第36話　エゴのことが嫌いなエゴ

（ツインレイプログラムにおいて重要、必読回です）


まおちゃんのブログが更新されていた。
光栄なことにそこには「瀬織津姫の作品を作ってもらいました」とあって、そして少しだけ、カフェでの会話、二人で頭を捻った“セオリツヒメ考”が紹介されていた。
　ところがそれを読んで、私は目を疑ってしまった。

　セオリツヒメが手にした珠。その正体は結局私にはわからずじまいだったのだが、仮説としてあの時私は「宇宙という男性と月という女性による『創造性』なのではないか」、という話を彼女にしていた。


　しかしブログには、「これを作った作家さんによると、この珠の意味は『子供』だそうです」と、その時ひとことも出ていない子供だと『断言』されてしまっていた。

　幸いなことに、切り絵の画像も私の名前も伏せられていたのでどこの誰の発言なのかは匿名で終わったが、自分が言ってないことが言った事実になってしまう、そこに少し恐ろしさを感じた。


　おそらく、男性と女性の創造性というところから子供を『連想』したのだろうけど、ハイヤーセルフに意識を合わせて、且つエゴを視る練習をしている私からしたら、こう『断定』してしまうことは危ういと思ったし、個人的には子供という案にも納得がいかなかった。


　実はカフェでまおちゃんは、ツインレイの彼の奥さんの存在をやたらと気にしていた。二人きりではないが彼と一緒にいる最中に、奥さんの意識が生き霊として飛んできたとのことで、いろんな焦りが出たのだという。
　それまで談笑していた彼も、奥さんの意識に気づいた途端そこから黙ってしまったとか。その夫婦の間にはまだ子供がいないということを、まおちゃんは噛みしめるように話していた。
　そこに合わせて、今の旦那さんへのたくさんの不満も抑えられなくなっていて、旦那さんとはいずれ別れたいともこぼしていた。ツインレイの彼との間に奥さんより先に子供が欲しいという願望が、ブログの間から滲み出ていた。




　そこからしばらく間が空いて、年が明け、学校の冬休みも終わり、再び私とまおちゃんは都内で会った。
　相変わらず私がエゴの観察をしていると告げると、今回は明らかに「えー？ひみちゃんまだエゴやってるの？いい加減好きだね。」と呆れ顔をされたが、それでも新宿区にある神社をめぐり、たくさんのシンクロに出迎えられ、天界からのメッセージに「言葉遊びだね」と二人で笑い合った。

　それなのに。

　まおちゃんのブログには、私と新宿に出かけたことこそ書いてなかったが、
「私はエゴは嫌いです。」
「私は言葉遊びがしたいわけではありません。」
と、内容からして私への抗議がはっきりと書かれていた。

『エゴが嫌い』というまおちゃんが、エゴを視ることを怖がっていることがわかった。
　奥さんより先に子供が欲しいとの想いを奥底に湛えたまおちゃんが、奥さんの生き霊を敵視していることがわかった。
　それらはまおちゃん自身の問題なのに、私に攻撃をすることで自分を誤魔化し、防御していることがわかった。

　まおちゃんに対して、過去世からの深い愛情を感じていたのだけど、これ以上自分を彼女のサンドバッグにするつもりもなかった。
　悲しいことだったけど、自分から連絡をするのをやめたのに、彼女から連絡が来ることももうなかった。


　いつだったかみた夢。車から一人降り二人降り、とうとうまおちゃんも降りていった。私だけが後部座席に残り、運転手不在のままそれでも車は走り続けた。

　雪解けを待たず正夢になり、季節はそのまま春になった。


written by ひみ

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実話を元にした小説になっています。
ツインレイに出会う前、出会いからサイレント期間、そして統合のその先へ。
ハイパーサイキックと化したひみの私小説（笑）、ぜひお楽しみください。

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「常に自分が正しい」ということを証明したいエゴは、他人を攻撃することで身を守ってる。

そしてその攻撃の下では、いつボロが出ないかと
戦々恐々としてる。
自分が間違っているという事実を恐れてるので、
そこに触れられそうだと思った途端に噛み付いてくる。

厄介で面倒くさくてかわいい奴。

ちゃんとケアしてあげようね。

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