まっしろコットン

滋賀県に住んでいる普通の人です。 自分で自分を普通と言う人は、もしかすると普通じゃない…

まっしろコットン

滋賀県に住んでいる普通の人です。 自分で自分を普通と言う人は、もしかすると普通じゃないのかもしれませんが、たぶんふたを開けてものぞきこんでも普通の人です。

最近の記事

神命讃歌

名もなき花ゆれる愛おしきふるさと 風ぬける水面に笑い声こだまする 神々の歩みを抱きしめる深山よ 祭りの火は誘う 求めあう恋の歌 過ぎる月日の波に 砕け散った夢たちが 祈りのなかに 姿あらわす 悲しみをこえ つがう喜び 触れあう手と手の調べ 歌い奏でよう 言の葉結び 魂つなぐ夢の道 名もなき草花 慈しみ名づけた 山河を我らの愛が満たしゆく 歌い出せ 野山よ 風よ 水の流れよ 虫よ 小鳥たちよ 花よ 獣たちよ 体ふるえて 想いゆさぶり 魂にひびくよ 時がはじまり 命

    • 今ここから

      諦めるのは性に合わない 試合に負けて勝負に勝てと 言われるけれど 失いたくない 奪うのも嫌 でも勝ちたい 成し遂げたい 矛盾は己の内に 夢は遠いほうがいいと思っていた 希望は大きなほうが素晴らしいと だから追い求めた そして知った 遠い夢が美しいのは 果てしない困難の向こうにあるから 大きな希望が素晴らしいのは 作るのも保つのも難しいから ひとつだけ諦めよう 自分に決して優しくなかった 誰かのための夢を 諦めたくないのは 今の自分 ここにあるすべて 今がどんな今

      • 透明なスギの木

        そのスギの木は目に見えない 透明な樹液 透明な琥珀 透明な葉に 透明な樹皮 根までが透き通る 水晶より透明な木 聖夜に音もなく積もる雪だけが その姿を見せてくれる たったひとつの薄衣 透明な針葉は夜に刺さり いつまでも抜けず 朝になっても凍ったまま 溶けず 胞子は大気を磨くように 鋭いまま風に乗り 海へと流れて ひっそりと雲にまぎれこむ そしてあの白い薄衣に変わって 聖夜の森に帰ってくる 恐ろしく澄みきったスギの巨木に きらめく雪が降り積もる

        • 羽虫の流れ

          昼さがりのせせらぎ 風のない温かな午後 光を浴びてまたたく 小さな虫たちの薄い透き羽 ひとすじ風が流れ 透明な波とたわむれるように 虫たちの羽はさざめく 光が乱舞し あたりは瞬間 星をまいたようにきらめいて やがてまた もとの静けさにもどる 音さえもまどろむ昼さがり 陽光に小さな羽が舞い遊ぶ

          スタートライン

          正解探しをするのはやめよう どんな間違いもやり直せるのなら 願いを言葉にするのもやめよう 大切なことは決して忘れたりしない 鳥のようになりたい それは言葉通りの意味じゃない 行きたいところがあるということ 重力は質量に比例する 大きくなればなるほど ひずみ歪みねじ曲がる それならもっと引き寄せて 宇宙全体をあなたのもとに 夢も願いも正解も間違いも 諸共に 光は決して後戻りしない 変わらない闇を突き抜ける 夢も願いもすべては光 それは輝く方向性 分厚い闇の層は 私たちを

          スタートライン

          ネームド

          深く傷ついて 不機嫌になったあなたが 私にそれを投げつけても 一緒に転ぶだけでしょう? 誰だって知っている 傷と絆の違いは一文字 さあ その名を見出して 始めは誰も名を持たない 愛があなたを名づける? 否 名前は刻まれた特別な傷 あなたの怒りが 不機嫌が 不満が あなたに告げている あなたの傷にふさわしい名を 人は神様に頼む お願い 私をもっと強くして 美しく 輝かしく 磨きあげて あなたが得た痛みはサイン あなただけに意味を持つ言語 原石を削り 無数の傷で磨かれて

          ジャッジメント

          正義は疑う心 このままでいいのかと 幸福の反対 それが正義 疑うことで壊れてゆく 居心地のいい世界が それでも叫ぶ 魂が これでいいのかと 生命はとてもやわらかい 命を包む膜は薄い 心は危険を察知する けれど 疑いは魂に刺さる 一度見えたら二度と消せない 光は容赦ないメッセンジャー 正義はノーと言う勇気

