5月12日、私の『人生と愛』について考えてみる。
時間を潰すためだけに、研究室にこもることがある。
これでもかというほどぎっしりと詰まった本棚からは、少々古くさいにおいがする。
この部屋には、かなり年季の入った本ばかりが集められているようだ。
真ん中だけがガラス張りのドアの向こうを気にしつつ、椅子の背にだらっと寄りかかる。
左にある棚になんとなく目をやると、ある本のタイトルが目に飛び込んでくる。
『人生と愛』
エーリッヒ・フロムの著作らしい。
すぐに目を逸らしたけれど「人生と愛」というタイトルがどうしても印象的で頭から離れない。
ふと、執筆を依頼されていた記事が締切間近であることを思い出す。
せっかくなので「人生と愛」について書いてみることにした。
フロムの著作について書くわけではない。第一、読んですらいないので何も書けない。
私は、私の人生と愛について考えてみることにした。
私の人生において、愛とはなにか。
3年前、私が受験生だったころの話だ。
大学受験に向けて勉強をしていた私は、なんとなく孤独を感じながら毎日を過ごしていた。
というのも、当時の模試ではD判定を連発。
周りの同級生たちが楽しそうにおしゃべりをしている休み時間も、ひとり教科書を開いて勉強するという日々が続いていた。
そんな寂しい学校生活の中にも、唯一心から楽しみにしている時間があった。
昼休み。
母がつくってくれたお弁当を食べるときだけは、勉強を忘れて味覚に集中することが許されているような気がしていた。
ごはんが進むおかずをどんと乗せる豪快さと、メニューによらない約束されたおいしさが見事に共存するお弁当。
私は母のつくるお弁当に絶大な信頼を寄せ、お弁当のおいしさにほっと一息つくのだった。
そのお弁当が母の愛そのものであると気づいたのは受験が終わってから。
受験勉強に悩み苦しみ、母に当たってしまうこともあったのにもかかわらず、母は変わらずお弁当をつくり続けてくれた。
それは紛れもなく、母からの愛なのであった。
愛とは、そうして母が与えてくれる絶大な信頼感と安心感だ。
私の人生において、愛とは お弁当だ。
いかがだったでしょうか?
今回は『人生と愛』という本を見つけたことをきっかけに、
母から お弁当というかたちでもらった愛について振り返ってみました。
そんな記事を書いている今日、5月12日は母の日。
記事を書き終えたら、となり町にあるお花屋さんに行こうと思います。
母への贈りものを買いに。
参考:エーリッヒ・フロム『人生と愛』
執筆者:めい
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