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10人インタビュー企画 ①Ventos 〜東京から馴染みのない土地に移住し、ゲストハウス作りに奮闘する2人〜

代表 中山功大(なかやまこうだい)さん
副代表 笠間怜(かさまれん)さん

秋田県にかほ市で地域おこし協力隊として働くVentosの功大さんと怜さん。横岡地域の強みを活かした新しいゲストハウス作りを目指して、日々改修工事や開業準備に取り組んでいます。
馴染みのない土地でゼロからゲストハウスを作っている理由や背景がとても気になったため、インタビューをさせていただくことに。お二人が活動を始めた経緯やにかほ市の魅力についてお話を伺いました。

メディアラボによる「10人インタビュー企画」
〜地方で働く・活動する人々の想いや理由を探る〜
都心では、地方で働くことの良さを知る機会が少ない。でも、「かっこいい」「おもしろい」取り組みは、場所を問わず人を巻き込める魅力がある。
商業施設の少なさや交通の便が悪いことなどを上回る、地方ならではの魅力とは一体何なのか?メディアラボメンバーが、にかほ市で活躍する10人のインタビューを通して探り、深堀り、記事で伝えるインタビュー企画です。

Q: どんな学生時代でしたか?

「楽しいこと・やりたいこと」を基準に考えて、にかほに辿り着いた(功大さん)

(写真 左:功大さん 右:怜さん)

功大さん
やりたいことを模索し続けた学生生活でした。将来を考えたときに、ゼミの授業で新規事業開発をした経験から自分で事業を作れることを知り、起業したいという想いが芽生えました。海外インターンシップやベンチャー企業に入って仕事の経験を積み、大学4年生のときには事業計画書をたくさん書きました。そして、ビジネスプランコンテストで入賞したことをきっかけに秋田県にかほ市の地域おこし協力隊の権利をいただくことになりました。
内定はすでにいただいていましたが、「楽しいこと・やりたいこと」を基準に考え、にかほ市で事業をやることに決めました。

怜さん
大学3年生まではバイトをするかフットサルをするかの生活を送っていました。就活目前の時期にやりたいと思える仕事がなく悩んでいた時、仕事に関係なくやってみたいことがヒッチハイクでした。実際にやってみると、旅をして生きていきたいって思えるぐらいハマりました。だから就職という選択肢を捨てましたね(笑)
それからは旅をする生活をしていたのですが、大学4年生の頃に功大から「一緒に何かやろう!」って声をかけてもらったことをきっかけに活動し始め、旅先の景色や感じたことを記事やSNSや動画で発信し始めました。

Q: 活動のきっかけは?

「地域おこし協力隊」という選択肢

改修中ゲストハウスでの取材風景

最初は旅先などで観光しながらお金を稼げたらいいなと二人で話していました。WEBメディア運営やSNS運用を検討して、動画や記事作成をしましたが、知名度や集客力が無いと厳しいという壁にぶつかりました。
そんなときに、にかほ市で働いていた大学時代の友人に紹介してもらって、地域おこし協力隊の制度を知りました。そして、にかほ市だったら地域おこし協力隊としての活動費を使って、自分たちの好きな事業を立ち上げられるという点に魅力を感じてにかほ市でゲストハウスをはじめることになりました。

そもそも地域おこし協力隊とは?
地域おこし協力隊は、都市地域から過疎地域等の条件不利地域に住民票を異動し、地域ブランドや地場産品の開発・販売・PR等の地域おこし支援や、農林水産業への従事、住民支援などの「地域協力活動」を行いながら、その地域への定住・定着を図る取組です。隊員は各自治体の委嘱を受け、任期は概ね1年以上、3年未満です。

出典:総務省ホームページより

Q: 仕事のやりがいや大変なところは?

地域の方々のサポートを受けながら、ひとつずつ壁を超えていく

改修工事の様子

自分の目標に向かって仕事ができているという実感が持てて嬉しいですね。もちろん、それだけではモチベーションが続かない大変なときもあるので、精神的な面から、地域の方々からサポートや応援していただけていることがありがたいです。しかし、観光を作る側のことをやってみたくて、好きなことを仕事にてきているので毎日楽しいです!
その一方で、ゲストハウスを作る知識が全くない状態から始めているので、進めていく上で毎回壁にぶち当たります。法律や制度の問題からできないこともあるため、一つの問題を乗り越えたらまた壁が出てくることは本当に大変です。また、頭の中にはやりたいことのビジョンはありますが、資金がなくて前に進まないことも多々あります。空き家を活用すればすぐにできると簡単に捉えている方も多いですが、改修費用で新築を建てるのとあまり変わらないぐらい費用がかかります。そのため、なるべく業者を介さず、SNSで改修工事のお手伝い募集をしたり、地域の方々に手伝ってもらったりして、自分たちでできる限りのことをやっています。

Q: 今後やりたいことは?

やりたいことは大きく3つあります。
1つ目は、横岡で蕎麦やお米、野菜のブランドを作ることです。横岡集落は蕎麦が有名だったり、鳥海山の麓なのでお米と野菜がすごくおいしいかったりと、食の魅力に溢れているため、そのことをもっと多くの人に知ってもらいたいです。また、ゲストハウスでは地域の食材を使用することで、宿泊に来てくれた方々に対し地域食材の魅力を伝えることができると考えています。
2つ目は、秋田のつながりを用いて、サービスのコラボができるようなプラットホームを作っていきたいと思っています。WEBサイトやコミュニティなどで、もっと多くの人を巻き込んで地域ごとの良さを掛け合わせたいと考えています。
3つ目は、海外に住んでいた経験から、海外のお客さまにも来てほしいです。英語を用いて発信する活動や食や映像を通して楽しんでもらうなど、日本や秋田県の良さを海外の方にも知ってもらう取り組みもしていきたいと思っています。

Q: 読者へのメッセージ

自然豊かなにかほ市には登山や山菜採り、釣りやサーフィンなどいろんな楽しさがあることをぜひ体感してほしいです。また、にかほ市の地域の人たちと繋がるためのゲストハウスを今作っているので、ぜひゲストハウスに足を運んで人の良さも感じていただきたいです!

インタビューしてみた感想

改修中のゲストハウスにあがらせていただき、荷物や機材の場所も定まっていないような混沌とした空間でのインタビューはとても新鮮な経験でした(笑)。お二人とも東京に住んでいたのに、この自然豊かな全く異なる土地に移住するという覚悟や熱い想いにとても刺激を受けました。インタビューを通して終始にかほ市、横岡への愛が伝わってきて、今後も活動を応援したいと強く感じました!引き続き、ゲストハウスが完成するのを楽しみにしています。

執筆者:メディアラボインターン 日本大学 3年 石田耕司

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ラジオいちかわのじく
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*ゲストハウス改修作業のお手伝いを随時募集されています!詳しくはInstagramを参照してください。


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