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シーズンを振り返る~Rd.3 ハンガリーGP

またまた大変にご無沙汰しておりました。
Mech's LifeのHIROです。
前回の記事に続いて、今シーズンの振り返りをこの記事でも
書いていこうと思います。
今回は第3戦、ハンガロリンクで行われたハンガリーGPです。

前回の第2戦オーストリアの振り返りはコチラ↓

7月の第1週から始まった3週連続のレースも、いよいよここハンガリーの
ハンガロリンクがとりあえずのラストレースになります。

オーストリアでのレースを終え、チームも車も移動となるわけですが、
この2国はお隣りどおし。4~5時間程車を飛ばせば到着する距離なのです。
日本で言えば、もてぎ~富士へと移動といった様な感覚でしょうか。

スクリーンショット (18)

一面のひまわり畑!
この時は7月も中旬。夏ですねぇ。
さすがにこんな景色は、もてぎ~富士間では見れません。

スクリーンショット (17)

その後順調に旅を続け、無事にブダペスト到着。
みんな大好きブダペスト♪
ドナウ川と古い街並みがキレイです…。

んっ?なんで皆大好きなのかって??

それはレースが行われるサーキットが、
首都ブダペストから、30分程しか離れてないんですよ。
って事は、宿泊先も街に近いわけで、仕事後、疲れたレース関係者達が
羽根を伸ばすために夜の街に繰り出すにはもってこいって訳なんですよ。
年間約20戦、20ヵ国近く回るF1のカレンダーの中でも、大きな街の近くに泊まれるという数少ない場所が、ここハンガリーなのです
東京都心から約30分でサーキットって想像できます?
そう考えると、このハンガリーの特別な感じが、少し身近に感じてもらえると思います。

がしかし、今年はコロナの影響があり、
ホテルとサーキットの往復の外出しか基本的には認められないという
厳しい制限がありました…。
こんなご時世です…。残念だが仕方がない…。

スクリーンショット (19)

今回はサーキット近くの良いホテルに宿泊する事ができました♪
普段はメインイベントとなるF1関係者で、部屋が埋まってしまうホテル。
規模を小さく開催している恩恵が少し受けれた感じです。

スクリーンショット (20)

景色も良いし、プールまで併設の大きなホテル。
僕は部屋でまったりと時間を潰していましたが、シェアしてるもう一人は
暇さえあれば泳ぎに行ってました。
(もちろんコロナ対策はしっかりと行っていましたよ)


さぁそろそろ仕事の話にいきましょうか。

スクリーンショット (23)

今回のサーキットはハンガロリンク。
さぁここは一体どこでしょうか?

僕らサポートイベントのパドックは丁度2コーナーの裏手にあるので、
コースが解放されている時はこの様に
コースを歩いてパドックへと向かいます。

スクリーンショット (24)

トラックの上から望む景色。
右手奥が1コーナーから2コーナー
中央奥から左手奥に見えるのがF1のパドックになります。

夏のハンガリーは暑い暑い。
設営日は良い天気に恵まれ、オーニングの設営も車の準備も
順調に進んでいきました。

スクリーンショット (25)

設営日、仕事終了後の1シーン
1コーナー裏から差す夕陽がきれいでした。

スクリーンショット (26)

予選日。
昨日とは違って曇り空。どうやら週末はこのような天気が続くとのこと。
過ごしやすい気温なのは良いですが、天候が崩れると色々と厄介…。

結局その日は雨がらみの走行となりました
午前のFPはドライで走行できたものの、午後の予選は雨に見舞われウェットコンディションでの走行。そんな中で車のペースをなかなか上げられずの
一日となってしまい、結局、予選の結果は中団に沈むという結果に。
上位を狙えるドライバーなのにこの位置というのは、
悔しいというか、もどかしいというか…。そんな気持ちでした…。

