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mediVRリハビリテーションセンター福岡のセラピストをご紹介します

2024年7月、mediVRは福岡に国内3ヶ所目の自社リハビリセンターを開設しました。VRリハビリテーション医療機器・mediVRカグラを活用してリハビリを提供し、成果報酬システムを採用するという、ちょっとめずらしい施設です。もしかすると、近隣の方の中には「興味はあるけど、どんな雰囲気なの? どんな人がリハビリを担当するの?」と、やや尻込みしている方もいらっしゃるかもしれません。そこで今回は、mediVRリハビリテーションセンター福岡で働くセラピストの西見信哉と荒木正人のインタビューをお届けします!

西見信哉(にしみ・しんや):作業療法士/福岡センター長(写真左)
1979年石川県出身。福祉系大学を卒業し児童発達支援センターで児童指導員として勤務。そこで医療に魅力を感じセラピストへの道を志す。2007年作業療法士免許を取得。介護老人保健施設、急性期病棟、地域包括ケア病棟、NSTを経験し、2022年医療特化型住宅型有料老人ホームでmediVRカグラの研究に参加。2024年、mediVRリハビリテーションセンター福岡の立ち上げに伴いmediVR入社。

荒木正人(あらき・まさと):作業療法士/福岡副センター長(写真右)
1978年大阪府出身。2004年作業療法士免許取得、市中病院、公立病院勤務を経て2013年より関西電力病院へ勤務。 急性期、回復期、生活期の様々な疾患で作業療法を実践する。2021年に関西電力病院でのmediVRカグラのデモを契機に2022年にmediVR入社。mediVRリハビリテーションセンター大阪に勤務し、臨床活動、営業、学会発表、海外プロモーションなど幅広い業務に従事する。
興味のあるテーマ:高次脳機能障害、運転再開支援プログラム
その他資格:福祉住環境コーディネーター2級、BLSプロバイダー

年収が下がっても大事にしたかったこと

――作業療法士を志した理由を教えてください。

西見:大学を卒業した後、児童指導員として行政の児童発達支援センターで働きはじめました。そこに作業療法士も所属していて、間近で仕事を見ることになったんです。児童指導員はクラス全体を俯瞰的に見るような立ち位置でしたが、作業療法士は子どもたち1人ひとりと密に関わりサポートしていて、自分もそういう仕事がしたいと思いました。

荒木:音楽が好きで音響エンジニアをしていたのですが、不況で先が見えずにいたときに、看護師の母から「作業療法士に向いているんじゃない?」と勧められました。私は昔からプラモデルなど細かなものづくりが好きなのですが、そういった作業が患者さんのリハビリにつながることが感覚的に理解できるだろうし、音楽療法も作業療法に含まれるから、と。自分でも調べてみておもしろそうだと思い、作業療法士の資格を取りました。

――資格取得後十数年、作業療法士として病院や施設に勤めてきたなかで、医療ベンチャーのmediVRに転職したのは何がきっかけだったのでしょうか。

荒木:きっかけとなったのは、勤務していた病院でmediVRカグラのデモが行われたこと。ありとあらゆるリハビリを試したけれどなかなか良くならなかった半側空間無視の患者さんがいたのですが、VRリハビリの後すぐに変化が現れたんです。症状が強く廊下の中央を歩けなかったのに1回でまっすぐ歩けるようになっていて。それまでさまざまな医療機器のデモを見てきましたが、ここまで明確に変化がわかるのは初めてで、「VRリハビリならこれまで治せなかった患者さんを治せるかもしれない」と可能性を感じました。

西見:勤めていた施設でパーキンソン病患者さんに対するVRリハビリの研究をすることになり、私が担当になりました。当時は機序や理屈がまったくわからなかったのですが、VRリハビリを行うと寝たきりの患者さんにも変化が起きるんです。それがとにかく不思議でおもしろいと思いました。

その職場を辞めたのは、シフト制で土日祝や夜間も勤務になることが多く、子どもとの時間がなかなか取れなかったからです。子どもが3人いるのですが、一番上はもうすぐ中学生になります。この数年はコロナ禍であまり出かけたりもできなかったし、一緒に遊んでくれるうちにちゃんと時間をつくりたくて。「なんとかなるだろう」と思って辞めたところ、原先生から「福岡にリハセンターを立ち上げるからうちに来ない?」と声をかけていただきました。

mediVRカグラは、脳梗塞や脳出血後に後遺症が残り自宅に帰れなくなってしまった患者様を多数見てきた循環器内科医の原正彦が、「リハビリにVRを取り入れることで改善できないだろうか」と考え開発したリハビリテーション用医療機器。大学や病院、高齢者福祉施設に導入されています。