          サンバースト

          心なんていらない 夢のさまたげになるなら わたしだけの幸せなら 何を願う必要もない 足りない そう思うのはいつも 振り返ったとき どうして 光はわたしをつれてゆくの 心はいつでも わたしを幸せにしようとする だけどわたしは欲しいの もっと強く美しい光が この身を焼くような 心を焦がすような 巨大な太陽に手を触れるような 圧倒的な希望が 心なんていらない わたしを引き止めるのなら 夢の熱さに怯えて たちすくむわたしに 優しさをあたえないで わたしは行くのよ 誰も見たこ

          黄金の砂

          心は黄金の砂 どんなに深く旗を立てても さらさらさらと崩れ去る 風に舞い散る心のかけら 願いを大きくひろげて 受けとめよう 夢が曇ることを 恐れないで ときには涙が 心の砂を吸い寄せてくれるから 感動の水脈を求めて 蜃気楼の向こう側へ

          モノローグオンステージ

          君には見えているかい 言葉の裏側が 鋭さの裏には優しさが 優しさの裏には悲しみが 必ず隠れているように 言葉の裏側では心が いつも脈打っている 欲望も願いも 綺麗も汚いも ただ目に見えるだけの幻さ 触れれば雪のように溶けてゆくよ 光だけが最後に残る 心は脈打つ光 言葉の衣装をまとって 舞台の上で勇敢に踊る 言葉の裏側で 脈打つ光で スポットライトを熱くさせて 動きにくければ一枚脱いで 客席に投げるのもいい 目に見えるだけの幻に どうしても一喜一憂してしまう 仕様の

          モノローグオンステージ

          Stories of the ocean

          溺れているんだ 海のようなストーリー Into stories of the ocean I trust me 東へ西へ 北へ南へ 旅する物語 ふれあう思い出たち 千の言葉を 千の色を 千の宴をつないで さあ さあ さあ 夢の海へ 深く潜るクジラのように 歌を求めて どこまでも泳ぐ 旅する世界 ふれあう魂の香り 千の波を 千の丘を 千の谷間を越えて まだ まだ まだ 輝くものを追い求めて 泥のなかから立ち上がる ある日気づいたんだ 物語の真ん中に 立っているって 握りし

          砂漠の雪のレモンティー

          レモンティーから 砂漠の陽炎 貝より白い熱砂にゆらめく 波模様を描いて流される 陽ざしの潮の底で かすかに揺らいで 結晶する 砂漠の雪が 舞い踊る陽炎が 黄金の果実を たっぷりと満たして 滴り落ちる 一滴のレモンから 立ち昇る陽炎

          砂漠の雪のレモンティー

          秋の真ん中

          やわらかな雲に 硬質の空 あたりに満ちる虫の音色 秋の真ん中を ふと見あげている 交差点の真ん中

          風にさらわれた置き手紙

          風が吹いてきたのです わたしの翼はゆっくりとひらきました 体が 大地をはなれてゆきました 見慣れた光景が 遠のいてゆきました 慣れ親しんできたものたちが みんなが こちらを見あげて 手を振っていました 体がほんとうに浮きあがって 風に乗るか反るかの刹那 心をよぎったのは 紙で薄く切ったような孤独でした もう戻れない そう思いました 風は決して 後ろに進みませんから 行き着くところまで 行ってみようと思います さようなら さようなら 決意にも覚悟にも いまだ染まりきら

          風にさらわれた置き手紙

          夜の鍵

          夜のいちばん深いところにある 小さな小さな金の箱 こゆびほどの木の鍵で 懐かしい音をたてて開く くりかえし見た夜明けの空 誰かが夜の底のどこかで かすかな祈りを歌いながら しずかに鍵をさしこんだ 夜の反対側では 誰かが秘密をそっととりだし 箱の中にきれいに詰めて そっと鍵をかけている 鍵がどこかで開くたび 秘密は羽化して風になる 風は東の空へと翔ける 星のように見えなくなる かすかな祈りに呼ばれるように 朝日がゆっくり昇ってくる 夜の底は暗いまま 金の箱が無数にきらめ

          惰性の法則

          夢を押し開く腕は いつもしびれている 疲れに気づかないように 片目をつぶって遠くを見る 明日を切り開く力は いつもほんのわずかな惰性 諦めたつもりだったのに 気づいたら続けていた努力 少しずつ少しずつ 開いてゆく扉の奥から 圧倒的な光が注ぎ込まれ 思わず目を閉じてしまう 立ち止まったつもりだったのに 気づいたら進んでしまっていた 未知の未踏の領域に 途方に暮れながら足を踏み入れる 太陽も月も惑星も時計の針も じわりじわりと驚異的に進む 続けることだけが推進力 後退すら