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医療 製薬業界|12月の月間注目記事

クリニファー株式会社でインターンシップをしている大学院生のオダニと申します。
今回は12月の一か月間で、私が興味を持った注目記事を共有します。コメントやアドバイス等ありましたら、ぜひお願いいたします!

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CAR-T細胞療法・アベクマが一変承認 再発・難治性多発性骨髄腫の治療で

ミクスOnline(2023年12月7日)https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=75785

厚生労働省は12月6日、ブリストル マイヤーズ スクイブ(BMS)のCAR-T細胞療法・アベクマ点滴静注について、2つ以上の前治療歴を有する再発又は難治性の多発性骨髄腫(MM)に係る一変承認を行った。

CAR-T細胞は、その世界市場は2028年に約167億ドル(約2兆3380億円)に達すると予測されている(2022年度は27億ドル)次世代がん治療薬の1つであり、ブリストルのほかにノバルティスやギリアド、ロシュなどの世界的な大企業がその開発に力を入れています。日本のベンチャー企業では、ノイルイミューンバイオテックが自家のCAR-T細胞の開発に取り組んでおり、中外製薬と提携しています。

しかし、CAR-T細胞療法には「サイトカインストーム」という全身の強い炎症症状を引き起こす副作用があり、過剰になると全身の臓器を攻撃してしまうといった問題があります。CAR-T細胞療法に関しては、今後も注視していく必要があると考えています。

レカネマブが薬価収載 20日に販売へ

ミクスOnline(2023年12月13日)https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=75813

中医協総会は12月13日、アルツハイマー病治療薬「レカネマブ」の薬価収載を了承し、これを受けてエーザイは12月20日に同剤を発売すると発表した。薬価は、200mg2mL1瓶4万5777円、500mg5mL1瓶が11万4443円。

「レカネマブ」はアルツハイマー病を治す薬ではなく、アルツハイマー病による軽度認知障害及び軽度の認知症の進行を抑制する薬であるという点に留意する必要があります。その効能は18か月間、2週間に1回の投与で約27%進行を遅らせるといったものです。これは「プラセボ群に比べて病状の進行を7か月半遅らせることに相当する」とエーザイは説明しています(エーザイ ニュースリリースより)。また、副作用については17.3%の脳内出血と12.6%の脳浮腫が報告されています(エーザイHP)。

新規抗菌薬「フェトロージャ」 12月20日に薬価収載へ

ミクスOnline(2023年12月14日)https://www.mixonline.jp/tabid55.html?artid=75816

中医協総会は12月13日、塩野義製薬の新規抗菌薬「フェトロージャ」の薬価収載を了承した。同剤はAMR(薬剤耐性)に対する抗菌薬として緊急収載される。薬価は1g1瓶2万203円、1日薬価は12万1218円。

大腸菌や肺炎桿菌、緑膿菌などのAMR(薬剤耐性)は人類が直面する世界的な公衆衛生上の脅威のひとつであり、特に発展途上国で脅威になっています。「フェトロージャ」は薬剤耐性を持ってしまった大腸菌などの菌に対して抗菌作用を発揮する薬で、塩野義製薬はSobi社と販売契約を結び、特に耐性菌が広がっている中東欧の13か国に「フェトロージャ」を販売する予定です。

小野薬品 AIを用いた抗体設計技術活用に向け、米バイオ・EVQLV社と提携

日刊薬業(2023年12月19日)https://nk.jiho.jp/article/186403

小野薬品は19日、AIを活用した抗体設計技術を有する米EVQLV社との間で、複数の標的に対する抗体を創製する創薬提携契約を結んだと発表した。EVQLV社が候補抗体の配列情報を生成し、小野薬品はそれに基づいて創薬や開発、商業化に取り組むとしている。

医薬品の研究開発のプロセスにAIを活用した「AI創薬」が近年注目されています。特に中外製薬がAI創薬や生成AIなど、AIを用いた業務効率化に力を入れており、製薬業界全体から非常に注目されています(中外製薬 企業CM「Innovation Lab/AI創薬」篇関連記事)。
業界内では、小野薬品もAI活用に積極的であり、2023年6月からグループ全体で生成AI「OnoAIChat」を本格的に活用しています(関連記事)。今回の米EVQLV社との創薬提携契約によって、小野薬品もAI創薬に力を入れていく姿勢であると考えられ、今後の更なる成長が期待されます。

カイゲンファーマが不正製造 39日間の業務停止命令

日刊薬業(2023年12月23日) https://nk.jiho.jp/article/186524

カイゲンファーマは12月22日、大阪府と北海道から12月25日~2024年2月1日までの39日間におよぶ業務停止命令と業務改善命令を受けた。承認事項と成分等が異なる医薬品を製造販売したなど薬機法違反と判断される不正が発覚したためである。問題の8品目のうち古いものでは46年間不正が続いていた。

製薬企業の不正発覚が相次いでいます。今年はカイゲンファーマだけでなくジェネリック大手の沢井製薬や日医工なども不正が発覚し、処分を受けています(関連記事1)、(関連記事2)。医薬品に含まれる有効成分などは目に見えないため、外見からは何が入っているか我々消費者は全くわかりません。そのため、企業を信頼して医薬品を購入し、服用するしかないにもかかわらず、今回のように企業側が本来の成分と異なる医薬品を販売していたとなると、不正を行った企業が販売する医薬品だけでなく市場にあるすべての医薬品への疑いが広がってしまいかねません。医薬品は体内に入るものであるため、今回の問題に関連した健康被害は報告されていないとはいえ、絶対に不正は許されないと感じました。



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