――前職よりも給料がだいぶ下がったと聞きますが……。

西見:前の職場は結構待遇が良かったので……。でも、子どもに辞めることを伝えたとき、「やったー、じゃあ休みの日に一緒に遊べるね」と喜ばれたんです。それまでなんにも文句を言わず仕事に送り出してくれていたけど、やっぱり寂しい想いをさせていたんですね。だから、多少年収が下がっても、子どもとの時間を大切にできる職場の方がいいと思いました。mediVRは基本的に土日祝日が休みで、残業も少なく子どもがいる作業療法士や理学療法士も無理なく働ける環境を整えています。そういうところに惹かれました。

それに何より、研究を通してVRリハビリの可能性を肌で感じていましたから。「へたくそな自分でも効果が出せるんだから、優秀なセラピストが使えばもっと患者さんを治せるはず。今後は専門職としてそのポテンシャルを伝えVRリハビリを広めることに挑戦したい」と考え、mediVRへの入社を決めました。

荒木:私は周囲から「いまの病院に勤めていれば安泰なのに、なんで?」と大反対されました。でも、もともと冒険心が強いタイプなので、先が見えることがいいことだと思えなかったんです。それに、もうずっと前から現在の保険診療で行われるリハビリに限界を感じていました。できることは限られているし、結果を出すことをシビアに求められたりもしない。「患者さんからお支払いいただいている医療費に見合う成果を出せていないんじゃないか」と悩んでいました。そこに「リハビリは結果がすべて」と言い切る原先生が来たものだからすっかり感化されてしまって(笑)。40歳を過ぎていたけど、新しいチャレンジをする価値があると思いました。

mediVRカグラは、脳梗塞や脳出血後に後遺症が残り自宅に帰れなくなってしまった患者様を多数見てきた循環器内科医の原正彦が、「リハビリにVRを取り入れることで改善できないだろうか」と考え開発したリハビリテーション用医療機器。大学や病院、高齢者福祉施設に導入されています。

体の機能だけでなく、日々の暮らしや気持ちも変わるリハビリ

――実際にmediVRで働いてみていかがですか?

荒木:病院ではあまり浮き沈みなく平穏な毎日を送っていましたが、mediVRでは嬉しいことと辛いことがどっちもたくさんあります。辛いのは営業がうまくいかないとき。リハビリは基本的に喜ばれるばかりだけど、営業は煙たがられることもあります。その分、メンタルは強くなりましたね。

嬉しいことは、やっぱり患者さんが良くなる姿を見られること。たとえば、mediVRリハビリテーションセンター大阪でずっと担当していた20代の患者さんは、脳出血で入院し医師から「退院後はほぼ寝たきりになるだろう」と言われていたそうですが、公園を自分の足で歩けるようになるまで回復しました。

お父さんもその変化を逐一報告してくれて、「娘は病気になってから落ち込んで無気力になっていたけれど、最近はちゃんと欲求を伝えてくれるようになり、冗談も言うようになった。前を向けるようになったのはVRリハビリのおかげだと思う」と言ってくださって。ご本人やご家族の頑張りがあってこそですが、そんな言葉をかけてもらえて本当に嬉しかったです。体の機能が回復するのはもちろんいいことですが、大事なのは日々の暮らしや気持ちが変わることなんですよね。そういう姿を見ると、すごくやりがいを感じます。

西見:私はもともと福岡に住んでいたので、入社してからずっとmediVRリハビリテーションセンター福岡の立ち上げを行なっていました。だから、まだ“mediVRの作業療法士”としての経験は多くありません。でも、荒木先生が言うように、営業で失敗して悔しがったり、患者さんが良くなってみんなで喜んだり、感情豊かに仕事できる職場だなと感じています。

魅力の多い福岡を堪能中

九州から多くの医師や患者様が見学・治療のためにmediVRリハビリテーションセンター
東京・大阪まで来所してくださっていたことから、福岡に3ヶ所目のリハビリテーションセンターを開設することにしました。

ーー荒木先生はなぜ大阪リハセンターから福岡リハセンターへ移ったのですか?

