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スティーブ・ジョブズ、安藤忠雄に学ぶ、プロフェッショナルの条件

プロフェッショナルの条件は何度でもやり直せること


プロフェッショナルとは、何度でもやり直せる人のことだと思うんですよね。誰でも一回くらいは頑張れるものですが、プロとアマの違いは、プロは失敗しても、クライアントに否定されても、素早く立ち直って何度でも挑戦できる点にあります。一方、アマはちょっとした失敗や挫折でやる気を失ってしまいがちです。この「レジリエンス」、つまり回復力があるかないかが、プロとアマを分ける大きなポイントなんですね。

世界的建築家、安藤忠雄はコンペに連戦連敗だった


世界的な建築家である安藤忠雄さんは、「連戦連敗」という本を過去に出版しています。この本では、彼がどれほど多くの建築コンペで敗れ続けたかが詳しく解説されています。しかし、その敗北から学び、自らの姿勢を正すというレジリエンスみたいなものをうかがい知ることができます。

ちなみに、六本木にある安藤さんが手掛けた美術館「21_21 DESIGN SIGHT」に行ったときのことなんですが、そのオープン時には美術館の設計に至る過程の展示がありました。
この美術館が完成するまで、地形や政治的な事情で状況が何度も変わり、安藤さんは何度も設計を見直さなければならなかったんですね。多くの人が一回や二回の失敗で心が折れてしまうかもしれませんが、最後まで諦めないのが真のプロフェッショナルなのだなぁと思いました。

図書館に置いてあった脚本家になるための本


昔、学校の図書館に「脚本家になるための方法」という本が置いてありました。その中には中園ミホさんなど、プロの脚本家のインタビューが収録されていたんです。その本の中で特に印象に残っているのは、「脚本家の仕事は、脚本を書くことではなく、書き直すことだ」という一説です。

脚本家は、一度脚本を書き上げても、出演者のトラブルやスポンサーの要望などで何十回も書き直さなければならないんですね。人気のある脚本家というのは、ドラマや映画という総合芸術の中で、何度も変更を加えることができる柔軟さが求められると書かれていました。
状況に応じて、何度も自分が作り上げたものを作り直す、これがプロフェッショナルとして成功するための大切なポイントなんですよね。

プロのヘアメイクは、やり直す前提で土台をつくる


世界的に活躍する日本人ヘアメイクアップアーティストのドキュメンタリーを見たときのエピソードなのですが、ブランドの担当者からメイクが気に入らないと言われ、大幅に修正する場面がありました。メイク修正後、カメラマンが「直すの大変でしたね」と声をかけたところ、「直す前提で最初にピンクカラーをひいていたんです。最初からブラウンなどをひくと、メイクを直せないから」と返答していました。

このエピソードから、プロフェッショナルはクライアントからのフィードバックを前提として、修正しやすい土台を最初に作っておくという手法を学ぶことができます。これは、すべてのクライアントワークに共通する重要なポイントだと思うんですよね。修正の余地を持たせた土台を作ることで、変更要求に柔軟に対応できるのです。

99%完成していても、白紙に戻すスティーブ・ジョブズ

Appleにて初代iPhoneがほぼ完成し、量産段階に入っていたところで、デザイナーは端末の縁取りがデザイン的に間違っていると判断しました。それをジョブズに進言した結果、すでに動いていた工場の稼働を止めて、デザインを修正しました。その修正により、iPhoneは縁取りのないガラス面がぴったりと合うデザインに変わりました。
すでに工場を稼働しているのに、精算性よりもプロダクトの完成度を重視したわけです。

また、Appleストアの1号店がオープンする際にも、彼の決断力が発揮されます。オープン直前、主要スタッフの一人が、商品をカテゴリ別に陳列するのではなく、ライフスタイルに合わせた陳列に変えるべきだと提案しました。ジョブズは最初はその意見を受け入れませんでしたが、最終的には認めて、ストアのリリースを遅らせて店のデザインをやり直しました。

これらのエピソードからわかるのは、プロジェクトが99%終わっていても、完璧を求めるために全てを白紙に戻す勇気と決断があったことです。このような徹底した品質へのこだわりが、Apple製品の高い評価を得る一因となっているんですね。

プロフェッショナルは我を捨てること


これらの事例から、プロフェッショナルとはただ単に技術や知識を持つだけでなく、何度でも改善し、完璧を追求する姿勢を持つことが求められるということが見て取れます。成功している人々の多くは、一時的な失敗や批判に動じず、絶え間ない努力と修正を通じて目標を達成しています。

ふつうの人は自分が一度作ったプロダクトや作品を否定することは辛いものです。しかし、プロフェッショナルは我を捨てて、プロダクトや作品の完成度そのものや、クライアントの要望を追及してるんですよね。
何度もやり直すことができるのは、我を捨ててプロダクトを優先しているからです。

これが、プロフェッショナルの本質であり、各分野で成功を収めるために欠かせない要素だと思うんですよね。それぞれの事例は、異なる分野においても通用する普遍的な教訓を私たちに提供してくれるのではないでしょうか。


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