まぁ気持ちを切り替えていくしかありません。
明日も雨がらみとなれば、面白いレースになるかもしれません。

スクリーンショット (27)

土曜日、レース1の朝。ホテルのエレベーターから。
昨晩から降っていた雨の名残か、厚い雲に覆われた空。
雨は落ちていないので、サーキットの路面がどういう状況か、
気になるところです。

まぁ大体こういう時はダンプ(ちょい濡れ)路面の事が殆どですし、雨さえ落ちてこなければ多少濡れててもスリックでスタートになるパターン。
レース中のタイヤ交換義務がない僕らのレースでは、こういういわゆる微妙な天候の際、スタート時のタイヤ選択がすべてを決めます。
とりわけグリッドでは作業時間終了のギリギリまでタイヤを履かない
といったシーンが良く見受けられます。

↑↑↑ レース1のハイライトはコチラ ↑↑↑

結局大きく天候が崩れることなくスタートを迎えたレース1。
スタート直後の1コーナーでの混乱をうまくかわしたところまでは
良かったのですが…。
その後エンジントラブルでリタイアという結果に終わってしまいました。

レース1のまとめもレース2後にまとめて書こうと思いますので、
とりあえず引き続きレース2の振り返りに行きましょう。

スクリーンショット (28)

日曜日。がっつりウェット。
前日のレース結果より最後尾からのスタート。
メディアやFIA関係者で賑わうポールポジションとは違い、
メカニックとエンジニアと車しかいないこの位置…。
まぁ色んな意味で気持ちはスッキリさせられる場所ですな。

↑↑↑ レース2ハイライトはコチラ ↑↑↑

ウェットレースでの大どんでん返しを祈って…と思っていたのですが
なんとこのレースもエンジントラブルでリタイアという結果に…。
結局2レースともポイントはおろか、完走する事すらできずに
終わってしまうという、まさに悪夢のような週末となってしましました。

ハンガリーGP レースのまとめ

終わってみれば2戦連続でエンジントラブルでリタイア。
1ポイントも獲ることもできかったという事で、
チャンピオンシップを考えても、非常に悔やまれるイベントとなりました。
どちらのトラブルもエンジンサイドでのトラブル。
メカニックサイド、チームサイドからトラブルを
予防できたのではと言われれば100%否定はできませんが、
エンジンを管理・メンテナンスしているはエンジンメーカーなので、
基本的にはそちらサイドで予防、対処が行えたはずです。
しかも2戦連続、2日連続のトラブルですから…。

正直、思う事は沢山あります。パフォーマンスはさておき、
メカニックとして、しっかりと戦える車を用意しているんだから、
このような形で全てを台無しにされてしまうのは、辛いし、やるせない。
ワンメイクのエンジンで戦うこのシリーズ。
エンジンの性能、耐久性で順位を争う様なシリーズではありません。
よってこのような事は、基本的に起きてはいけない事。
もちろん1つ1つのエンジンに多少の性能のバラつきはあるでしょう。
早いエンジン、遅いエンジン、壊れるエンジン、壊れないエンジン、
(誤解を招くといけないので、性能の個体差という風に捉えてください)
どれを載せるかは運次第といえば運次第。
たまたま2日連続で凶のおみくじを引き当てたと思えばそれまでですが、
運に勝負を任せているような世界で戦っているわけではありませんからね。

「走るからには勝つ」

そういう意識で仕事をしていますからね。リタイアなんて言語道断です。
勝つために日々それぞれが100%で役割をこなしているんだから、
それが報われないのは、辛いし悔しいです。

こんな形で最初の3連戦を終わりたくなかったのですが、
結果は結果。次に向けて切り替えていくしかありません。
中1週間空くので、次からの3連戦への準備の為にファクトリーに戻ります。
次回はイギリス・シルバーストン。
僕らのチームのホームグランプリになります。
ホームですからね。何とか良い結果を残したい!

以上、ハンガリーGPの振り返りでした。

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