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イモムシ化したオトナになりたくなかったら「ウリツカヤ」を読んでおいた方がいい。

ノーベル文学賞、候補者常連の
ロシアの現代文学の第一人者
リュドミラ・ウリツカヤ」は
現代に生きるオトナの未熟さを嘆いて
こう表現している。

成体ではなく「幼形」の段階で
生殖機能が備わり
未成熟の個体が
大人にならないまま
自分と同じような「幼形」を産む

ウリツカヤの書籍から

この社会にいるのは
幼虫たちや
未成熟なものたち。
つまり
オトナのふりをした
未成熟な者たちばかり
だ。

ウリツカヤの書籍から

そう考えて世の中を見てみると
確かに
イモムシがゴロゴロ
のたまっているように見える。

かくいうわたしもまた
イモムシに違いない。

昔のオトナたちは
もっと、オトナだった気がする。

厳しい時代に
イモムシのままでいたら
すぐにやられてしまうからね。


見せかけの平和が
わたしたちを「イモムシ化」
させてしまったのだろうか。

日本は、戦後77年。
戦時を生きた「オトナ達」
徐々に減っていく。

ますます
イモムシ率が高くなることに
不安しか感じないのは
わたしだけだろうか。

ウクライナとロシアの戦争は
未だ終焉を見ない。
それどころか
さらなる長期戦の構えだ。

ロシアに住まうウリツカヤは
今、何を思うのだろうか。


ウリツカヤの物語は
戦争が背景にあるものが多いが
そのストーリーの奥底には
人間が人間らしくある「善」が
脈々と流れている。

日本も世界も
鬱々とした今こそ
多くの人に手に取ってみてほしい。

彼女の紡ぐ愛あるストーリーから
自分の人生を歩むために
本当に大切なことが
読み解けると思う。

最近読んだウリツカヤは
「緑の天幕」。
分厚いんです。とても。
それで、積読していたのだけど
ようやく勇気を振り絞って
ページを捲りましたら
読了までは早かった。。。
さすが、心のひだを写しとる達人
ウリツカヤです。

あまりの厚みに慄き、積読状態だった緑の天幕。ようやく読んだ。
この分厚さに手が震えたが、読み始めるとあっという間だった。さすがウリツカヤ。


わたしの
ウリツカヤを好きになった
きっかけの一冊は
この「ソーネチカ」。

初ウリツカヤの方に
オススメしたい一冊。

悲しみと幸せが混在しております。


ウリツカヤが
もっと好きになったのが
この「それぞれの少女時代」。

好きになったというか
もう、ウリツカヤ教に入信したいと
思った一冊。


この「女が嘘をつく時」は
6編の短編連作で
一見すると読みやすいのだけど
2度3度読むほどに
味わい深くなるというか
人間についての謎が深まる。

心が苦くなるので、甘いドリンクと一緒にどうぞ。

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