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医療 製薬業界|1週間の注目記事(1/24-1/31)

クリニファー株式会社でインターンシップをしている大学院生のオダニと申します。
今回は1月の1週間で、私が興味を持った注目記事を共有します。コメントやアドバイス等ありましたら、ぜひお願いいたします!

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大鵬薬品とNTTデータ “がん治療”と“仕事”の両立に関する教育サービス「アリルジュ」の販売開始

ミクスオンライン(2024年1月26日)https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=75988

大鵬薬品は、NTTデータが展開するクラウド型健康管理システム「Health Data Bank」を導入している企業及びその社員向けに、“がんの治療”と“仕事”の両立に関する教育用ポータルサイト「アリルジュ」の販売を開始したと発表した。抗がん剤を50年以上開発し、がんの治療と仕事の両立支援にも取り組んできた大鵬薬品の経験やノウハウを提供するようなコンテンツとなっている。

大鵬薬品は大塚ホールディングスの子会社である。経口抗がん剤の開発に特に強みを持つ製薬企業であり、「ロンサーフ」が有名です(大塚HDの企業分析記事)。がん治療法は外科的手術や放射線治療、点滴による抗がん剤の投与などが一般的ですが、これらは通院や入院が必要であり、仕事との両立が難しいといった課題があります。対して、大鵬薬品が強みを持つ経口抗がん剤は、自宅で服用できるため通院回数が少なく、仕事との両立が比較的実現しやすいといったメリットがあります。このように、大鵬薬品はがん患者の日常に寄り添い、がんになる以前の生活を継続できるような医薬品の開発や取り組みに力を入れている企業であるという特徴があります。このような背景で開発された、“がんの治療”と“仕事”の両立支援サイト「アリルジュ」は、がん患者向けに仕事を継続するために必要なポイントを解説するだけでなく、人事担当者・上司・同僚向けにもシーンごとの支援ポイントを動画で解説し、全社員が“がんの治療”と“仕事”の両立への理解を得られるようなコンテンツになっています。このように、がんになっても働き続けるための支援サービスがあることや、それを提供する大鵬薬品に改めて興味を抱きました。

生成AI製品「Scopus AI」販売 論文から迅速かつ正確に情報入手が可能に

ミクスオンライン(2024年1月26日) https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=75989

世界最大級の医学・科学コンテンツを有するエルゼビア社(本社・オランダ)は1月25日、生成AI製品の「Scopus AI」の発売を開始したと発表した。Scopus AIを用いることで、研究者や研究機関は2万7000誌以上の学術ジャーナル、18億以上の引用文献の中から必要な情報だけを迅速かつ正確に入手することができる。

Scopus AIはぜひとも利用したいサービスです。特に大学生を含めた研究者にとって、生成AIを用いた論文検索サイトはなくてはならないものになると考えています。私自身、大学院での研究活動において、実験手法を考えたり、実験で得た結果を評価したりするときにネットで論文を検索していました。また、自身の論文を執筆するときにも引用する文献をネットから探していました。しかし、ネット上には全世界の大量の論文が存在しており、その中から自力で必要な情報だけ探す必要があるので、時間がかかってしまい、論文執筆や研究活動に支障が出ることが多々ありました。そこで、Scopus AIを用いればAIが必要な情報を瞬時にかつ正確に探して表示してくれるので、論文検索に要する時間が圧倒的に削減されると考えています。これにより、実験に充てられる時間が増えたり質の高い論文を執筆できたりと研究レベルも一気に向上すると考えています。昨年、中外製薬や小野薬品工業など、大手製薬企業の生成AIを活用した業務効率化に向けた動きが活発にみられました(関連記事)。従って、生成AIを用いた論文検索サイトの導入も一気に進むと考えています。

28年医薬品市場予測 日本はマイナスまたは低成長

ミクスオンライン(2024年1月31日)https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=76023

IQVIA INSTITUTEは、日本の医療用医薬品の市場規模における、2024年~28年の5年間の年平均成長率はマイナス2%~プラス1%になると予測した。世界全体の5年間の年平均成長率はプラス6~9%。国別では米国がプラス6~9%、西欧がプラス4~7%になる見通し。

日本の医療用医薬品の市場成長に明かりが見えません。富士経済も日本の医療用医薬品市場の2032年まで10年間の年平均成長率が0.8%にとどまると予測しており、市場成長の見込みがありません(関連記事)。対して、全世界では年平均成長率はプラス6~9%と持続した成長が見込まれており、これと比較すると日本の医療用医薬品市場は国内外の製薬企業にとってあまり魅力的ではないものになっていると考えられます。従って、特に海外の新薬は日本以外のアメリカやEU諸国のほうに流れてしまい、国内のドラッグラグ・ドラッグロスが加速すると考えられます。これは非常に問題で、海外では治せる病気も日本では治せないといった状況になりかねません。日本は歯止めのきかない高齢化による医療費の増加により、国民皆保険が破綻しかねないといった課題に直面しており、これを防ぐために薬価を下げて医療費を削減している状況にあります。この状況が続けば、日本の医療用医薬品市場は成長せず、革新的な新薬も海外から入ってこない状況に陥ると危惧しています。難しい問題ですが、これを何とかするのが政府の役割だと思いますので、国内の創薬基盤の構築に力を入れる姿勢を見せるだけでなく(関連記事)、医療用医薬品市場を成長に転じさせ、海外のから見ても魅力的な市場に見えるような施策を打ち立ててほしいと思います。


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