア・カーニバルのショーを観ること。
キリリとした寒空に、思わず身を震わす2月末。水の都・ヴェネツィアは、年に1度の祭典の、独特な熱気に包まれていた。
ヴェネツィアを旅する。
ヴェネツィア・カーニバル
イタリア北東部・ヴェネト州に位置するヴェネツィアは、ボローニャから電車で2時間ほどで行くことができる。
ヴェネツィア本島の玄関口、ヴェネツィア・サンタ・ルチーア駅に到着。
2年前にも一度ヴェネツィアを訪れたことがあり、主要な観光名所は、そのときにひと通り見て回っていた。
そのため友人と合流すると、すぐさまカーニバルショーの舞台があるサン・マルコ広場へ一直線に移動。
最短距離でサン・マルコ広場に到着。たくさんの観光客と、それに負けないくらいたくさんの鳩で、大賑わいである。
よく見ると、写真中央に茶色っぽいステージが設置されているのがわかる。ここがカーニバルショーの舞台のようだ。
ヴェネツィア・カーニバルの歴史は、遥か12世紀にまで遡るらしい。
今のようにイタリア半島が統一されておらず、いくつもの小国が林立していた時代。周辺国との抗争に勝利したヴェネツィア共和国の人々が、広場で勝利の踊りを舞ったことが起源と言われている。
長い歴史の中で一度は廃れたヴェネツィア・カーニバルだったが、近年ヴェネツィアを代表するイベントとして復活。世界中の人々を魅了している。
今のところ、カーニバルの仮装をしている人は見当たらない……開始までまだ時間があるようだったので、近辺を散策することに。
冬のヴェネツィアには珍しく、この日は快晴。サン・マルコ大聖堂の白と空の青の組み合わせが、非常に美しかった。
世界最古のカフェといわれる「カフェ・フロリアン」を訪れたが、やはり長蛇の列。店に入る頃にはカーニバルが始まりそうだったため、断念。
カモメを撮影して遊んでいるうちに、いつの間にかショーの開始時刻に。サン・マルコ広場の特設ステージで、遂にヴェネツィア・カーニバルが幕を開けた。
圧巻の仮装コンテスト
サン・マルコ大聖堂が見下ろす中、広場の中央部に敷かれたレッドカーペットに、ショーの参加者が次々登場してくる。
どの参加者も、色鮮やかで楽しい装いだ。まずはオープニングアクト。
カーニバルらしい陽気な歌と踊りで、カーニバルショーがスタート。観客のボルテージはどんどん高まっていく。
ショーのメインは、一般の観光客による仮装コンテスト。
カーニバルの仮装をしてヴェネツィアを訪れた観光客たちが集結し、各々自慢の仮装を披露し合って、その中から1位を決めるのだ。
どの参加者も、一般客とはとても信じ難いような手の込んだ衣装を身に纏い、ステージを華やかに彩っていた。
皆ヴェネツィア・カーニバルのために、1年かけて衣装を手作りしているのだそう。正直ヴェネツィアに来る前は、「カーニバル用の仮面を被る程度では?」と思い込んでいた私は、あまりのクオリティの高さに驚くばかりだった。
トップバッターで登場し、私のカーニバルに対する印象を180°ひっくり返したのが、この方。
衣装の装飾の細かさと、全体としての迫力が半端ない。出てきたとき、めちゃくちゃ笑いました。イタリア版の小林幸子。これがヴェネツィア・カーニバルか!!
その後も、個性豊かな仮装の参加者が続々登場。
コンテストに参加した理由や、衣装の制作秘話などがひとりひとり語られ、全く飽きない。全員気合い入りまくりだ。
参加者によって、仮装のコンセプトや色遣い、アピールポイントなどが全然違う。ひとくちにカーニバルの仮装と言っても、こんなに幅広いものなのか……と唸る。
個性的な仮装同士のぶつかり合いを楽しむことができ、非常に良いコンテストだった。
そして、コンテストの優勝者は、紫の衣装に身を包んだこちらのペア。優勝も納得のクオリティである。
しかしながら、個人的な優勝は、やはりトップバッターのこの方。左手に持っているちっちゃい人形劇の舞台みたいなやつ、すごすぎる笑。小宇宙?
ショーを2時間ほど堪能した後は、リアルト橋からほど近い「Trattoria alla Madonna」というお店でランチ。
イカスミパスタと、魚介のフリットの盛り合わせをいただく。ヴェネツィアに来たらぜひとも食べてほしい、絶品の海鮮料理だ。
さてさて、今回のヴェネツィア旅、後編に続きます。
後編では、本島から水上バスに乗って行ける離島、ムラーノ島・ブラーノ島の旅をお届け。お楽しみに!
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