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MRRだけを追い求め、なかなか軌道にのらない事業、多くあるんじゃないか? という話。特にSaaS/サブスクリプション界隈。

今日とあるミーティングでの話になったんだが。

特にSaaS系で、MRRを追いかけることが多いと思うんだが、サブスクリプションなどのモデルでそれだけを追い求めた結果、コスト高になった部分を回収できるようなプライシングモデルになってしまってるところが多いよね、と。

SaaS/サブスクリプションは、テーラーメイドで顧客にサービスや商品を提供するわけではなく、ある程度パッケージやテンプレ化されたものを提供するので、一見「手離れ」が良く、1アカウントあたりのコストも低くなり、そしてスケールしやすいと思われがちだ。

しかしながら実際は、インサイドセールスだ、カスタマーサクセスだと、実はアカウントごとのLTVやcharnを追うと、非常にコスト高になりやすい。また、獲得のためのマーケティングコストもバカにならない。

そうしたコストを回収するためには、クロスセルやアップセルのためのプロダクトやサービスが必要になる(※)。だが、いかんせん上に書いたような“陥りがち”なサービスやプロダクトの売り方を知らないゆえに、商品設計がクロスセルやアップセルに合うモデルになってない。結果として、コスト(人件費とプロダクトアップデートや顧客対応etc)ばかりが増えて、利益が食われる。

MRRは、アカウント一件あたりの月額売上の積み上げと考えられがちであり、アカウント件数と売れたバージョンの掛け算で計算されてしまう。しかしながら、その背後に潜むコストを算出しておらず、それで「こんなはずではなかった。。。」という事業状況になってしまう。

実際には、サブスクリプションやSaaSであっても、顧客間で共通にリクエストされる部分とカスタマイズが必要な部分が存在し、特に後者については個別の開発が伴うものがあり、これに手を出してしまうととんでもないエンジニアコストがかかってしまい、回収できない人件費(=請求できない人件費)が生まれる。また、他にそのエンジニアリソースを他に回せたはずと考えれば、機会費用=得られたはずの利益の損失が発生していることになる。

苦しんでるSaaS/サブスクリプションモデルの事業体は、得てして似たような状況だろう。

これを抜け出すには、サブスクリプションというパッケージ化・テンプレ化された商材とプライシングモデルにおけるスケール拡大と、個別ニーズに基づくカスタマイゼーションやコンサルティングサービスにて、かかる人件費を回収できるようなサービス体系とプライシングモデルが必要になる。つまりハイブリッド。

こうした、両利きというか、2つのプライシングモデルを前提にして、プロダクトやサービスの設計をせずに、MRRだけを求めるようなVC他からのアドバイスや経営チームやサービス開発チームになっていれば、非常に危険だと思うのだ。

※1アカウントあたりの獲得コストが低くなり、また顧客のトレーニングコストも低くなるので、既存顧客のクロスセルやアップセルは利益が高くなる。


さて、ベンチャーや新規事業などの、サービスやプロダクト開発、プライシングモデルの顧問・コンサル・支援などもやってます。

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(何屋かわからん)。

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