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ヨシダナギの写真集を売る人、買った人。

 最初のnoteに書いた『ピダハン』読んでたから、その頃はなんか少数民族に興味あるモードだったんだろうな。

 なんのこっちゃと思うだろうけど、ちょうど『ピダハン』読んでた時に、新宿の紀伊國屋書店でヨシダナギの写真集を大々的に打ち出しているところに遭遇。決して安い本ではないのだけど、なんか目にとまり、紀伊國屋書店限定の表紙バージョン作ってたり、サイン入りのものも売っていたり。とにかく、売る方の熱意が尋常じゃない感じって言うのかな、そう言うのがビシビシ伝わってきた。

 あの熱意はなんだったんだろう。でもその熱に当てられたとしか言いようがないんだけど、なんかもう勢いで買ってた。長女と児童書買いに行っただけなんだけど、帰りがけにもう思いがけずに。

 その後合流した妻の視線は少し冷たかった気がするけど、写真集を見て、西武の写真展に行き、思いがけずに訪れたヨシダナギブーム。なんで今さら?と言われてもたまたまそう言うタイミングだったんだろうな。でも足を止め、買うつもりもなかったものをなんか買ってしまったその原動力は紀伊國屋書店店頭の熱意としか言いようがない。

 そもそも1万円以上する写真集を店頭入り口の超目立つところで大規模展開していること自体、異様だ。本来その場所は、どこの本屋でも置いていて、売れている本たちの場所だから。あぁ、今こう言う本が売れているのね、と言うスペースであり、書店にちょこちょこ通う人間にとっては売れ筋を売る場所でしかないので、知らない本と出会うセレンディピティのような面白さはあまりないコーナーなんだよね、本来は。

 そこで、なぜだか写真集を打ち出している。今時写真集なんて、全然売れないわけです。本来そこに並ぶようジャンルではないんだけど、それが大大大フィーチャーされてる。これはもう版元と書店の熱い共犯以外の何者でもないだろう、と。そこまで熱くさせてるのはなんなの?そこまでさせるこの本を買うしかないじゃないか、自分もその共犯者になりたいって言う思いが購入に至った原因な気がする。

 なんてことを漠然と思っていたら、版元の方が今回のフェアについて書いているnoteを発見。

 270冊!完売!したんだって。そしてその内の1冊買ったのは自分だわ。そしてこの熱い企画の舞台裏、これがまた熱い。この頑張りを知ると本当に買って良かったと思う。そこに共感、感化されて購入に至るようなモノの裏側にある制作秘話的な物語も良いけれど、買った後に自分の購買行動を良かったと思わせてくれる物語ってあるよね。今回のエピソードはまさにそれだな、と。

 この一連の話ってマーケティングの色んな要素が詰め込まれてる。本を買う行動が特別な体験になっていたし、その後その購買体験を補強する物語が購買後の満足度を高めたり。まるで単品通販のダイレクトマーケティングのお手本のような体験を出版業界でするとは思わなかったな。

 まだまだやりようあるんじゃないの、出版、とも思うし、ダイレクトマーケティングのノウハウは出版ていう本業でも色んな形で使えそうだぞ、とか本当にやりたいことやってる感じの企画は強いな、とか、普段感じてることを改めて思った今日この頃なのでした。

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出版社勤務。二児の父。飲みながらひたすら読む日々。読むより買うペースが早い積読人間。本と音楽とお酒とガジェットとゲームとやっぱり本が好き。読書好きと繋がりたい。毎日読書日記。すき押してくれる人に大感謝。

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