荒木:ずっと大阪に住んでいたので、関西を出て別のところで暮らしてみたいと思っていたんです。それに、全国や海外でmediVRカグラのデモンストレーションを行うなかで、これまで治療が難しいと思われていた疾患の患者さんを治療しに行けることに楽しさを感じていました。まだ知らない人も多いリハビリなので、新しい土地に行くととても驚かれるし喜ばれますから。

「mediVRが新しい地域や海外に進出するときは手を挙げたい」と思っていたところに、原先生から「福岡行く?」と言われて、「はい」と即答しました。九州は仕事で何度か訪問して好印象を持っていたし、よく「福岡と北海道に転勤したら戻れなくなる」という話を聞いていたので、「間違いなくいいところなんだろうな」という確信がありました。

西見:「しばらくは一人支社だと思ってね」と言われていたので、荒木先生が来てくれると知って本当に心強く感じました。

ドバイで行ったmediVRカグラのデモンストレーション。
ドバイの自由時間。新本(医師、東京リハセンター)、鳥飼(理学療法士、東京リハセンター)、
村川(作業療法士、大阪リハセンター)と。

――福岡の住み心地はいかがですか?

西見:私は合計8年ほど福岡に住んでいますが、なんと言っても福岡は食べ物がおいしいです。野菜も魚もお酒もおいしいし、ふらりと入ったお店もハズレがない。海もあるし山もあるし、豊かですよね。それと、昔から外交が盛んだった地域なので、気質がオープンでおおらか。「福岡が一番!」と思っている人が多いけど、よそものを排除するような雰囲気はありません。屋台に入ると地元の人が気さくに話しかけてくれます。荒木先生はさっそくひとりで飲み歩いて、福岡を堪能していますね(笑)。

(撮影:荒木)

荒木:はい。ほんとになんでもおいしいし、人がいいなと思います。それと、自然が豊かで中心地から近い。山も海も島も極上の風景が広がっていて、気軽に足を運べます。最近カメラを始めたので、福岡の絶景を撮影して回りたいと思っています。

(撮影:荒木)

九州のみなさんに、VRリハビリを知ってもらいたい

――mediVRカグラは九州内8カ所の大学やリハビリテーション病院等に導入されていますね。

荒木:これまで大阪からオンラインでリハビリのサポートをしていましたが、今後はできるだけ訪問したいと思っています。みなさん喜んでくださいますし、現場の話をたくさん聞けるので、こちらもモチベーションが上がります。導入施設のみなさんと連携して、患者さんにより良いリハビリを届けたいです。

西見:九州と一言でまとめても、県によって言葉遣いも文化も大きく異なります。それが九州のおもしろさですね。各県を訪問してネットワークをつくっていきたいです。

――VRリハビリに関心を持ってくださっている患者さんやセラピストの方に向けてメッセージをお願いします。

西見:東京や大阪ではある程度mediVRカグラは知られていますが、九州での知名度はまだまだです。まずはmediVRカグラという機器を、VRリハビリのポテンシャルを知ってもらいたい。その一言に尽きますね。mediVRリハビリテーションセンター福岡は、患者さんやご家族、医師やセラピストのみなさんの見学・体験をいつでもお待ちしています。ご興味があれば、ぜひホームページから問い合わせていただけると幸いです。

荒木:九州には、好奇心が強く遊び心がある方が多い印象です。そういうセラピストはVRリハビリをおもしろがってくれるはず。患者さんを治すひとつの道具として活用していただけると嬉しいです。そして、私はまだこちらに友人が少ないので、作業療法士や理学療法士のみなさんとのつながりができるといいなと思っています。九州のみなさん、よろしくお願いいたします。

7月に行った施設説明会にはベテランセラピストのみなさまが参加してくださり、有意義な
意見交換ができました。お越しくださったみなさま、ありがとうございました!

■mediVRリハビリテーションセンター福岡
福岡県福岡市博多区店屋町1-21 HAKATA TENYAMACHI PLACE 5 階 501 号室
HP:https://www.medivr.jp/rehacenter/
Facebook:https://www.facebook.com/mediVR.media
instagram:https://www.instagram.com/medivr.jp/

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