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リハビリテーション医療で起こるクレーム、トラブル、対立を解決する考え方と方法(Vol.2)

①対象者様や上司、他部署との対立(クレーム)問題をどう解決?

誰もがこの医療、介護分野に足を踏み入れ、働きだし、一度は直面する問題なのである。
ここではクレームではなく、意見の”対立”と考える。
それをどのように考え、対応していくか👇
そもそも我々は対立という問題が生じた際の解決策をどこで学んでいるのか?

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そもそも対立とは”互いに譲らないで張り合う”とされている。
この張り合うという意味と自然現象が御園である。

通常、個人間や組織間で対立が生じている際、場の空気感や雰囲気が悪い事を周囲の人は感じるはずである。
しかし中には空気や雰囲気を感じない人もいる。

また対立問題が生じた際、ストレスを過度に受けて、通勤するのもしんどい人もいたら、通常の仕事できる人(ストレスを感じるけどなんとかできる)もいる。

もし自分が当事者、対象者になった場合、これを理解しておかないと独りよがりの感情爆発になり得る訳である。
また相手も感情爆発させる起爆剤をなり得る訳である。

②上司vs部下の対立


では下記のような場面もよくあります。
どうすれば良いのでしょうか?
下の例は部下vs上司とします。

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下記にも記述しますが、お互い色んな考え方、意見があるとここからさらに発展した話し合いができ、結果対象者様の為になる事になる。

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これは私の経験したリアルな事例です。
スタートはミスです。
しかし上司はいきなり感情的になり、経験年数の指摘を始めました。
これが互いの感情爆発の起爆剤です。
次は表情の事を言われ、さらに感情爆発のスイッチを入れてます。
あとはパワーを使って、抑制するしかないでしょう。
このケースは話始めから論点がズレている訳です。
こうなると、適切な判断できなくなります。

上司はその後も何かあれば、指摘してしまっています。
繰り返される感情爆発スイッチです。

③対立を深めないよう感情をコントロールする


では、どうすれば良いのか?
どうマインドコントロールすべきか👇

”人と人なんで相性がある”
”意識的に役者になると回避できることもある”
”現象を経験し整理していくと制御、対処できるようになる”

例に挙げた上司との対立は、
”年齢も上だし何か経験があってそう言ってるに違いない”
”感情が先走っているから疲れている?ちょっとタイミングが悪かった”
ととるようにする。
そうすると感情がおさまりまた新たな視点が増えるはずである。
また少し時間をおいて、また上司と話する為のマインドセットとなり、拒否感がおさまるはずである。

【メリット】
・色んな考え方を学べる
・効果的な働きかけができる切欠になる
・組織や個人の問題点がでてくる

【デメリット】
・ストレスが感じる
・パフォーマンスが下がる
・現状認識が低下する
・自説の拘りが強くなる
・多様性の排除

デメリットから先に考えてほしい。
明らかに自分のパワーが減り、パフォーマンスが下がる。
頭で考え続けても、まったく解決はしないであろう。
そこでメリットに目を向けてほしい。
そうする事で無駄な時間を費やしていることがわかる。

それでも解決できない場合は、”相性が悪い、分が悪い”とすることが重要である。

④医療者vs対象者の対立

医療者vs対象者ではどうなるのでしょうか?

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医療者が最もやりがちな傾聴(回避)である。
これはその名の通りで、実は対処になっていないのである。
よく傾聴し不安を聞いて、精神心理面にアプローチしたと聞くが、それは抜本的な解決でなく、その場を乗り切っただけである。
もちろん外部からの解決や自己解決をしていれば、問題は生じない。
傾聴は”他の人が対応してくれる”が前提の対応なのである。

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これらは、医療者が自覚しない場合も多い。
例えば、「理学療法(運動)がしんどいからやめて」と懇願する対象者に対し、「でも重要ですから」と伝える。これは服従強制なのである。
最も理想的なのは、協調である。
本来、この協調というのが意思決定や自己決定のツールであり、最近よく耳にする”Shared decision making”である。
Shared decision makingは医療者と対象者様がエビデンスの情報共有をし、一緒に治療方針を決定することである。(共有意思決定)

⑤対立や問題、トラブルが起こった際の対応

まずは自分自身のコントロールである。

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このようにリトル本田を形成することである。
いかに自分を保ち感情コントロールするか。
実際、若い療法士や子育てで忙しい療法士はなかなか難しい事もわかる。
対立問題が生じた際に意識的に行なう事が重要である。

これは家庭内で”配偶者が配慮”すべきことでもある。
”1人になれる時間を作ってあげる”
”家族みんなで早く寝る”
”一緒に運動する”

次に無視、拒絶するのは最小限にし、コミュニケーションを図る事を意識する
ここでは問題解決に取り組む。
もう一度、目的を確認し、解決方法を考える。
感情的になり、目的を見失っている事が多い為、必ず確認する事である。

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先に挙げたケースでは、カルボーネンの式を忘れないよう手持ちのメモに挟む解決案や、最近の心身状況や負荷がかかっていなかったか確認し、ミスして原因と解決策を導く事が目的である。

医療者vs対象者の場合は、関係性を構築していく際に傾聴共感は必須である。それがコミュニケーションから始まる、関係性構築である。

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医療者vs対象者の場合、世界観にまで発展すると非常に良い。
これまでの生き方、生き様は我々よりも確固たるものである。
そこまで理解する事で対象者の発言が理解できる事も多い。

⑥まとめ

前回のvol1から発展した内容でまとめた。
対立は必然的に起こるもので、人間社会を形成する中では当たり前なのである。
その為、医療(病院)社会の中で医療者と対象者の対立も必然なのである。
まずは自分をコントロールし、対象者の発言を傾聴、共感できるようにする。
その訴えをヒントに対象者の世界観や周囲の環境を繋げ、理解する事が大事である。
ここで決して、自分の世界に引き込まない事とさらに対象者の訴えを勝手解釈しない事は絶対である。

最後までご覧頂き、有難うございました。





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